2003/11/07  毎日新聞   上へ 目次 / ホーム

候補者に聞く 下

1区 逢沢植本
2区 熊代津村尾崎
3区 美見中村平沼
4区 柚木橋本
5区 木阪村田

設問
(3)教育基本法改正への賛否と、増加する凶悪少年事件への対策についての考えは。
(4)県内でも進んでいる市町村合併への賛否と、地方分権についての考えは。


◆1区

源太郎候補 31 =民新
(3)教育をめぐる課題を解決するために、教育基本法を改正する必要は感じませんが、制定時と時代背景が大きく変化している今、結論を急がず十分かつ慎重な議論をすすめることは必要です。凶悪少年事件の現状は、極めて憂慮すべき事態で一刻も早く改善しなければなりません。基本的には学校・家庭・地域が緊密に連携できるシステムの構築が重要だと思います。
(4)地方分権の受け皿として、住民や自治体の自主性を尊重した市町村合併をすすめるべきです。国から地方へのひも付き補助金の全廃など、税財源のともなう地方分権をすすめます。

沢一郎候補 49 =自前
(3)道徳と倫理を身につけ、自分の国に誇りが持てる教育を実現するための教育基本法改正に賛成です。少年事件の増加も大人を含めた道徳観、倫理観の低下が背景にあると考えられます。人材育成は国づくりの根幹であり、将来を担う子どもたちが生き生きと学び、育つ環境をつくらなければなりません。そして何より、今日の閉塞感を打破し、未来に希望が持てるような社会を実現しなければならないと考えます。
(4)住民に身近な市町村が、できる限りの行政を担うのが望ましく、思い切って地方分権を進めるべきです。市町村が合併によって規模と能力を備えることは、住民にとっても好ましいと考えます。ただし、合併はあくまでも地域の自主的な判断にゆだねるべきで、財政的な締め付けなどで国が強制するようなことがあってはいけません。「三位一体改革」を突破口に税源移譲をさらに進め、個性が輝く地域づくりを応援します。

本完治候補 44 =共新
(3)政府・自民党の教育基本法「改正」に反対。基本法を教育に生かす。今日の教育の荒廃は、教育基本法で示された教育の目的・理念からの逸脱にある。国連からも異常だと指摘されている競争教育・管理教育を中止し、教育条件の整備(30人学級、父母負担の軽減、施設の充実など)に取り組む。社会生活のゆがみ・矛盾の解消、政治・経済界の不正・腐敗の解消など、民主的なルールをつくる。子どもの意見表明権や社会参加を保障する。
(4)合併の押し付けに反対。今度の市町村合併のねらいは、国から地方への財政支出を削ることにある。これは、地方の切り捨てであり、自主的な地域の発展と暮らしの向上の努力をさまたげ、地方自治を侵すものだ。地方自治体の本来の仕事は、住民の暮らしと福祉、教育を守ることにある。国の責務は、自治体がこれらの仕事に取り組めるよう、財源的な保障を充実させることである。そうしてこそ、自治体独自の施策も強化できる。


◆2区

代昭彦候補 63 =自前
(3)教育基本法の改正には基本的に賛成。教育の場で地域や社会の一員としての自覚を促すことが必要。凶悪少年事件の増加に対しては、倫理・道徳教育の抜本的充実と刑法適用年齢の引き下げが必要。
(4)地方分権の担い手として、市町村がある程度の規模を持つのは良いこと。ただし、あくまで住民の意思が尊重されるべきである。

村啓介候補 32 =民新
(3)自民党が進めている教育基本法改正には反対。必要性がなく方向も間違っている。文科省の旧文部省部分を廃止し、教育の地方分権を進めるべきだ。30人学級の実現や奨学金の大幅増額も必要。凶悪少年事件に対しては、地域社会の教育力を高めることが重要。子どもを学校・教師任せとせず、コミュニティーの共通課題とすべきだ。私は学生時代、子どもと向き合うボランティア活動を体験した。私自身が地域社会の一員として協力したい。
(4)分権なくして合併なし、だと思う。アメとムチによる中央集権的合併には賛成できない。メリットもデメリットもよく分からない段階で、合併を強行するのは無理がある。地方に補助金を持ってくることが仕事だと思っている自民党では真の分権はできない。


崎宏子候補 47 =共新
(3)今日の教育の荒廃は、政府・自民党が長年にわたって教育基本法に明記された理念と原則を踏みにじってきたことが原因であり、改悪には反対です。青少年事件対策としては、自民党政治が生み出したさまざまなゆがみを政治の改革を通じ「民主的なルールある社会」を築くことによって打開する▽同時に、民主的社会にふさわしい市民道徳の基準を広範な国民的な討論と合意で形成する――など、社会が独自に取り組むことが必要です。
(4)主権者である住民の意思を無視した、国や県の圧力による押し付け合併には反対です。真の地方分権の実現には、暮らし、福祉や教育など、自治体が自治体本来の仕事に取り組めるよう、財源的な保障を充実させることが不可欠です。地方自治体への税源移譲は所得や資産にかかる税を中心に行うと同時に、地方交付税制度の果たすべき財源保障、調整の仕組みを充実させる必要があります。


◆3区

見芳明候補 46 =共新
(3)基本法の真髄は「(憲法の)理想の実現は、根本において教育の力にまつ」「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成」にあり、改正でなく徹底すべきもの。少年事件対策では、リストラなどの政治のゆがみが家族のきずなを断ち、ゆがみを蓄積させ、過度な競争主義が精神生活に否定的影響を与えています。政治のゆがみを正し、国民的対話で、健全な成長を保障する「民主的ルールある社会」への努力を強めることです。
(4)地方自治の原則を踏みにじり、自主的な地域の発展を侵すもので反対。合併の推進理由は、自治体数を減らせば財政支出が減らせるというもので、何の大義もなく「分権」に逆行するものです。国から自治体への財政支出の削減ではなく、地方財源の拡充を行うべきです。交付税の財源保障・調整機能を拡充するとともに「ひも付き」として問題となってきた個別補助金制度は、自治体自らの裁量で事業ができる総合補助金制度にします。

村徹夫候補 48 =民新
(3)教育の基本は「地域は学校、みんなが先生」だと、長年のPTA活動を通して確信している。文科省主導で次代を担う教育を扱うのは反対。特に家庭教育の重要性と心の教育に触れていないのは大変残念。物質的環境に恵まれた今の子どもたちに必要なのは、心の教育。純粋で素朴な子どもの心に大人が、自信と誇りという栄養を与え、そして子どもたちが夢と希望という大きな花を咲かせられるような教育改革であるべきだ。
(4)総務省押し付けの合併政策は大反対。本来なら地域事情を考え、当該住民の意志が尊重されるべきものが、現状では無視されている。合併特例債と期限設定による強引な押し進めでは、まったく意味がない。国の管理は外交、防衛、社会保障分野に絞り、地方のことは地方が責任を持って決められる分権社会が大切。例えば、江戸時代の藩制度のように、国と自治体の役割を明確にし、各自治体が独立採算型予算で運営されることが理想。

沼赳夫候補 64 =自前
(3)戦後半世紀余りの教育のつけが表面化していると思います。社会・学校・家庭での教育が十分に機能してこなかった反省にたち、教育基本法改正は必要です。また社会の不安を取り除くためにも司法制度の見直しも必要です。人材は国の最大の財産、現在までの知育偏重教育を是正し、三世代が安心して生活できる住環境の整備、人を思いやることが出来る徳育の充実、知・徳・体のバランスがしっかり取れた教育システムの確立に努めます。
(4)市町村が地方分権の担い手となり、住民に身近な行政の実施主体として十分な役割を発揮するためにも市町村合併には賛成です。06年までに補助金については4兆円の廃止、縮減を行い、交付税を見直し地方への財源を移譲する三位一体の改革を進めます。地方の自立を促すため補助金改革を進めて地方の権限を拡大し全国一律規制を実情に合わせて設定出来る規制緩和や許認可権限の移譲を進め併せて道州制の具体化も行うべきと考えます。


◆4区

毅候補 27 =共新
(3)「人格の完成」を教育の目的とし国家権力による「不当な支配」を許さないなどの、教育基本法に明記された理念と原則を踏みにじってきたことが、教育の荒廃を作り出したのではないでしょうか。教育基本法改悪のたくらみをやめさせ、基本法を教育に生かすようにします。日本の国・地方の教育予算の水準は欧米に比べて7割の低さです。教育条件を向上させ、国の統制から「地域発、学校発」の教育改革に切り替えます。
(4)国による合併押し付けには反対です。ねらいは国から地方への財政支出を削ることです。開発優先の「逆立ち」行政の旗振りをやめ、暮らし、福祉や教育など、自治体が自治体本来の仕事に取り組めるよう、国から自治体への財政支出の削減でなく、地方財源の拡充を行います。税源の移譲を進め、交付税の財源保障、調整機能を拡充するなど財源的な保障の充実へと転換させ、地域振興を図り、地方自治を守る。

木道義候補 31 =民新
(3)愛国心とは強要されるものではなく、この国で生まれ、育つ中で自然と育まれるもの。その意味において教育基本法改正には反対。凶悪少年事件への対策としては、学力より社会力、個性とともに共感性を育む教育が大切。少し前に「EQ」こころの知能指数という言葉が話題になったが、教師、親、そして子供たちがそれぞれEQを学ぶ機会を設ければ、少なくとも長崎のような例をなくす手助けにはなると考えます。
(4)合併が単に特例債目的ではなく、住民の利便性向上、行政コスト削減に繋がるなら賛成。分権は、ひもつき補助金を廃止し、財源、権限を地方に移譲し、自治体は情報公開し、住民参画(チェック)できる仕組みを作ることが大切。将来的には道州制を実現し、中央政府の仕事は、外交・安保、金融、治安維持、基礎的社会保障、地球環境保全などに限定していく。

本龍太郎候補 66 =自前
(3)この3年間で1万人の警察官を増員、空き交番ゼロを目指す。スポーツ、ボランティア活動、文化活動、自然に触れ合う機会などを捉えて少年と大人、親と子のふれあいの場を作り出す。薬物対策など家庭と地域、学校と担当行政機関のネットワークを作り出す。こうした努力の根底にあるものは教育。家庭や地域の連帯感を取り戻すことが必要。このためにも教育を基本から見直し、思い切った改革が必要で、教育基本法の改正は必要です。
(4)総理として地方分権を推進しようとした時、市町村の規模によって実施能力の点で差異が大きいことに悩みました。地方分権を進めるほど市町村の適正規模は課題となります。市町村合併は分権を進める上でも避けて通ることはできません。賛成です。その上で、歴史的な経緯、地理的条件、すでに出来上がっている住民の生活圏を十分尊重して手順を踏むことが大切だと思います。


◆5区

阪清候補 52 =共新
(3)教育基本法の改悪であり反対です。自民党政治は、教育に金を出さず口を出すことに熱中。その結果、国連からもその異常さが問題にされている競争教育、管理教育が学校を荒廃させてきたのです。今こそ教育基本法を教育に生かすことが求められています。少年事件の増加は、国民の生活・労働・教育などのゆがみによってできた社会の道徳的危機の反映です。今こそ「民主的なルールのある社会」づくりが緊急に必要です。
(4)国による合併の押し付けは、地方自治を侵し、地域の発展や暮らしの向上からみても問題が多く反対です。合併押し付けのねらいは、国から地方への財政支出を削ることにあり、地方の切り捨てです。自治体が、本来の仕事である暮らし、福祉、教育などのための財源が保障されるよう、税源を地方に移すことは当然です。同時に、自治体間の格差を少なくするため、地方交付税制度の拡充も行う必要があります。

田吉隆候補 59 =自前
(3)教育基本法を改正し、教師と子ども、親が信頼で結ばれ、公徳心と共通の精神、国を誇りに思う心が自然と身に付くような教育の実現を目指す。今までは、自由主義という名の下に自己中心主義が横行し、日本の歴史や文化、国家の価値を軽んずる考えが支配的であったと思う。青少年の健全育成のためにも、家庭や社会の教育力の復活に取り組まなければならない。
(4)市町村合併については、将来の地域社会のあり方の理想像を求めつつ、住民が自主的に決定することが基本である。また、県境地域の市町村の圏域を越えた合併や過去の合併の是正などもう少し柔軟性があっても良かったのではないかと思う。社会保障、教育、環境など住民サービスに直結する行政や街づくりに係わる権限は、極力基礎的自治体が自主的に行政を実施できるよう国は分権を進めるべきである。

知子候補 37 =民新
(3)反対。教育基本法改正は必要ない。その前にするべきことはたくさんある。少年犯罪の防止のためには、地域社会の教育力の充実が重要。まず教育の地方分権。文部科学省を解体し、権限を地方の教育委員会に移す。地域の子ども会や青年団、消防団などの活動を活性化させることも重要。民主党は警察官を3万人増員し、家庭裁判所機能も強化する。地域での大人の真剣な取り組みが何より必要。若い父親・母親への子育て支援も強化する。
(4)市町村合併は、地方分権の推進という大きな課題へのステップとしてとらえるべきだ。中央集権のままでの合併は、単なる経費節減が目的で理念がない。ましてや中央集権的アメとムチで合併を強制するのはおかしい。民主党岡山県連は岡山5区関連で、人口17万人の井笠市構想(笠岡、浅口、井原、小田、後月)を提唱した。地方分権を前提に、自立した田園都市構想だ。いずれにしても「分権なくして合併なし」が基本の考えとなる。


2003年10月 津村啓介 『毎日新聞 アンケート 回答


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