2005/06/16  国会議員になるまで (12) 号外目次 / 津村啓介ホーム

津村啓介「国会議員になるまで」インタビュー シリーズ

(1)日本銀行 (2)英国留学 (3)江田五月さんとの出会い (4)家族の反対
(5)イギリスの公募制度 (6)岡山と私 (7)候補者時代 (8)新しいタイプの政治家をめざして
(9)ポスター貼り (10)周囲の支え (11)労働組合との関わり (12)代議士になって感じること
(13)候補者のフトコロ事情 (14)政治家の役割 (15)後輩へのメッセージ ラスト!

(12) 代議士になって感じること

剋タ際に政治家になってみて、自分が思っていたのと違う、“想定外”の大変だったことってありますか?


私があまり考えていなかったのは、政治家の“経営者”としての側面です。これは2世議員の方とか、後援会がしっかりとしていて乗っかれるマシーンのある人だったら別かもしれませんが、私のような身体1つで政界に飛び込んだ者にとっては、ゼロから人間関係や組織を作っていかなければならないというのは大変な課題なんです。当たり前ですが、人間関係は一瞬で出来るものではなく、理屈で出来るものでもありません。しかも大勢の方と信頼関係を築いていかなければ代議士は務まりません。時間がいくらあっても足りないですよ。何十年という時間をかけて、焦らずに、少しづつ作っていくものなのかも知れませんね。本当に難しいです。


凵g人”の問題ということですね?


そうです。身近なところでいえば、一時期マスコミでも大きく取り上げられた政治家と秘書の関係っていうのも、本当に古くて新しいテーマなんですよね。奥が深いです。だから秘書給与問題なんかで、大物政治家がああやって失脚していくわけですよ。これは本当に難しいテーマだから、家族を秘書にしたりしている方も沢山いますよね。ある意味で一つの解決策ではあります。長い信頼関係があるわけですからね。

広く人を集め、自分の政治活動の広がりとともに、秘書もスキルアップさせていく・・・というのはすごく難しいことです。それが出来る人は、ある意味で起業家ですよ。私は、身体一つで政界に飛び込んだ以上、自分の役割はベンチャー企業の経営に近いなと思っています。


凾サれは、どういう意味ですか?


私は新人です。新規参入の分際ながら、選挙ですぐに結果を出さなければいけない。つまり候補者自体が成果主義の環境におかれるんです。年功序列とか減点主義とは別世界です。結果が出せなければ、クビです。私自身が選挙でクビになります。そういう緊張感がものすごいんです。現代的な経営センスを問われることだと思っています。私はMBA出身ですから、マネージメントやファイナンス、マーケティング、それに人材戦略も机の上で勉強し、頭では理解しているつもりでした。でも、やはり現場では日々試行錯誤しています。


凾竄ヘり自分の身代わりになってくれる人がいないと、永続的には難しいですよね。
某政党のように、党が秘書も資金も全部仕切っているというのとは違いますから、自分で秘書との関係を築いていって、事務所を安定させていかなければいけないですよね。


そうですね。公募のことと多少結びつけてお話しますと、先ほど話したイギリスの選挙制度は、成果主義であると同時に“上司・部下”の関係がハッキリしている世界です。政党の本部の意向が強いんですね。良い悪いは別として、すごく欧米型のトップダウン組織です。
しかし、私を含めて日本人は欧米のように割り切ることはできません。私を民主党のサラリーマンと考えたとして、岡田克也代表なり、選対本部長との関係はどうあるべきかと考えたときに、個々の党務に関しては“上司・部下”の関係になることもありますが、地元活動や自分の政治家としてのあり方に関わることは、やっぱり“お山の大将”なんですよね。全ての責任は、私自身が負わなければなりません。誰も庇ってくれない。最終責任がそれぞれの議員本人にかかってくる中で、政党と各議員がどういう関係にあるべきか、各議員や候補者が自分の事務所をどうマネージするかが問われます。このあたりが公募制度の迷いであり、私個人の悩みでもあるんですね。
 

― 本稿は、雑誌インタビューを津村事務所の責任で加筆編集したものです。 ―


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