| 財務金融委員会 第7号 2004年11月10日(水) 午前10時3分開議 | 目次 |
本日の会議に付した案件
金田委員長
次に、津村啓介君。
津村委員
民主党・無所属クラブの津村啓介と申します。
まず、冒頭でございますが、十月の二十九日、前回の御質問の際に、上田副大臣、御都合がつかなかったものですから、今回、政治姿勢につきまして御質問をさせていただきます。
まず一点目、年金の未納があるかないかでございます。
上田副大臣
前回、御通告をいただいたときに、ほかの公務がありまして大変失礼をいたしました。
御質問の年金につきましては、平成五年、国会に議席をいただいて以来、未納、未加入の期間はございません。
津村委員
続きまして、二つ目の質問ですが、今回の内閣改造の一つの大きなコンセプトと言われております郵政民営化に関しまして、上田副大臣の御見識をお聞かせください。
上田副大臣
郵政民営化の問題は、今さまざまな議論が行われているところでございますけれども、私といたしましては、今の内閣の方針に従っておりますし、また、決定した場合にはそれに従うつもりでございます。
津村委員
さまざまな議論がなされていると思うんですが、上田副大臣としては、どういうスタンスで議論に参加されるんでしょうか。
上田副大臣
お答えいたします。
この郵政民営化、所管は財務省ということではございませんので、財務省としてどういう意見と言われても、お答えすることもちょっと難しいんですけれども、今、政府、国会でも、いろいろな委員会でもこの議論が行われております。ただ、大きな流れというのはほぼ決まっているんじゃないかというふうに思いますが、今、そういうスケジュールだとか段取り、そういったことについての議論が行われております。こうした議論、私どもも注視をしておりますが、いずれ結論が、政府、内閣として方針が決まるというふうに考えておりますので、それに従うつもりでございます。
津村委員
次の質問に移ります。
今回の臨時国会の一つの大きな争点として、政治と金の問題が取り上げられております。本日も党首討論がありますけれども、私どもの代表であります岡田克也代表も、前回の党首討論において政治と金の問題を厳しく追及させていただいたところであります。
それに関連して御質問いたしますが、いわゆる迂回献金と呼ばれているもの、あるいは、これは党を超えますけれども、旧橋本派からの献金等といったものは、上田副大臣、ございませんでしょうか。
上田副大臣
私の場合、いずれも、政治資金規正法にのっとりまして適正に処理をいたしておりまして、いわゆる迂回献金なるものはございません。また、今御質問にありました派閥等からの献金も、政党も違いますので、それは一切ございません。
津村委員
上田副大臣への御質問は以上でございます。ありがとうございました。
それでは、続きまして伊藤金融大臣に御質問させていただきます。
今回の信託業法改正案につきましては、いわゆる一般企業等の新規参入が広範に認められる可能性があることからも、監督あるいは検査の体制が十分に整備されていくのか、そういった重要な論点が指摘されております。
そうした認識に立ちまして、まず冒頭、最近の金融検査に基づく行政処分でありますシティバンクの事例についてお伺いをしたいと思います。御質問の趣旨は、検査後のフォローアップ体制のあり方についてでございます。
本年九月十七日、シティバンク・エヌ・エイ在日支店に対しまして、在日支店の法令等遵守姿勢及び経営管理体制などに根本的な問題が認められたことを理由といたしまして行政処分が下されました。処分の中身につきましてはここで詳しく触れませんけれども、問題の大きさを考えますと、まあ処分は妥当かもしれませんが、しかし、気になったのは、第三の処分理由として掲げられております「業務改善命令に違反する実態及び不適切な検査対応等」の部分でございます。
そのときのプレスリリースから引用いたしますけれども、「当庁に対する改善計画への取り組み経過報告の当初の段階(平成十三年九月)から最終報告(平成十五年三月)までの間、所要の改善をすべて完了した旨の実態と異なる報告を行って、当庁より業務改善計画の実施状況の報告命令の解除(平成十五年六月)を受けていた事実も確認されたこと。」という記述がございます。
実態と異なる報告を受けて報告命令を解除したということでありますけれども、これは、前回の検査後のフォローアップを適切に行っていなかったのではないか。言われたままうのみにして、そのまま問題が拡大したというのであれば、それはその後のフォローアップ体制が十分でなかったということを意味すると思いますが、フォローアップは、そもそも実地で行っているんでしょうか。そしてまた、担当した検査官に落ち度はなかったと言えるのでしょうか。お答えください。
伊藤国務大臣
委員は金融の実務にも大変精通をされているというふうに思いますので、一般的に検査監督を通じて、銀行の監督のプロセスにおきましては立入検査というものを実施して、その中で発見された法令違反や業務上の問題、これをその後のフォローアップのプロセスにおいて精査をして、そして必要に応じて行政処分を行うこととしているわけであります。また、業務改善計画が提出された場合には、それ以後、定期報告を通じて所要の改善の実施状況をフォローアップして、さらに次回の立入検査で改善結果を含め検証している、これが行政の今の枠組みでございます。
御指摘をいただきましたシティバンク在日支店に対する前回の検査においては、有価証券の売買の媒介を業務として行い、銀行の他業禁止義務に違反していたこと、そして、顧客の意図的な決算調整に利用されるおそれのある不適切な取引を組成、実行していたこと、こうした法令等遵守にかかわる内部管理体制に問題が認められたために、法令違反を行った業務部門、これは代替投資開発部でありますけれども、これのすべての業務の停止命令、五営業日でございますが、これと在日支店への業務改善命令を十三年八月に発出したわけであります。
そして、当該行政処分を受けて、当庁では、業務改善計画の提出後、これが十三年の九月でありますけれども、同計画の実施状況について定期的にフォローアップを行い、そして、シティバンク在日支店から、業務改善計画が十五年六月に完了した、こういう報告を受けました。
そして、この改善結果を含めて、これがしっかりされたものであるかどうか、そのフォローアップをするための検証をするために、十五年十一月から十六年四月にかけて改めて立入検査を実施したところ、報告の内容と違って実際には改善が図られていなかったことに加えて、重大な法令違反や不適切な取引等が多数確認をされた。こうした行為の悪質性、重大性にかんがみまして、シティバンク在日支店プライベートバンク部門の在日四拠点に対する認可の取り消しを含む厳正な処分を行ったということでございます。
〔委員長退席、江崎(洋)委員長代理着席〕
津村委員
私の御質問をよく聞いていただきたいんですけれども。私は、十六年の四月、五月はわかりました、しかし、十三年の秋から十五年にかけての二年間、実地のフォローアップを行っていなかったのですかとお聞きしました。つまり、その間に立ち入って、在日四支店なら四支店、しっかりと現場を見ていたのですかという御質問です。
伊藤国務大臣
先ほどもお話をさせていただいたように、私どもとして、業務改善計画が提出をされたら、監督上、それがしっかり行われているかどうか、改善の施策というものがしっかり実施をされているかどうか、これをオフサイトのモニタリングで確認をしていくということであります。
そして、それについてしっかり改善がなされたという報告を受けて、その改善の結果というものは適切に行われているかどうかを検査で検証するために、その後、実地の検査というものをさせていただいたということでございます。
津村委員
なぜ、これだけの重大な結果を生むような検査について、オンサイトでは検査をされなかったんですか。
伊藤国務大臣
繰り返しになりますけれども、銀行の監督のプロセスというのは、検査と監督の連携の中において行われるわけであります。したがって、検査において、立入検査の中で法令違反の問題が見つかる、あるいは業務運営上の問題が見つかった場合には、法令に基づいて行政処分を行って、そして、業務改善計画等を提出された場合には、その計画がしっかり実施されているかどうか、これを監督上オフサイトで確認をしていくということになります。
そして、その中で改善がなされたという報告があった場合に、その後、その改善結果というものが適切になされているかどうかということを検査で確認していくわけであります。そして、この検査の確認の中で、報告どおりの改善が行われていなかった事実と、それに加えてさらに法令違反等々の事実が確認をされたということで、私どもとして厳正な処分を今回の場合させていただいたということであります。
津村委員
私は、現状を説明していただきたいのではなくて問題提起をしているつもりですので、それに答えてください。
伊藤国務大臣
今繰り返し御説明をさせていただいているとおり、私どもの金融行政の枠組み、検査と監督の連携については、委員も実務を御承知であると思いますので、オフサイトとオンサイト、検査と監督というものが連携をしながら、銀行の業務の健全性でありますとか適切性というものを確保していく枠組みがあるということについては御理解をいただいているのではないかというふうに思います。
委員からすると、もっと検査の頻度を上げて確認をしていくべきではないかということであるとするならば、私どもの今の組織の体制あるいは人員というものにある種の限界があります。その中で金融機関の状況において検査の必要性というものを適切に判断して、そしてその中で検査を行っていくということが非常に重要でありますので、検査、監督の連携を強化しながら、一層しっかりとした監督行政が行えるよう、私どもとしても今後も努力をしていきたいというふうに思っております。
津村委員
まず、今のお答え、そんなに簡単に検査の限界を認めていいのかと思います。人員が少ないのはそうかもしれません。もっとふやせという話ならそうかもしれませんが、そのための具体的な努力をお示しにならずに、人員が不十分だというお答えでは、それはお答えになっていないと思います。
それから、私が金融実務を知っているんじゃないかというふうに言っていただきましたけれども、そのことに絡めて言いますと、事後的なフォローアップというのを立ち入りといいますか実地でやるのは決して珍しいことではないと思うんです。それをされていないということですか。今回、されなかったということですか。
伊藤国務大臣
一定の周期の検査はさせていただいているわけであります。ですから、先ほどお話をさせていただいたようなスケジュールの中で私どもとして検査をさせていただいて、業務改善計画の提出を求めて、それをフォローアップして、その改善結果についてまた立入検査をさせていただいたということであります。
津村委員
一般定なケースを聞いているのではなくて、この問題事例について、その問題にどう対処したかを聞いているわけですから、ちょっと後ろの方もきちんと言っていただきたいんですけれども。
私はこれは定期的にやっていることについて言っているんじゃなくて、十三年にやったことの事後的なフォローアップについて、十四年度、十五年度の行動について聞いているわけです。
伊藤国務大臣
先ほどからお答えをさせていただいているように、シティバンクの在日支店に対する立入検査は、前回、十三年の一月十七日に立入検査を実施させていただいて、そして検査結果通知が十三年の七月九日に行われた。その後、問題がこの中で把握をされたわけでありますから、それに基づいて、監督上、行政処分を行わせていただいて、それに基づいて業務改善計画というものが提出をされたわけであります。
それを、私どもとして、その実施状況が適切になされているかどうかフォローアップをさせていただいて、そして、その改善がしっかりなされたという報告を受けて、その後、十五年十一月四日から十六年五月二十一日まで立入検査を実施させていただいたということであります。
津村委員
端的にお伺いしますが、平成十三年と十五年の間に平成十四年があるわけですけれども、平成十四年に検査官の方はシティバンクのオンサイトでのモニタリングはされなかったということですか。
伊藤国務大臣
検査官がオンサイトで確認をするということはしておりません。
津村委員
非常に不十分なフォローアップだと思います。この信託業法の話、この後させていただきますけれども、今まさに監督検査のあり方が問われている法案だとも思いますし、それから、前回、十月二十九日の質問のことと少し絡めて申し上げますと、ペイオフ解禁というのは一つの大きな金融行政の転換点になると思います。
そのことは、不良債権処理ということについては一つのフェーズが変わるのかもしれませんけれども、また、新しい課題として東京マーケットあるいは日本の金融機関全体の国際的な評価をここから前向きに高めていかなければならない、そういった新しいチャレンジングなフェーズになっていくわけですけれども、そこでこういうことがあると、三年前に検査である瑕疵が見つかった、そのことが、オンサイトで現場を見もしない検査体制で、二年後、三年後になって、いきなり今回のような、これはマーケットに対して大変大きなインパクトを持つ行政処分ですよ。そのことは次に伺いますけれども。そのインパクトも十分に計量されないまま、後でお答えいただきますが、こうした行政処分がなされるというのは、海外から見たら非常に恣意的、あるいは不透明、あるいは不安定な金融検査体制だ、そういうふうな印象を与えると思うんですよね。
先ほど、やや責任放棄されるような、今の体制じゃ不十分だ、今の体制ではトップとしてできないということをおっしゃられたわけですけれども、それでは国際的な信認は得られないと思うんですが、いかがですか。
伊藤国務大臣
責任放棄をするような発言を私はしたつもりはありません。検査は検査として厳正に検査を行っているわけでありますし、監督上も与えられた権限の中でしっかりフォローアップをさせていただいているわけであります。
委員にもぜひ御理解をいただきたいのは、私どもの中にある組織、人員というものを最大限に活用して、そして私どもに与えられている使命というものをしっかり果たしていかなければいけないわけであります。そして、その中で、一定の期間の中ですべての金融機関に対してしっかりとした検査をやっていく、そして、検査周期において著しい差をもたらさないように配慮をしながら検査対象を決めていかなければいけない、このことも私どもにとって重要な使命であります。だからこそ検査と監督の連携が非常に重要であって、そうした連携の中で私どもとしてしっかりとした対応をさせていただきました。
にもかかわらず、今回このような行為が行われた。この行為に対して、私どもとして、法令に基づいて厳正に対応をさせていただいたわけであります。
津村委員
そういうお答えであれば、率直に申し上げますけれども、私の想像あるいは経験からは、十三年九月の指摘の後、恐らく検査官の方は、その方がされていないんだったら本当に問題だと思いますが、恐らく検査官の方は実地にも足を運んで、いろいろなフォローアップをされていると思いますよ。
そういうことは、実際に、担当者レベルかもしれませんけれども、それはいろいろな事後的なフォローというのはできると思いますから、オンサイト、オフサイトと余り厳格に分けなくてもそこはされると思うんですけれども、少なくともそういった枠組みというものが、問題事例あるいは重大な結果に結びつきかねないケースについてはオンサイトもしっかりとやっていくということを、組織として、一つの枠組みとして形をつくっておかないと、先ほど伊藤大臣がおっしゃられたような、そういう仕組みにはなっていない、だから行っていないということの繰り返しでは、これからまた同じことが再発しかねない。そういう意味で、オンサイトモニタリングの重要性を指摘しているつもりです。これから見直していってください。
伊藤国務大臣
検査と監督の重要性を私は否定しているつもりはございません。委員からも御指摘を受けているわけでありますし、私ども、一番重要なのは、効率的かつ的確な検査監督を行っていくことであります。そういう意味からも、検査、監督の連携を強化して、私どもとして努力ができることは一層努力をして、私どもに与えられた使命というものをしっかり果たしていきたいというふうに考えております。
津村委員
前回からも続いている質問ですし、私は重要なことだと思っていますので、これからも取り上げさせていただきますが、今のこととかなり重なる質問ですけれども、もう一つ別の質問をいたします。
今回の行政処分の結果として、シティバンクのプライベートバンキング部門は日本市場から撤退を表明しております。このことは、銀行に対する措置としては一定の説明がされているものと思いますが、しかし、一方で顧客あるいは日本市場の側にも大きな影響を与えております。今回、シティバンクのプライベートバンキング部門というのは、たしか国内最大あるいは最大級のシェアを持っていたと思いますが、そこに預けられていた資金はどう流れていったんでしょうか。どこにシフトしているんでしょうか。
〔江崎(洋)委員長代理退席、委員長着席〕
伊藤国務大臣
今回の行政処分はプライベートバンク業務を行っているシティバンクの在日支店の四拠点の認可を取り消すものでありますが、いわゆる富裕層の顧客層に対するプライベートバンキング業務は、他の金融機関においてもこれは提供されております。
需要面から見ますと、本業務に対するニーズは市場において一定程度安定的に存在しているというふうに考えておることから、市場全体で見れば、今回の行政処分がプライベートバンキング市場に与える影響は大きくないのではないかというふうに考えております。むしろ、今回の行政処分によって、プライベートバンク業務を提供する他の金融機関に対しても、利用者保護の観点から一定の牽制効果を有するものと考えているところでございます。
なお、今回の認可取り消し対象となった四拠点は、平成十七年九月末に閉鎖されるため、今後これらの拠点の顧客やあるいは資金等が他の金融機関にシフトすることが想定をされるわけでありますけれども、今回の行政処分では、当該四拠点においてすべての法令違反やあるいは不適切な取引等の洗い出しと解消を命じておりますので、その実施状況について、私どもとして、現在厳しく精査、監督を行っているところでございます。
したがって、今般の処分の実効性の確保、こうしたものを阻害するような形で他の金融機関にシフトすることは認めておりませんので、仮に行政処分の命令の趣旨に反するような実態が認められる場合には、引き続き厳格な対応を行っていく所存であります。
津村委員
御答弁のポイントがちょっとずれていると思うんですが、私は検査の実効性を確保してくださいという質問をしているんではなくて、その資金がどこに流れていくのか、マーケットがどういう変化をしていくのかをしっかりと分析されているのかという質問をしています。
伊藤国務大臣
資金がどういうふうに流れていくか、このことについて私どもが正確にフォローしていくことは、これは難しいというふうに考えております。これは、ある意味では、先ほどお話をさせていただいたように、富裕層を対象としたプライベートバンク業務というものは他の金融機関においても提供されているわけでありますので、需要面から見ると、先ほどからお話をさせていただいたように、本業務に対するニーズというものは一定程度安定的に存在をしているというふうに考えているところでございます。
したがって、市場全体で見れば、今回の行政処分が行われたということにおいても、プライベートバンク市場に与える影響はそれほど大きくないんではないかというふうに考えております。
津村委員
それほど大きくないはずがなくて、国内最大の銀行に撤退を迫るような処分が下されたわけですし、私がその顧客であれば、シティバンクとほかの銀行の違いもよくわかりません、ですから、ああ、もしかしてこの商品はほかのところに預けても同じようなことになるんじゃないか、次に検査が回ってきたらまた同じような処分が下されるんじゃないか、その違いがよくわからないわけですよね。ですから、全く認識が甘いと思うんです。そこがまず一点。
それから、それだけ大きなインパクトを与える行政処分をする際に、先ほどのような検査体制なわけですから、私が申し上げたいのは、これは前回から言っていることですけれども、検査の方は検査だけやっている、市場課の方は市場の分析をやっているとおっしゃっていましたけれども、今回の今のお答えのように、余り定量的な分析をされているようでもありませんし、あるいは実際にその分析も間違っていると思います、ほかのところに流れると。そんな簡単に流れないと思います。
そういった意味で、端的に申し上げると、行政処分あるいは金融市場の育成策というものがマーケットにどのぐらいのインパクトを与えるのか、そういった定量的な分析をするセクションはないんですか、ないんであればつくった方がいいんじゃないですかという御提案です。
伊藤国務大臣
これは市場課が担当することになっているわけでありますけれども、今の市場課の体制で、委員が御指摘のとおり、十分かどうかということについては、ここは率直に言って課題があろうかというふうに思います。
私どもの限られた定員の中で、委員御指摘のような、分析能力を上げていく、あるいは、市場に対してどういう影響を与えていくのか、そうしたことについてもしっかりとした調査を行って、それを政策に反映していくということは非常に重要なことだというふうに思いますので、私どもの組織の中での効率性、そして、しっかりとした政策を立案できるような体制の整備に向けて、今後とも一層努力をしていきたいというふうに思います。
津村委員
最後に注文いたしますけれども、今の時代、人や物やお金が限られているのはどこでも当たり前のことで、そこをしっかりと重点的な戦略分野に傾注していくことが経営者としての大臣の腕の見せどころなわけです。そういった意味で、新任の伊藤大臣に、私は前回の質問、今回の質問とかなり時間を割いて、国際金融市場に対するメッセージを出していくチャンスなのだから、ぜひそういった決断あるいは判断をしてくださいということを具体的な論点を挙げて御提案しているわけですので、そこはしっかりと意を酌んでいただきたいと思います。大臣の任期はこれからまだ時間あるでしょうから、たくさんそこは新しい施策を打っていけると思います。今回も、コングロマリット室ですか、また内部の機構改編もされているようですし、そういった弾力的といいますか柔軟な対応はこれからも次々となされていけばいいと思います。そういう中で、考えるヒントを差し上げたつもりでございます。
それでは、信託業法について幾つか御質問いたします。
まず、信託業法と兄弟といいますか親子のような関係にある法律として、信託法があると思います。この二つの法律は、大正十一年、八十二年前にいずれも成立しておりますけれども、今回は信託業法のみの改正が先行しておりまして、信託法の方の議論は現在法制審の方で議論をしている最中というふうに聞いております。
法制審の議事録をちょっと見たんですけれども、信託の定義等に関する論点とか、忠実義務あるいは善管注意義務などの受託者の義務といった、いわば信託の本質にかかわる論点がまだ議論の途中にあるように思います。そういった段階で今回信託業法を全面改正するというのは、ちょっとちぐはぐといいますか、もう少し足並みをそろえてやった方が、新しく参入する人にとってはリーガルリスクをミニマムにさせるというか、余り心配させないで新規参入ができると思うんですが、どうしてこうちぐはぐなんでしょうか。
伊藤国務大臣
委員から、信託法と信託業法の改正を足並みをそろえてやった方がよかったのではないか、リーガルリスクの問題も含めて御指摘があったところでございますけれども、私どもが信託業法の見直しというものを今回させていただいて国会で御審議をお願いしておりますのは、この信託業法の見直しが金融資本市場の基盤整備を進めていくに当たって不可欠なものである、こういう認識をまず持っているということと、それから、規制改革推進三カ年計画、さらには「知的財産の創造、保護及び活用に関する推進計画」、この二つの計画において早期の対応が求められておりました。こうしたことから、私どもとして、本法案を信託法改正に先立って国会に提出をし、そして御審議をお願いしたところでございます。
リーガルリスクの問題でございますけれども、本法案の策定に当たって、私どもとして、金融審議会のワーキンググループを設けました。その中で、委員が御指摘をされている部分も含めて、学識経験者の方々あるいは実務者の方々、こうした方々を交えた検討を重ねてきておりまして、また、本法案を作成する段階から法務省ともいろいろな意味で意見交換をさせていただいて、協議を行わせていただいてきたわけであります。そして、委員御指摘の問題も含めて検討した中で、今回、この法律を国会の方に御審議をお願いさせていただきました。
津村委員
信託法の改正はいつごろになりそうですか。
伊藤国務大臣
法務省の方からは、十七年中に行いたい、そういうことを視野に入れて今法制審での審議を精力的にされているというふうにお伺いをいたしております。
津村委員
その信託法改正案の中身によっては、今回全面改正される信託業法もまた来年改正が提案される可能性もありますか。
伊藤国務大臣
これは言うまでもありませんけれども、信託法というのは信託関係法制のいわば基本法でございますので、信託法が改正をされれば、信託業法についても見直す必要性について私どもとして検討していく所存でございます。
津村委員
続きまして、検査監督、監督検査のことについて伺っていきたいと思います。
先ほどは外資系銀行についての過去の監督検査についてお伺いをし、提案もさせていただいたわけでありますけれども、今回は全く違う世界が広がっていくと思います。
信託業法の改正によって、一般企業の参入も認められ得るということになります。議論の前提として、先ほどの質問に少し似ているんですけれども、一般企業の参入の規模あるいはペースをどの程度と見込んでいらっしゃいますか。
伊藤国務大臣
今お尋ねの点につきましては、これはある意味では受託可能財産の今まであった制限というものを撤廃していくあるいはその担い手というものを広げていくという初めての試みでございますので、どうした市場規模になっていくか、あるいはそれぞれがどういう規模になっていくか、これは正確に見通すことは困難であるというふうに思っております。
津村委員
正確かどうかは別として、やはり一定の見通しがなければこういったものは改正していけないわけで、こういった将来の市場拡大規模についてもぜひしっかりと見ていただきたいんですが、現在、それは市場課さんがされているお仕事なんですか。
伊藤国務大臣
これは市場課が担当になっております。
先ほどお話をさせていただいたように、ちょっと正確な見通しをとるということがなかなか難しいところがございますので、他の国の状況等々も調査をしながら、私どもとして、この法案に対して、監督行政、検査行政、しっかりとした対応をとっていかなければいけませんので、そうしたことも含めて私どもとして適切に対応していきたいというふうに思います。
津村委員
私が一日半ほどの間にちょっと調べただけでも、民間の試算として大体二割程度、三兆円程度の市場規模になるのではないかという試算が出されていたり、あるいは、余り先進国で知的財産権の信託というのは広範には見られていないと聞いておりますが、アメリカなどの事例もあると思います。
そういった分析というのは、今回事前にしっかりヒアリング等はされて、民間のこれからの経済活動に一定の影響を与えかねませんから、ここで具体的な個社の話とかはできないのは当然ですけれども、しかしながら、一定のモニタリング、ヒアリングをした上で、大体このぐらいの市場規模が見込まれるとか、あるいは参入企業の数も、それこそ検査監督とかかわってくるわけですから、検査監督体制を充実させるという話につながってきますので、一定の見通しを持っているのが当然と思います。先ほどの御答弁では、そういったことはしょせんわからないことだから考えても仕方がないというふうに、そもそも考えることを放棄しているようにも聞こえるんですが、しっかりとそこは分析されているということですか。
伊藤国務大臣
この法案の作成の準備過程におきまして、例えば知的財産権の信託事例や監督体制も含めて、先進国等における信託制度や信託業の実態等について調査を行っております。また、先ほどお話をさせていただいた金融審議会のワーキンググループにおいても、こうした観点から審議を行わせていただいたところであります。ヒアリングについては、アメリカでありますとかイギリスにおいてもヒアリング調査をさせていただいたところでございます。
津村委員
少し具体的な数字の話をいたしますけれども、事前にいただいた数字によりますと、金融庁検査局の所属の職員の方が、六年前、平成十年の百六十四人から、現在四百七十八人と三倍にふえ、あるいは、民間からの人材確保という意味でも百五十三人の方が本年六月三十日時点で在籍をしているということで、検査体制を充実させていこうという方向感はかいま見えるわけでありますけれども、しかし、少しつぶさに見ていく必要があると思いますが、信託会社の担当検査官、これは四月二十二日の代表質問に対する竹中大臣の御答弁ですけれども、「金融庁としては、平成十六年度予算において、信託会社の担当検査官を五名、監督担当者を三名手当てするなど、法の施行後の信託会社の検査、監督に万全を期してまいる所存」とおっしゃっているわけですが、平成十七年度も同様の姿勢が続いているんでしょうか。数字があれば教えてください。
伊藤国務大臣
十六年度については先ほど竹中大臣の答弁を御紹介いただきました。十七年度についても、これはやはり所要の人材が必要でありますので、私どもとして要求をさせていただいているところでございます。委員にもぜひ御支援をいただくことができれば大変ありがたいなというふうに思っております。しっかり、私どもとして、人員を確保するために対応していきたいというふうに思っております。
津村委員
ちなみに、何人ですか。
伊藤国務大臣
申しわけございません、今ちょっと手元に正確な人数の資料がございませんので、後ほど届けさせていただくことができればと思います。御了承いただきたいと思います。
津村委員
後ほどで結構です。
関連して、検査監督で、一般企業の参入に検査監督体制が追いつかないのではないかという御質問をさせていただいているんですが、これはちょっと裏を返してみますと、金融庁さんとしては検査監督の数がふえるという意味での御苦労はあるわけですけれども、逆に、検査監督される側からいたしますと、一般企業というのは金融庁あるいは日銀から検査とか考査を受けた経験がないわけです。そうすると、今まで受けていた民間銀行が新しい商品を説明するのとは違って、一から準備をしなきゃいけない。大変な負荷がかかると思うんですけれども、それはビジネスに参入するんですから仕方がないといえば仕方がないんですが、しかし、そこを促していくためには、一定の、こういうことをチェックしますよとか、あるいはこれぐらいの頻度でやりますよとか、そういったマニュアル、ノウハウのようなことを幅広く開示していくべきだと思うんですが、そういった御努力はされていく御予定はありますか。
伊藤国務大臣
大変重要な御指摘でございますので、今回こうした法律改正を行わせていただいて、そして信託の担い手についてはそれを拡大していくという方向にもなるわけでありますので、この法案を成立させていただくことができれば、趣旨というものを徹底させていく、しっかりとしたPRを行っていくだけではなくて、私どもの持っている事務ガイドラインも含めてしっかりと改正をし、的確な体制ができるように体制整備に努めていかなければいけないというふうに思っております。
津村委員
参入する企業だけでなくて、もしその辺がごたごたすると結果的に投資家やユーザーにしわ寄せが行くということを念頭に置いて、この事務ガイドラインの整備をぜひ進めていただきたいんです。
次の御質問も事務ガイドラインのことなんですけれども、まず、ガイドラインの改定時期というのはいつごろになりそうか、そのスケジュール感を教えてください。
伊藤国務大臣
今、この法案については御審議をいただいている段階でありますので、この信託業法案の改正を受けた事務ガイドラインの子細については、今後、詳細について詰めていきたいというふうに考えております。
時期についてでありますけれども、現在、信託業法の政省令とあわせて検討を進めているところでございまして、その成案については、パブリックコメントの手続により広く御意見をちょうだいした後に、信託業法等の施行期日までに結論が得られるように、私どもとしては努力をしてまいりたいと考えております。
津村委員
事務ガイドラインの中身として一つ既に議論になっているものが信託専門店舗の件だと思います。これは、今回の信託業法の改正が幅広く従来の信託銀行以外にも門戸を開放するということや、あるいはその一方で受託者の義務ですね、善管注意義務、公平義務、忠実義務といった義務を高度化させる内容を含みますので、従来から信託を業としている信託銀行からすれば大変なコスト増につながるわけで、それはそれで企業努力していただきたいんですけれども、そうした中で信託専門店舗という新しい枠組みを許可することが、信託銀行として低コストでよりよいサービスを提供する一つのきっかけになる。それが積極的な意味だと思うわけですけれども、信託専門店舗はどのような取扱業務を許可される見通しでしょうか。
伊藤国務大臣
今御指摘がございましたように、信託専門店舗に関しましては、現行の事務ガイドラインにおきましては認められないということになっております。そして、このような信託専門店舗につきましても、今般の改正法案におきましては、信託業務のみを営む信託会社が認められることもありますので、顧客の誤認防止措置等を講じることを前提として解禁する方向で現在検討をいたしております。
その際、お尋ねの信託専門店舗の業務についてでありますけれども、基本的には信託業務全般を営めることとしますけれども、改正兼営法の第一条第一項、各号に掲げるいわゆる兼営の業務のみを行うことは単なる他業を営むことにつながることから、この点については認めない方向で検討をさせていただいているところでございます。
津村委員
それから、事務ガイドラインの改定で一つ重要なポイントは、やはり受益者、ユーザーの保護という観点だと思うわけです。今回、信託商品が多様化する、複雑化するということもございますし、また、信託を扱う企業あるいは会社がふえていくわけですから、消費者から見て信託という言葉あるいは信託という商品でイメージするものが大分変わってくるんじゃないかな、ともすれば混乱する、わけがわからなくなってくるんじゃないかなという気がするんですけれども、その辺のユーザー保護の観点から、どのような新しい施策がこのガイドラインに盛り込まれるのか、御紹介ください。
伊藤国務大臣
今御指摘がございましたように、これは利用者保護をしっかりやっていくというのは大変重要なことであります。そして、信託についてのイメージも、これは変わってくるところもあると思いますので、そうした中で無用な混乱がないようにしっかりと周知徹底を行っていくということは大変重要ではないかというふうに思っておりますし、また、先ほどお話をさせていただいたように、他の金融商品取扱機関との誤認防止措置を講じていくということも大切でございますので、こうした点を現在検討しているところでございます。
いずれにおきましても、事務ガイドラインにおいて規定をさせていただく予定でございますけれども、その成案については広くパブリックコメントに付したいというふうに考えておりますので、そうした手続によって多くの方々の御意見をちょうだいした後、結論を得ることとしたいというふうに考えております。
津村委員
これで質問を終わりますけれども、最後に一言だけ申し上げます。
先ほどから金融検査監督のあり方について、あるいは今後の新しい重要性について申し上げました。そして、東京金融マーケットの国際的な信頼回復に向けて特段の取り組みが必要ではないか、そういう御認識を持っていただきたいということを先般に続いて繰り返し申し上げてきました。先ほど人員確保のことで応援もしていただきたいということを言っていただきました。それは応援をさせていただくつもりで申し上げておりますので、ぜひ、そのためにもきちんとした説明、あるいは金融検査監督の、具体的にどういう新しい取り組みをされているのか、あるいはされていないのか、もっと率直で、そしてもっと丁寧な御答弁をこれからお願いしたいと思います。
以上、終わります。
| 財務金融委員会 第7号 2004年11月10日(水) 正午散会 | 目次 |