2003/11/06  毎日新聞   下へ 目次 / ホーム

衆院選 候補者に聞く 上

1区 逢沢植本
2区 熊代津村尾崎
3区 美見中村平沼
4区 柚木橋本
5区 木阪村田

衆院選の投票は9日に迫り、候補者や政党は自らの主張を有権者に訴えようと、激しい舌戦を繰り広げている。「マニフェスト選挙」と呼ばれ、政党の公約が前面に押し出され、候補者もそれぞれ具体的な主張を展開。岡山1〜5区に立候補している15人に、焦点の課題について聞いた。

設問
(1)小泉首相主導の「構造改革」についての賛否、意見を。 
(2)イラクへの自衛隊派遣についての賛否、意見を。


◆1区

源太郎候補 31 =民新
(1)私は、政官業癒着による税金のムダ使いをなくすことが構造改革の一歩だと思います。政官業癒着の温床になっている国から地方へのひも付きの補助金を全廃し、ムダ使いの「うまみ」を享受している族議員や天下り官僚にこそ痛みのともなう政策を断行すべきです。真の構造改革を断行するためにも、政権を奪取して、「内閣・与党の二元体制」「官僚主導の政権運営」といった従来の権力構造を根本から変え、日本を再生します。
(2)戦闘が続く現状において、「イラク特措法」にもとづく自衛隊派遣には賛成できません。ただ、被災したイラク国民に対し、医療・教育・経済など人道・復興支援については、安保理決議やイラク政府の要請にもとづき積極的に取り組まなければならないと考えています。

沢一郎候補 49 =自前
(1)「改革なくして未来なし」。小泉政権の構造改革を強く支持します。今政治に求められているのは、日本経済を持続可能な成長軌道に乗せることです。戦後の日本を繁栄に導いた社会システムは制度疲労を起こしており、新しいプログラムへの移行が求められています。不良債権問題の早期解決を行いつつ、中小企業の再生、雇用の創出、新たな経済発展基盤の創造を行っていきます。
(2)イラクの復興と民主化のため、人的、財政的な支援をすることは国際社会の一員として当然の責務だと考えます。イラク復興支援特別措置法に基づき、近く自衛隊をイラクに派遣することになると思います。小泉総理が最終判断することですが、私も外務副大臣として、意思決定に加わることになります。人類共通の敵であるテロとの戦いに毅然とした態度で臨むべきです。国益にかなう判断です。

本完治候補 44 =共新
(1)小泉内閣の「構造改革」に反対。政府は、大企業の身勝手なリストラを手助けし、中小企業を無理矢理倒産させ、社会保障の国民負担を増やし、給付を切り捨ててきた。そのため、国民の暮らしの不安、将来の不安が大きくなっている。経済を支える一番の土台は国民の暮らしである。私は、税金のムダ遣いをなくして国民の暮らし向けの予算を増やす改革、大企業の横暴を規制し国民の暮らしと権利を守る改革などに取り組みたい。
(2)イラクへの自衛隊派遣に反対。いかなる理由があろうと自衛隊の海外派遣は憲法違反である。アメリカのイラク戦争は国連憲章に違反し、道理がない。アメリカが、いまイラクで行っているのは軍事占領である。イラクに必要なのは人道支援である。国連憲章の国際平和の秩序をとりもどすことが、緊急課題となっている。これは日本国憲法の精神とも合致しており、日本は憲法を生かした平和の外交にとりくむことが必要だ。


◆2区

代昭彦候補 63 =自前
(1)小泉構造改革は道路公団改革など成果を上げており、基本的に賛成。ただし、そのスピードは加速するべきだし、構造改革の痛みを和らげる社会のセーフティーネットをより早く進めなくてはならない。
(2)イラク現地に、自衛隊以外の派遣をすることは実行力の観点から困難、協力の必要性に関しては国際的な責務から協力するべきと考えている。

村啓介候補 32 =民新
(1)小泉首相の「構造改革」は言葉だけのパフォーマンスになっている。賛成できない。郵政民営化は、最も重要な特殊法人改革が全くできていない。道路公団民営化は事実上永久有料化であり、結局看板の掛け替えに過ぎないものとなる。民主党は国の補助金を廃止して、18兆円の一括交付金を地方の自由な財源とする。郵貯資金の運用を抜本改革し、高速道路は無料にして、道路公団は廃止する。真の構造改革は民主党が実現する。
(2)イラク特措法による自衛隊の派遣は反対。イラク戦争は、国連を無視したアメリカの単独主義の戦争で、元から考え直す必要がある。日本は国連中心主義と日米同盟が外交・安全保障の基軸。民主党政権では、アメリカとよく話し合って、国連を中心としたイラク復興支援策を再構築する。その枠組みができれば、日本は相当の資金援助を当然行うべきだし、国連の旗の下でPKO活動や人道的な国際救援活動に自衛隊が活躍することも当然ある。

崎宏子候補 47 =共新
(1)小泉構造改革は、その柱である「不良債権処理」が中小企業に対する貸し出し金利の引き上げ・貸し渋りと貸しはがしを生み、中小企業倒産の激増と一層の景気悪化をもたらしており、ただちにやめるべきです。景気回復のためには、国民消費を冷え込ます消費税増税や社会保障改悪などを中止し、逆に、公共事業費を削って社会保障を予算の主役にすえるなど、国民の懐を温める政治に全力を注ぐことが今最も重要です。
(2)アメリカのイラク占領に自衛隊を送り込むことは、イラクの復興に結びつくどころか、混乱状態を一層深刻にし、イラク国民をますます苦しめるだけです。さらに、我が国もまた、無法な占領支配の共犯者として、アラブ・イスラムの人々の全体を敵に回すなど、取り返しのつかない道に踏み込むことになり、憲法9条と相いれないことは明らかです。イラクへの自衛隊派兵はきっぱり中止すべきです。


◆3区

見芳明候補 46 =共新
(1)「構造改革」の破たんは明らかです。医療費の値上げや「不良債権処理」で、努力している中小業者を無理矢理つぶし、大企業のリストラを支援し、雇用不安を拡大。経済危機を一層深刻にしました。一番大事なのは経済の6割を占める国民の消費の力を応援すること。そのためにはムダな公共事業を削り、社会保障を予算の主役にすること、そして、暮らしと権利を守るルールある経済社会を実現し、暮らしに活力を与えることです。
(2)イラク派兵は中止すべきです。アナン国連事務総長は、米英軍の攻撃を「国連憲章の原則への重大な挑戦」と批判。戦争の口実とした大量破壊兵器も発見できず、戦争に何の大義もなかったことは明白です。政府は、イラク戦争を支持した誤りを認めるべきです。イラク国内は、米軍への攻撃が相次ぎ、泥沼化しており、自衛隊派兵は混乱を一層深刻にするとともに、アラブ・イスラムの人たち全体を敵に回すことになります。

村徹夫候補 48 =民新
(1)国民に痛みだけを押し付ける小泉構造改革には大反対。まず国と国会議員で痛みを最大限に感じることが大切。具体的には、1院制の確立で国会議員数を削減し、さらに議員歳費も1割をカットする。議員年金見直しも絶対に取り組むべき課題。高級官僚の天下りは全面禁止。公共事業一斉点検を実施し、ムダな支出の大幅カットをする。その転用で国民年金等の国民福祉政策に予算を重点配分する。国民への痛みは最小限にとどめるべきだ。 
(2)米国追従型のイラク派遣は反対。集団的自衛権の行使は日本国憲法に定められておらず、なおかつ、危険地域へ日本国民である自衛官を派遣することは絶対反対。ただし国連決議の下に、日本が国際協調の中で人道的支援をするのであれば派遣も可能と考える。経済的支援のみならず、日本しかできない支援もあるはず。和平交渉や調停、仲介などの日本独自の活動が世界に認められれば、アジア極東地域で新しい相互協力関係が可能になる。

沼赳夫候補 64 =自前
(1)改革推進と経済活性化策の推進は車の両輪に例えるべきで「二兎を追う」必要があります。改革の断行はこれ以上先送りは出来ません。同時に景気回復のために必要な積極策は果敢にやるべきだと考えます。今までも閣内で主張し続け、実現することが出来た補正予算編成、政策減税などに加えて、若年層の雇用創出や、産業再生、より細やかな中小企業対策などを推進し、明るい兆しの見えて来た日本経済再生に全力で取り組んで参ります。
(2)国際社会の中で我が国がいかにして国際貢献を果たすべきかという議論が必要です。民間NGOなどが行う人道支援、政府機関が行う経済支援とともに、国際社会との協調・協同活動の一つとして、自衛隊などの人道支援活動、PKO活動への参加など目に見える人的な国際協力を積極的に推進することが必要と思います。そのことが先進国の一員である我が国に期待されている責任でもあり、ひいては日本の国益につながるものと考えます。


◆4区

毅候補 27 =共新
(1)小泉内閣は、医療・年金・介護など経済の土台である国民の暮らしを痛めつけ、リストラ応援の政治で、過去最高の失業倒産。今失業者の半数が若者である。さらに消費税大増税の準備まで進めていることは許せない。経済の立て直し、国民不安をなくするには、財界、アメリカいいなりの政治をやめること。税金の使い方をあらため社会保障を予算の主役にする改革で、消費税に頼らない安心できる社会保障を立派に実現できる。
(2)反対。ピースウオークなど、青年とともにイラク戦争反対の行動をしてきた。イラクは今も全土で戦闘状態。不法な占領にイラク国民の憎しみと怒りが広がっている。そもそも自衛隊をイラクの戦場に送ることは、憲法違反である。アメリカ言いなりに「人も金も出す」では無法な戦争、占領に手を貸すことになる。国連の「平和のルール」を守り発展させること、日本は憲法9条の精神で平和外交に乗り出し、アジアと世界に働きかける時。

木道義候補 31 =民新
(1)“改革には痛みが伴う”と言った小泉首相だが失業、自殺、医療費増といった痛みは見えているが改革の具体的成果は見えてこない。総選挙の争点に「地方分権」「高速道路の無料化」「年金改革」があるが、これらの実現には霞が関中心の官僚主導政治、内閣と与党の二元政治、そして族議員による政官業癒着の利権政治、これらの“改革”が必要不可欠なのに、小泉構造改革は踏み込めていないし、それが国民に見えていないのも問題。
(2)イラク特措法に基づく自衛隊の派遣には反対。イラク国民の政府が樹立され、安保理決議があれば憲法の範囲内でPKO、PKFで自衛隊の活用も含めた支援を行っていく。

本龍太郎候補 66 =自前
(1)私は土光臨調を支え、国鉄、電電、専売民営化を自分で手がけてきました。今、どれも国民に喜んでいただいています。小泉総理の構造改革の中身がわかりませんので賛否はわかりません。構造改革は必要なんです。総理時代、欲張りすぎと言われながら6大改革を推進してきた私は、本当の構造改革に取り組むことではどなたにも勝っていると自負しております。
(2)一昨年9月11日、アメリカで起きた同時多発テロ以降、世界は大きく揺れ動いています。国家とテロ組織が争う事態を想定した制度など、どこにもありません。そうした中で日本として行っている法的な準備のひとつに自衛隊のイラクへの派遣を可能にする法的な準備があります。今、私は日本・アラブ対話フォーラムをようやく立ち上げました。少しでも安全、安定が戻り、自衛隊の派遣を不要に出来るよう努力中です。


◆5区

阪清候補 52 =共新
(1)反対です。小泉内閣の構造改革は、大企業・大銀行を応援し、国民には「痛み」だけを押し付けるものです。「強きを助け、弱きをくじく」もの。そのため年金、医療など本来政治が中心とすべき社会保障を投げ捨てたもので、この改革が進めば国民の暮らしは大変です。一方、国民が改革を求めている公共事業にはほとんど手をつけず、逆に国民が求めてもいない郵政事業の民営化を進めるなど、国民不在の改革です。
(2)イラクへの自衛隊派兵には反対です。派兵は憲法9条にも違反します。イラク戦争の口実とされた「大量破壊兵器」も見つからず、米英の占領そのものが不法なものです。不法な占領支配を支援する自衛隊の派兵は、イラク復興どころか、混乱を長引かせ、日本は取り返しのつかない道に足を踏み入れることになります。イラクへの派兵は中止し、アメリカの占領費負担もすべきではありません。

田吉隆候補 59 =自前
(1)小泉構造改革は、「官から民へ」――民間にできることは民間にという柱を立て、<1>郵政事業改革<2>道路公団改革<3>官製市場の民間開放<4>構造改革特区の活用<5>官と民との不公平の是正<6>規制改革と、民需を誘発する歳出構造改革を進めていくことを内容とする。自民党の古い体質を変えようとする首相の意欲には大いに賛成するが、手を広げすぎているところもあり、そろそろ整理が必要と思う。
(2)日米同盟を機軸としつつ、国際協調を重視し、イラク復興支援を行い、人類共通の敵であるテロの撲滅、国際社会と協力した平和外交を推進するというのがわが党の基本方針である。この観点から言ってイラクにおける非戦闘地域において、復興のための協力を行う条件が満たされることが必要であり、また、国連において各国が支援に参加する決議が整うことが国際協調の観点からも望ましいと考える。

知子候補 37 =民新
(1)まやかし。すべてキャッチフレーズだけで中身がない。郵政民営化は必要ない。郵貯・簡保資金を財投などにせず、住宅ローンや中小企業融資に直接回せばよい。行政サービス窓口などの機能を強化するには、公務員の方がよい。道路公団は廃止し、40兆円の借金を低利の国債に借り直せば、30年で60兆円の返済となり、1年2兆円の道路予算削減で十分返済可能。高速料金は無料化できる。民営化案では返済は120兆円となり、破綻する。 
(2)反対。自衛隊はたとえ国連決議があったとしても、また後方支援であるとしても、戦闘地域には派遣すべきではない。現在の状況では、イラクが戦闘地域であることは明らか。完全に戦闘行為が終結した時点で、国連の旗の下で、あるいは国際機関の要請に基づいてインフラ整備などで、できる限り支援することには賛成。私個人としては、憲法9条は一字一句変える必要はないと思う。平和主義に徹することが日本の進むべき道だと思う。


2003年10月 津村啓介 『毎日新聞 アンケート 回答


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