| 2008/02/27 民主党改革のあゆみ (11) 官僚への権力の偏在・二大政党制が官僚機構を正す | 目次 / 津村啓介ホーム |
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今、力を入れている仕事 (3)
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第11回
官僚への権力の偏在
次に、なぜ今の日本にとって二大政党制が良いと思うのか。
明治以来の選挙制度、選挙法の改正の歴史を見ると、経済発展とパラレルに制度が変わってきています。つまり経済が政治を規定している。あるいは、下部構造が上部構造を規定しているわけです。イギリスの選挙法改正の歴史を見ても、王権時代や絶対主義君主制云々というところの世界史的な流れを見ても、同じことが言えます。
これこそマルクス的な歴史観かもしれませんけれども、明らかに、経済発展が進んで、それから富の偏在が是正されるというか、富の分配が進んでいくようになる。すると、それに従って、権力の偏在も正されていく。その流れの中で、選挙法というのはだんだんハードルが下がっていったわけですし、女性参政権も生まれたわけです。選挙権の年齢制限が下がるかどうかはわかりませんけれど・・・。そこは人間とは何か、成人とは何か、という話になるので、富の偏在とどう関わるか、少し整理が必要だと思っています。下部構造と無関係に、選挙権をどんどん拡大していくことは、必ずしも正しい選挙法改正だとは思いません。
富の偏在が正される過程において、資本主義の修正が進む過程において、権力の偏在というものも正されていっている。これが歴史の流れだと思います。けれども、今、日本に置いては、この権力の偏在を正すという大きな歴史的流れが行き詰まっている。それは、あまりにも強固な官僚制、官僚システムが、大きな成功体験として残っているからだと思います。
戦後の日本の経済発展がこれだけ世界から尊敬されている中で、(自分たち日本人は割と自虐的な国家観を持っているな)と、私自身も反省を含めて思うんです。やはり海外に留学をしたり、アジアの友人と話すと、日本というものが成功モデルとして、あるいは脅威として受け止められている。日本の戦後の経済発展を「所詮、団塊世代の存在が安価な労働力として提供されただけだ」とか、今や少子高齢化になれば、「もう国力は衰退する。それは歴史の必然だ」とか、すごくドライに言う人もいますけれど。
ともあれ、日本のこの経済発展は非常にミラクルだったわけで、あまりにも強いその成功体験が、霞ヶ関の強固な組織に繋がっているんだと思います。私自身も、まだ自分のどこかに霞ヶ関への信仰がありますし、皆さんくらいの歳の頃には、霞ヶ関で働きたいと思って勉強したこともあります。二大政党制が官僚機構を正す
では、官僚制をどう正していくか。
1つのテクニックとしては、今回の防衛省のバッシングのようにスケープゴートを作って正していくやり方があります。私が勤めていた日銀もバッシングの対象にされたことがありますが、“ノーパンしゃぶしゃぶ”が象徴的に取り上げられて、接待問題で上司が捕まり、私自身も机をひっくり返されて手帳を押収されたりしたことがありました。大蔵省も同様でした。自民党一党支配の下では、霞ヶ関に対してのチェック機能というのは、せいぜいそういうネガティブチェックのような形のコントロールしか成し得ません。
政権交代、そしてポリティカル・アポインティも含めて、政と官の関係を逆転して権力の偏在を正すこと。そして硬直した予算配分の仕組みを正すこと。この点において、2008年現在の日本では、選挙による二大政党制、そして選挙による政権交代が本質的に正当化され、歴史的な必然として要請されているのだろうと思っています。
そういう意味で、大連立というのは、短期的には非常に中途半端な措置になるので、歴史の流れ全体から見ると多少逆行しているんだろうと思います。
ただ、方法論として「選挙による政権交代を実現するためにこそ、大連立が必要だ」という議論は十分ありえます。それが小沢さんのロジックですし、私は現在の民主党の経験値を顧みたときに、極めて現実的な一つの選択肢ではあったと思います。
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