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今の政治に対する思い
はじめに
『わが国が平和主義の下で成し遂げた今日の経済的発展は、人類社会の輝ける成果であり、成功のモデルである。この経済力を活かして世界の安定と繁栄に貢献していくことは日本の責務であり、国民の誇りである』8年前、私はこう考え、日本の経済政策の一翼を担う日本銀行に入行した。その志は今も変わらない。しかし、日銀調査統計局での財政分析、金融市場局での金利調節の経験を通じて私が痛感したのは、現代日本におけるマクロ経済政策の限界と、政治の役割の大きさであった。政府・日銀は、度重なる財政出動と世界に例のないゼロ金利政策という強力なポリシー・ミックス、「財政・金融の総動員体制」を既に十年に亘って継続しているが、未だに経済再生の展望は開けず、国民は将来に不安を抱え自信を失っている。次世代への確かな構想を描き、実行する政治が求められている。私は、未来への楽観と改革への情熱を持って、みずから政治に身を投じることを決意した。現代日本の“明白な宿命”
国家の繁栄をもたらす基本的条件は、国民が自国の未来に希望を抱くことである。米国の第7代大統領ジャクソンは、建国まもない19世紀初頭の米国で、フロンティアの開拓こそが米国の“明白な宿命”と訴えて国民に希望を与え、米国と米国民主党の興隆の基礎を築いた。21世紀、わが国は人類がかつて経験したことのない規模、早さで少子高齢化に直面する。国の未来を担う若者は半減し、日本経済の基礎は根底から揺さぶられるだろう。現代日本の“明白な宿命”は、明日の国民経済を支えるフロンティアを開拓し、少子高齢化の危機を克服することである。政治家は現代日本のフロンティアを示し、国民に安心と希望を与えていかなければならない。今、日本のジャクソンが求められている。日本の未来を語れない小泉首相
小泉首相は就任演説の中で「少子高齢化に備え、世代間で給付と負担の比率を公平にする改革が必要である」と述べたが、システム全体の危機を年金問題に矮小化する誤った政策対応である。国家百年の大計を欠いたまま、自民党厚生族と厚生官僚の「省あって国なき」付け焼き刃政策を受け売りしているにすぎない。日本の未来を語れない小泉首相のその場しのぎの政策運営は、経済を“縮小均衡”に引きずり込み、日本を高コスト・高負担社会に陥れていく。その末路は「六公四民」の国民負担である。国民の深層心理にあるこの明日への不安こそが、社会に閉塞感をもたらし、政治不信を生んでいるのである。“人材”こそ新しいフロンティア
父母の代から受け継いだ勤勉な国民性、平和主義の伝統、高い生活水準を継承・発展させ、世界に先駆けてポスト少子高齢化の安定成長モデルを実現し、国際社会に範を示す。これが私が構想する次世代日本の生きる道であり、国際貢献策である。理想の実現のためには構造的な成長政策により人口1人当りのGDPを高めなければならない。経済政策のプロフェッショナルとして、私は次の5つの改革を提言する。
- 高い付加価値を生み出す産業に資本投下を集中する財政(予算制度・税制改革)
- 教育への積極的な投資による潜在成長力の強化(ブレア型の戦略的教育政策)
- 働く意欲のある女性を支援する環境づくり(男女共同参画の推進)
- 元気な高齢者に働く場を提供する地域コミュニティの再生(循環型社会の再構築)
- 転職のリスクを軽減する労働法改革(ソーシャル・モビリティの向上)
改革の主眼は“人材”を新しいフロンティアと見立て、国民各層の働くインセンティブを高める“人材革命”である。現行システムに寄生して地位や利権を世襲する政治家には、この改革を推進する誘因もなければ、資格もない。「新しいシステムによる人づくりか、旧来システムに依存したカネづくりか」、次世代の政策対立軸がここにある。
若手のチャレンジが今こそ求められている
少子化の進行と経済のグローバル化は外国人労働者の流入をもたらし、「単一民族による国民国家」という概念は、今後緩やかにメルトダウンしていくだろう。日本の文化的、道徳的アイデンティティが改めて問われ、地域コミュニティや治安政策のあり方が重要な政治課題として浮上する。外交面では集団的安全保障の枠組み作りが議論され、憲法改正も現実味を増すだろう。予想される国家の難局を前に私たちが今なすべきことは、次世代の政策課題を適切に処理していくための“インフラ整備としての政治改革”である。例えば一票の格差是正は国民の真のコンセンサス形成を助け、政策決定への国民の信頼を高めるであろう。また、優秀な候補者の発掘と政策スタッフの充実も政治主導の責任ある変革のために欠かせない。明日の国民生活を脅かす政治の怠慢はもう許されない。時代は志ある若者のチャレンジを求めている。これが私の「今の政治に対する思い」であり、民主党の候補者公募に応じるに当たっての所信である。
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