| 2003/10/11 毎日新聞 | 目次 / ホーム |
衆院解散 各陣営、臨戦態勢に
衆院が解散した10日、県内の小選挙区立候補予定者や各政党も一斉に動き始めた。前職の多くは地元に戻り、国政報告会や支援団体などの集会に出席して支援を呼びかけた。一方、新人は早速、街頭に立ってアピール。各事務所や政党県組織も活動を本格化させた。「小泉構造改革」の是非をテーマにした衆院選は11月9日投開票。今月28日の公示に向け、各陣営は臨戦態勢に入った。
政治に何を望む街の声 ・ 各党談話 ・ 衆院選予想の顔ぶれ
自民に民主、共産どこまで迫る
県内5選挙区で立候補を予定しているのは、それぞれ前職5人と、新人10人の計15人。各選挙区とも自民前職に、民主と共産の新人が挑む構図。自民は小選挙区比例代表並立制が導入されて以来、前回(00年6月)、前々回(96年10月)と続いて5選挙区の全議席を独占している。厚い保守地盤に支えられた自民に対して、民主と共産がどこまで迫ることができるかが最大の焦点となっている。
解散後のこの日午後、1区と2区の民主新人はそろって岡山市のJR岡山駅前で演説し、買い物客らに顔を売り込んだ。共産党が1、2区に擁立する新人2人も同日夕、同駅前で勤め帰りの人たちに支持を訴え、4区の同党新人はJR倉敷駅前で演説をした。
一方、2区前職は解散後直ちに選挙区の岡山市内に戻り、午後7時から国政報告会を開催。1区前職も夜、同市内で会合を開いて陣営を引き締めた。
自治体の選挙準備も急ピッチで始まった。県選管は同日、小選挙区の立候補予定者説明会を15日に県庁で開催するなど、今後のスケジュールを決定。岡山市選管も開かれ、これまで別々だった1、2区の開票所を岡山ドーム(同市北長瀬表町1)に統合することなどを決めた。
政治に何を望む街の声
各党が「改革」をキーワードにマニフェスト(政権公約)を掲げる衆院選に向け、有権者は政治に何を望むのか。街の声を聞いた。
◇改革に名を借り福祉切らないで
岡山市万成西町、ソーシャルワーカー、嶽崎貴史さん(30) 介護保険では介護認定の解釈があいまいだったり、現実に即していない施策が目につく。福祉の現場では資金は不足しており、財政改革に名を借りた福祉予算の切り捨ては反対。他党の批判・中傷や小手先の公約を叫ぶのではなく、長期的展望を持って実のある政策実現を目指してほしい。
◇景気の回復傾向身近に感じない
倉敷市藤戸町藤戸、会社員、島田努さん(32) 景気に回復傾向が見られると言われても身近にそれを感じることはない。売り上げが伸びたり給料が上がったという話を、他の会社でも聞くことがない。痛みを伴う改革というが、痛みに耐えた向こうに何があるのか、はっきり見えないと将来への不安が募るばかり。明確なビジョンを。
◇立ち直る力育つ学校教育実現を
岡山市吉備津、主婦、時光智子さん(44) 子供をしかれない教師が目立ち、いじめも昔より陰湿だと聞く。保育園児の長女(4)が数年後には小学校に上がるので心配。政治家には、教育者の質を高め、学校内の情報を公開させるような取り組みを望む。勉強を詰め込むよりも、社会でつまづいたときに立ち直る力を育てる学校教育を実現させてほしい。
◇将来に無理ない年金改革案示せ
津山市坪井町、無職、井上安男さん(78) 体調不良で病院通いが増え、医療費の負担増が少しずつ響いてきている。私の場合は厚生年金なので、比較的恵まれた生活レベルを維持できているが、国民年金受給の人からは、「なかなか厳しい」という声を聞く。将来的にも子や孫が、無理なく負担・受給できる抜本的な年金改革案を、きちんと示してほしい。
◇景気回復第一で地方経済回復を
笠岡市笠岡、写真店経営、石井啓弌さん(58) 長期的には「改革」も必要かもしれないが、今はまず、景気回復に取り組んでほしい。企業の倒産やリストラによって商店街での消費は減り、閉店に追い込まれてしまった飲食店も多い。街全体が沈滞化してしまっている気がする。地方経済の立て直しを第一に、中小企業を大事にする経済政策を望みたい。
◇真剣に農業政策考える政治家を
備前市佐山、農業、重成正さん(62) 冷夏のせいで米は不作だ。10年ほど前にも作柄が悪く、米の価格が安くなったこともあるが、今年も同じような価格で取り引きされている。今の政治家は農政については行き当たりばったりだ。米国では米作りを国が保護しているが、日本は減反、減反で米作農家が減少。真剣に農業を考える政治家を望みたい。
◇不況打開のため若者に就職口を
高梁市下谷町、大学生、三上敏世さん(22) 若者の就職難が続いているので、政治家が責任を持って対策を実行してほしいと思う。若い力が今の不況を立て直す可能性を持っている。若者にチャンスを与えるべきだ。政治家は国会で原稿を読むのでなく、前を向いて堂々と国家のために自分の意見を論じてほしい。中継を見ていると情けなく感じることがある。
各党談話
◇完勝へ全力
大杉尚久・自民党県連幹事長
小泉内閣初の総選挙で、21世紀の我が国の政治の行方を決定付ける重要な意味を有している。景気の本格的回復、北朝鮮問題、教育改革など国内外の政治課題を早期に解決するため、我が党の責任は重い。党の政策を浸透させ、完勝すべく全力を傾注したい。
◇若さで自民打倒
江田五月・民主党県連代表
日本再生のために、自民党がよいのか、民主党がよいのか、文字通り政権選択の選挙となる。民主党はマニフェストを掲げて、正々堂々と皆さんに訴える。民主党岡山は平均年齢35歳の若い力で、自民党政権を倒すために全力を尽くすことを誓う。
◇連立の実績強調
景山貢明・公明党県本部代表
タイムリーな解散だ。現在の自公保連立政権を選ぶか否かが最大の争点。公明党は他党に先駆けてマニフェストの取りまとめに動き、年金改革などでも独自案を打ち出している。連立に参加して4年。公明党ならではの実績をアピールしていきたい。
◇自民政治変える
中原猛・共産党県委員長
小泉内閣が進めた「構造改革」と社会保障切り捨ての国民いじめの政治、海外派兵など米国言いなりの政治を変えるチャンス。我が党は「日本改革」を進め、消費税増税や憲法改悪を食い止めるよう力を尽くす。「自民党政治を変える」立場を鮮明にして戦う。
◇比例代表に全力
渡辺慎一・社民党県連合代表
明日の我が国の命運を決する重要な選挙。県連合は、小選挙区候補者は擁立せず、比例代表選挙に全力投球する。「今こそ平和憲法を守ろう」「景気回復」「雇用・福祉・年金・農政」などを提案し、法案提出に必要な21議席以上の獲得を目指す。
◆衆院選予想の顔ぶれ◆
【1区】 逢沢 一郎 49 副外相 自民 現(5) 菅 源太郎 30 NPO役員 民主 新 植本 完治 44 党地区副委長 共産 新 【2区】 熊代 昭彦 63 党政調副会長 自民 現(3) 津村 啓介 31 元日銀職員 民主 新 尾崎 宏子 47 党県委員 共産 新 【3区】 平沼 赳夫 64 元経済産業相 自民 現(7) 中村 徹夫 48 管弦楽団長 民主 新 美見 芳明 46 党地区副委長 共産 新 【4区】 橋本龍太郎 66 元首相 自民 現(13) 柚木 道義 31 党県副代表 民主 新 東 毅 27 党准県委員 共産 新 【5区】 村田 吉隆 59 衆院経産委長 自民 現(4) 秦 知子 37 薬剤師 民主 新 木阪 清 52 党地区副委長 共産 新
| 2003/10/11 毎日新聞 | 目次 / ホーム |