| 財務金融委員会 第3号 2004年10月29日(金) 午前10時1分開議 | 目次 |
本日の会議に付した案件
金田委員長
次に、津村啓介君。
津村委員
民主党・無所属クラブの津村啓介と申します。
本日、たくさんの大臣、副大臣に御出席をいただきまして、直前の通告になりましたけれども、御質問させていただきます。
大臣所信をいただきました。そして、今回、内閣改造後初めての質問という形になりますので、政治姿勢に係る御質問をさせていただきたいと思います。
改めまして整理をさせていただきたいと思いますが、さきの通常国会では、年金の未納問題が大変大きな国民的な議論ともなりました。各大臣、副大臣、政務官の皆さんの年金の未納の有無につきましてお尋ねしたいと思います。お答えください。
谷垣国務大臣
既に通常国会でもお答えしたわけでございますが、国民年金の保険料の支払い状況については、国会議員が国民年金に強制加入となりました昭和六十一年四月以降に関して、私は、昭和六十三年十二月から平成元年六月までの七カ月間、それから平成二年二月から十一月までの十カ月間、国民年金保険料を支払っていない時期がございました。
この支払っていなかった時期は、私が郵政政務次官それから防衛政務次官の職にあった時期でございまして、当時の記憶もはっきりいたしませんが、就任中は共済に加入するので国民年金保険料の支払いは不要であるというふうに勘違いしたのが原因だろうと思っております。勘違いによりまして過去の一時期において未納の事実があったことは、まことに不明の至りである、こう思っております。
伊藤国務大臣
記者会見でもお話をさせていただきましたように、私は保険料につきましては納付をさせていただいております。
田野瀬副大臣
私が国会議員となって以降、すべての期間において保険料を支払っております。
七条副大臣
お尋ねの件に関しましては、年金の納付状況を確認しましたところ、私が平成五年に当選以降、保険料を納付しておりますし、現時点で未納のことは一切ありません。
倉田大臣政務官
お答えいたします。
平成十二年に国会議員となって以降、未納、未加入は一切ございません。
段本大臣政務官
私につきましても、平成十三年に国会議員になってから、未納、未加入は一切ございません。
西銘大臣政務官
私も、平成十三年七月に参議院議員で当選して以来、未納はございません。
津村委員
それでは続きまして、今回、内閣改造の一つのコンセプトでもあったのかと思います郵政民営化の問題が大変大きな議論となっているわけでありますけれども、各大臣、副大臣、政務官の郵政民営化に対する考え方につきまして所見をお聞きしたいと思います。
谷垣国務大臣
私は内閣の一員でございますから、内閣の方針に従ってこの問題にも対処していくということでございます。それで、内閣の方針は、先ほどこの問題に関する基本方針を決定いたしましたけれども、この基本方針に沿って郵政民営化の話を詰めていく、こういうことでございます。
私は、さっきも年金の件で申しましたけれども、かつて郵政政務次官も務めたことがございまして、郵政事業というものが日本の近代の発展の上で大きな役割を果たしたことはよく承知いたしております。今も大きな役割を果たしているわけですが、ただ、やはりいろいろな制度、時代が変わりますといろいろな問題が生じてまいります。
今財務省におります私の観点からいたしますと、いわば金の流れをどう今の時代に合ったものに変えていくかという改革をしなければならないんだろうというふうに考えておりまして、詳しく申し上げる場ではございませんので、三点申し上げますと、一つは、民営化する、そして競争が入ってくるということによって国民の利便を向上させていかなければいけないだろうと思います。
それからもう一つは、経済の活性化という観点から、今まで公的部門に流れていた金を民間部門に回すことによって、持続的な民間主導型の成長というところにつなげていかなければならないだろうと思います。
それから、私のやっております財政の観点から申しますと、いわゆる潜在的な国民負担というようなものを減らし納税義務を負うような、イコールフッティングの姿にしていくことによって財政の改善というようなことにも資するのではないか、そういうような方向に合わせた改革をなし遂げていきたい、このように考えております。
伊藤国務大臣
私も内閣の一員でありますので、内閣の方針に沿ってこの問題に対応していきたいというふうに思っております。
郵政の民営化というのは、国民の貯蓄を経済の活性化に生かしていく、そのためにお金の流れを官から民へシフトしていく構造改革であるというふうに思っております。私どもの行政の観点からすれば、公正な民間金融機関との競争条件というものを確保していく、あるいは金融資本市場に対する影響、こうした金融行政上の観点から適切に基本方針にのっとって対応していかなければいけないというふうに考えているところでございます。
田野瀬副大臣
内閣の方針に従って対処してまいる所存でございます。
七条副大臣
お尋ねのありました件につきましては、内閣の一員であり、内閣の方針に従って対処してまいりたいと考えております。
倉田大臣政務官
内閣の方針に従いまして対処してまいります。
段本大臣政務官
当然、私も内閣の方針に従って対処してまいりたいというふうに考えております。
西銘大臣政務官
内閣の一員として、政府の方針に沿って対処してまいりたいと思っています。
津村委員
仄聞するところによりますと、この郵政民営化の問題に関しまして、自民党内では郵政懇話会と称するグループをつくってさらに深く勉強されているということでありますけれども、皆さんこれに入っていらっしゃるんでしょうか、入っていらっしゃらないんでしょうか。
谷垣国務大臣
自民党の中にはいろんな議員連盟なりいろんな勉強会がございます。一々について、私がどれに入っている、入っていないというお答えは、差し控えさせていただきたいと思います。
伊藤国務大臣
私も、ちょっと、議員連盟、どれに入っていたかというのを正確に覚えておりますけれども、郵政懇話会についてはたしか入会をしていたというふうに思っております。
田野瀬副大臣
私も、入っていたかどうかにつきましては、お答えすることを差し控えさせていただきたいと思います。
七条副大臣
私は、皆さんと同じように、さまざまな議員連盟には参加させていただいております。いずれも国会議員としての個人的な判断によるもので、したがいまして、副大臣としての職務に何らの支障はないものと考えております。
いずれにいたしましても、小泉内閣の一員として、内閣の方針に従い適切に対応してまいりたいと考えております。
倉田大臣政務官
私も、今現在、入っているのか入っていないのか、ちょっとわかりませんけれども、いずれにせよ、一議員として個人の判断だと考えておりますので、お答えは差し控えさせていただきます。
段本大臣政務官
私につきましても、議員連盟はいろいろなものに入っていますが、それはそれぞれ議員一個人としてのことでございまして、ここでは答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
西銘大臣政務官
私は入会しておりません。
津村委員
内閣の一員としてというお立場と議員としてのお立場を使い分けられる意味が、この場合よくわからないわけでありますけれども、この質問にはそこはきっちりとお答えしていただきたいと思います。
さきの通常国会の話、そして内閣改造の話をさせていただきましたが、今臨時国会においては、政治と金の問題が党首討論を初め大変大きく取り上げられているところであります。私たちもしっかりとこの問題を厳しくチェックしていきたいと思うわけでありますが、いわゆる迂回献金あるいは旧橋本派からの献金というものを皆さんは受け取られていらっしゃいますか。お尋ねいたします。
金田委員長
また全員ですか。
津村委員
はい。お願いします。
谷垣国務大臣
ありません。
伊藤国務大臣
迂回献金というのがどういうものを指すかわかりませんけれども、日歯連のことであるならば、私は献金を受けておりません。
それから、旧橋本派ということでありますけれども、平成研究会に私は所属をいたしております。政治団体からの寄附については、政治資金規正法にのっとって適正に対処いたしております。
田野瀬副大臣
迂回献金や旧橋本派からの献金は一切ございません。
七条副大臣
私も同じように、今田野瀬副大臣が言われたように、一切ございません。
倉田大臣政務官
迂回献金につきましては一切ございません。
それから、私は平成研究会に所属しております。そこからのものは、政治資金規正法にのっとってきちんと処理をしております。
段本大臣政務官
私も倉田政務官同様、迂回献金は一切ございません。
橋本派に属して政治活動をやらせていただいておりますので、政治資金規正法にのっとってきちんと処理させていただいております。
西銘大臣政務官
迂回献金につきましては一切ございません。
平成研からの話でございますが、急な御質問でございますので、よく調査をしてみたいというふうに思っております。
津村委員
必ずしも十分なお答えをいただけなかったケースもございますので、今後、この今御質問させていただいたテーマにつきましては、同僚議員から引き続き厳しくチェックをさせていただきたいと思います。
それでは、以下の御質問につきましては伊藤大臣のみに御質問させていただきますので、あとの皆さんはこれで結構でございます。ありがとうございました。
それでは、御質問いたします。
本日の御質問でありますけれども、FRC報告に関連いたしまして、一つは、五カ月後に迫りましたペイオフ解禁に向けた環境整備がしっかりと進んでいるのかどうかという、多少技術的なことも含めたチェック、そしてもう一つは、こちらを先にお答えいただこうと思っておりますが、やはり、今回、私、大臣になられた伊藤さんには初めての御質問でありますので、私がさきの、前任の竹中大臣と繰り返し議論をさせていただきました、そして今後とも丹念にフォローをしていきたいと考えております日本版金融ビッグバンの検証、そして次世代の金融市場政策のあり方について、まずこれは冒頭伺わせていただきたいと思います。
まず、金融市場整備についてでございますが、大臣が就任をなされてから、さまざまな所見あるいは記者会見等の場で公的な発言をされているわけでありますけれども、総理からの三つの御指示ということを軸に、不良債権処理、地域経済の活性化、あるいは金融システムの安定強化といったことについて繰り返し言及をされている一方で、東京マーケットの国際競争力向上という観点からは余り目立った御発言がないというふうに受けとめておりまして、実は残念に思っております。
また、竹中大臣との考え方の違いという、多少意地悪な御質問をされたときに、伊藤大臣は全くないというふうに極めて明快に述べられているわけですが、理念として連続性を強調されるのは結構かと思いますけれども、しかし、やはり金融環境といいますか金融行政をめぐる環境は大きく変化をしておりまして、竹中大臣の金融行政の一つのテーマが不良債権処理を促すということであったとすれば、あと五カ月後にはペイオフの解禁という形で、この不良債権問題処理とはまた違った新しい世界が広がっていく、それを是とされていると思いますので、その先にある前向きな取り組みというものを、伊藤大臣の、志が見えないというような報道もありましたけれども、この場でぜひ東京マーケットの活性化についての前向きな御所見をいただきたいと思います。
伊藤国務大臣
大臣の就任に当たりまして、総理の御指示も踏まえて、私は、三つの課題に金融行政上取り組んでいきたいというお話をさせていただきました。
一つは、今御指摘がございましたけれども、不良債権問題を正常化させていく、金融再生というものの総仕上げをしっかりやっていくということ。そして二つ目は、中小企業の再生やあるいは地域経済の活性化に貢献できるような地域金融というものをしっかりつくり上げていきたいということ。そして三つ目として、国際的にも最高水準の金融機能を利用者のニーズに応じた形で提供できるような金融システムというものを構築していきたい。この三つの課題に挑戦をしていきたいというお話をさせていただいたところでございます。
記者会見の中で、竹中大臣が進めてきた金融行政についてどう思うかという問いでありましたので、私は、竹中大臣とともに、不良債権問題を解決していく、これは長年日本経済を苦しめてきた重要な問題でありますので、この問題を解決していくという問題意識は全く同じだということをお話しさせていただきました。
私は、竹中大臣の進めてきた金融改革の中で、二つのことは引き継いでいかなければいけないというふうに思っております。
一つは、金融再生を必ず実現していく、その総仕上げをしていくということであります。そして二つ目は、有事であっても平時であっても、ガバナンスの徹底というのは共通した課題だというふうに思っております。ガバナンスというものを充実させていく、そうした視点から金融行政を展開していかなければいけない。この二つの点をお話しさせていただいたところでございます。
そして、不良債権問題が正常化をしていくと、金融に係るフェーズというものも変わってまいります。不良債権問題が正常化していけば、金融機関にとっても経営の自由度というのは広がっていくわけであります。その中で、どのような形で利用者のニーズにこたえていくことができるのか、利用者のニーズに応じた金融サービスや金融商品というものを提供していくことができるのか、そのことが問われる時期に入ってくるのではないかというふうに思っております。
そうした問題意識の中で、国際的にも最高水準の金融機能というものを利用者の方々が十分活用できるような、そういう金融改革というものをしっかりやっていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
金融再生プログラムの後、平成十七年度から二年間の重点強化期間を対象として、仮称でありますけれども、重点強化プログラムをつくるということが基本方針二〇〇四の中で明記をされているところでございます。この中で、委員の御指摘がございました東京マーケットの魅力の向上、こうした問題も含めて取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。
津村委員
東京マーケットの機能向上というのは最後に少しだけお触れいただいて、本当にワン・オブ・ゼムという感じを受けたのは大変残念でございます。
私としては、もう少し大きくこの質問を始めさせていただいたつもりでして、繰り返し、伊藤副大臣も陪席されていた場で何度も御質問をしているんですが、私は、あの九六年秋の日本版金融ビッグバンというものが、多少、その後の現実の流れを見るとそれの評価は分かれるところもあると思いますけれども、非常に大きな夢を持って始められた構想であった、当時の橋本首相のもとで始められたというのを何度か本会議場でも触れさせていただきました。
そして、その後、金融環境が大変厳しいものになりましたので必ずしも思うような成果を上げ切れなかったわけで、その環境整備として、不良債権処理、つまりマイナスを減らすという意味で不良債権処理に取り組まれてきたのは、これは金融庁として大変苦しい取り組みであったと思います。
しかし、それが、たび重なるペイオフ解禁の延期ということはありましたけれども、そしてそういう中で、残念ながら、日本の金融行政あるいは金融市場に対する国際的な評価というのは大きく揺らいだ場面もあったと思うわけですが、今回、後ほど再確認させていただきますけれども、いよいよペイオフを解禁するということであれば、これは大変国際的にメッセージになり得る、言うなればチャンスだと思います。そういうふうに前向きに位置づけていただきたい。
その上で、金融ビッグバンの当初の夢が、今もう少し地に足のついたものになる必要はあるかもしれませんが、しかし、そこは再検証をしっかりしながら新しい絵を描いていただきたい、それが、竹中大臣ではなく伊藤大臣の、次代の大きな役割、もしかしたら最も重要な課題の一つかもしれない、そういうことを申し上げたかったわけで、三つの総理からの御指示のうち三番目にそれは読み込めるんですよというような、そういう技術的なお答えが欲しかったわけではありません。
そのことに関連して、実は私、金融庁の最近の取り組みで注目しているものが一つあるんですけれども、私が四月の二十七日の当委員会で、まさに今申し上げたことと同じ趣旨のことを申し上げたんです。市場間競争の観点から日本版金融ビッグバンの意義と成果を改めて検証して、ポスト不良債権処理の金融市場政策というものを示してほしい、そういう努力を国民に見える形で示してほしい、そういった趣旨のことを、言葉は違いますけれども申し上げました。その後、七月の十一日の新聞報道が今私の手元にあるんですけれども、日本版ビッグバンを検証する、金融庁が改革効果を総括するという記事が出ておりまして、偶然かもしれませんけれども、私の思いも通じたのかなというふうに大変うれしく記事を読みました。
これについて、大変抽象的な記事ですので、少し具体的に教えてください。今ちょうど平成十七年度の概算要求の時期でもありますけれども、こうした、人もあるいは情報もお金ももしかしたらかかるかもしれない取り組みです。今回の概算要求において、この金融ビッグバンの総括、そして今後の金融市場戦略ということについてはどういった内容があるんでしょうか。
伊藤国務大臣
先ほどお答えをさせていただいたのは、何か技術的にお答えをしようというつもりは全く私はございません。委員が御指摘をされていることは大変重要な課題であるというふうに認識をしておりますし、これからの金融改革を考えていくに当たっての大きな柱であるというふうに認識をいたしております。したがって、私は、委員と竹中大臣が当時議論されておられたということも横で聞いておりましたし、議事録も精査をしながら、委員から具体的なイメージがあればぜひそうしたことも提示をしていただきたい。
私たちは、新しいプログラムをつくるに当たって、国会の議論も踏まえて、しっかりとしたこれからの新しい金融行政の方向性あるいは金融改革の方向性というものをつくり上げていきたいというふうに思っております。
また、お尋ねの、金融システムの改革、日本版ビッグバンの効果について、平成十六年七月七日に公表した平成十六年度金融庁政策評価実施計画において、十六年度から総合評価に着手したところでございます。
本評価に当たっては、これから複数年にわたって実施をしていきたいというふうに考えておりますが、現在、具体的にどのような形で進めていくかということについてはまだ検討中であります。専門の方々に来ていただいてこの調査をしていただくということも考えていかなければいけないというふうに思っておりますし、また、ある部分については専門の研究所の方々の知見を活用するということもあろうかと思います。
しかし、具体的にどうしていくかということについては、現段階ではまだ検討中でありますので、予算措置を含めた具体的な内容についてまだお話しできないことはお許しをいただきたいというふうに思います。
津村委員
そのことに関連して、金融ビッグバンという一つのキーワードを使ってお話をしてきましたので、それに特化したということではまだまだこれから体制を整える途中段階だということかもしれませんけれども、私、実はこうした政策評価の仕組みというものが今金融庁において日常的に行われていないんじゃないか、そのことを大変危惧しております。
これは単に八年前の取り組みの評価、そういう歴史を振り返るという意味ではなくて、本当は時間があれば御質問するつもりだったんですけれども、私から申し上げますけれども、例えばですが、シティバンクの今回の検査の問題にしても、行政処分をするのは、それは厳格にしなければならないですから結構です。ただ、これはいろいろなところで金融庁の方に伺って答えは出てこないんですけれども、一つのそういった行政処分をしたら、プライベートバンキングという意味では日本で最大のシェアを持っていたシティバンクなわけですから、そこに撤退を迫るような、結果的に撤退するというような、そういう処分を下した結果、マーケットにどういう影響があるのか、マーケットと大きく言わなくとも、大変、富裕層と言われますけれども顧客がいるわけですよね、その方たちがどこに流れていくことを想定するのか。検査とは全く別のことですから、それをまぜこぜにしろということを言っているのではなくて、一つのそういう行政処分をするからには、そのことがマーケットに及ぼす影響をどこかでやはり分析はしていなければいけないと思いますし、場合によっては別の措置をミックスしなければいけないということがあると思います。
それは、もう金融庁の一つの行政処分にとどまらず、年金問題にしても介護の問題にしても、いろいろなお金の動きが出てくれば必ず金融マーケットにはね返ってくるわけですし、今回の郵政民営化の議論、先ほど財務大臣も少しお触れになっていましたけれども、金の流れを左右する、そういう政策議論を、マーケットの育成の観点からどういう市場へのインパクトがあるかということを分析する部署はあるんですかということを、実は幾つかの場で聞いたんですけれども、そういうものはちょっと思いつかないというようなお答えをいただいたことがあります。
そういった政策、そういったマーケットへのインパクトを考える分析というのは現在されていないということでしょうか。
伊藤国務大臣
委員から重要な指摘を受けているというふうに思います。
私も、しっかりとした行政を展開していくためにはやはり政策の評価をきちんとやっていくということが重要でありますし、今回、金融ビッグバンについての検証をする、つまり総合評価という新しい手法にも挑戦しようというのもそうした意識からの取り組みであります。
ただ、御承知のように、金融庁、非常に多くの仕事を抱えていて、限られた組織、人員の中でこうした問題にも挑戦をしていかなければいけません。今の点については市場課で分析を行っているわけでありますけれども、では十分できているかといえば、課題があることは事実であります。
今、そうした問題も含めて、金融庁全体として、金融庁が発足をして六年が経過をしました、人員も約三倍になっているところでございますけれども、やはり行政の効率というものをどうやって上げていくことができるのか、適切な行政運営ができているのか、そうしたことを検討するために、金融庁総点検プロジェクトというものもあわせて実施をいたしております。
そうした中でも、委員の御指摘も踏まえて、政策評価の充実に向けて取り組みを進めていきたいというふうに思っております。
津村委員
それでは、この件につきましては最後に御提言をして終わりますけれども、以前、実は別件で、国債管理政策につきまして、財務省の方に、国債管理政策というのはこれから国の借金を考える上で大変重要で、しかもマーケットに見える形でその議論をしていないと、それは考えているんですよというだけでは答えになりませんよね、内外が見ているわけですからと、そういうことを御質問し、その中で専門チームをつくったらどうですかという御提言をしました。そうしたところ、恐らく私の質問より前からもう準備はされていたんだと思うんですが、国債企画課だったか業務課だったか、二つの課を新設するというような話を御紹介いただきまして、なるほど、そういう取り組みをされているんだなということがあったわけです。
この問題というかこのテーマも、私は、もちろん市場課の方、考えていらっしゃる方は何人もいらっしゃると思うんですが、やはりそれが外に伝わってこなければ、これはマーケットとの対話ですから、一人で頭の中で考えていますよということではそれは答えになっていませんので、ぜひマーケットに対して自分たちの市場戦略を発信する、セクションが必要なのかわかりませんけれども、外に見える形で、当然お金もかかると思いますが、金融庁からこういうものが必要なんだということを発信していっていただければと思います。
では、次の質問に移らせていただきます。今のは御提言ですので、これからもまたお聞きすることがあるかもしれません。
それでは、本題でありますFRC報告に関連しまして、先ほど申し上げましたペイオフ解禁をめぐる環境整備の話をさせていただきたいと思います。
まず冒頭、ペイオフ解禁がもう所与のものとして話は進んでいるようにも思うんですが、しかし国際的には、半年前ぐらいだったと思いますが直前になって延期をしたケースもありますので、今回は果たしてどうなのかという目は常にあると思います。
そうした中で、つい昨日でしたか、山形しあわせ銀行と殖産銀行さんの経営統合が発表もされまして、新聞等ではペイオフを目前にした地銀の再編が加速しているというような報道もありますし、それが十分なのか、そういう議論もあると思います。ペイオフ解禁が再延期される可能性というのは全くないということでよろしいでしょうか。
伊藤国務大臣
これは、総理もこの点については予定どおりペイオフの解禁拡大というものを行っていくということは当委員会でもお話をされているというふうに思いますし、私も、就任に当たって総理から、ペイオフ解禁拡大を円滑に実施できるように金融システムの安定強化についてはしっかり取り組んでほしい、こういう指示もいただいているところでございますので、こうした取り組みを進めていきたいというふうに考えております。
したがって、予定どおりペイオフ解禁拡大を実施させていただきたいというふうに思っております。
津村委員
決意はよくわかりました。
そういった決意といいますかお考えが説得力を持つためには、やはりシステム的な対応も含めて具体的な取り組みがしっかりと進んでいるということが国民に周知されなければいけないと思うわけですけれども、一つの大きなテーマとして言われているのが、いわゆる公金預金の関連もありまして、決済性預金の導入が進んでいるかどうか。
これは金融庁さんも、あと恐らく預金保険機構さんもさまざまな努力をされているのはわかるんですけれども、いろいろなものを読みますが、十月の一日でしたでしょうか、各新聞社のインタビューに伊藤大臣がお答えになりまして、九割以上の金融機関で導入が既に進んでいる、または検討が進んでいるというようなお答えをされているように思います。しかし、私、これはやはり一〇〇%でなければいけないんだと思います。九十何%ということであれば、あとの何%はできていないということであれば大変問題だと思います。
それからもう一つは、四月一日に導入したのでは、これは遅いんじゃないか。なぜなら、新しい金融商品ということであれば、そこに従来の定期預金なり普通預金から資金がシフトする可能性があるわけですけれども、そういった資金シフトがペイオフ解禁と同時に急激に起こるということであれば、それは個別金融機関の経営という観点からも、あるいは金融市場での運用という面からもある種のリスクになるわけです。
三月以前にこの決済性預金が一〇〇%導入されていくことが、ペイオフ解禁に向けた環境整備ということでは大変重要だと思うんですが、こういったモニタリングというのはきっちりとされているんでしょうか。数字的なものも含めてわかりやすく御説明ください。
伊藤国務大臣
今、決済用預金についての導入状況でございますけれども、検討、準備を行っているというふうに私どものヒアリングに対して回答がなされた状況を見てみますと、九六・四%であります。
そして、すべてというお話でありますけれども、基本的にはこれは、各金融機関が他の金融機関との競争の中で、みずからの経営判断で顧客のニーズにこたえて適切に対応していくということが基本ではないかというふうに思っております。
そしてその中で、金融庁としては、やはり金融機関が決済機能の最終的な担い手として決済業務を独占的に取り扱っているわけでありますから、預金者の多様なニーズにこたえて適切に預金口座を提供する、そうした責務があるというふうに考えておりますので、顧客の期待にこたえた、そうした金融機関としての適正な対応というものを期待しているところでございます。
津村委員
恐らく、地域金融機関であれば、もちろん個別行によるとは思うんですが、公金預金にかなり依存しているといいますか、シェアが高いところも多いと思うんですね。
恐らく、九六・四%ということは、引くと三・六%がまだということだと思います。その三・六%、よくわかりませんけれども、それが仮に地域金融機関、割と規模の小さいところが多いんだとすれば、そういったところが地方公共団体から見ると不安だということになれば、これは単にその三・六%という数字以上に大きな意味を持つと思うんですけれども。つまりその内訳ですね。ここで全部それを紹介してくださいというたぐいのことではないと思いますが、しっかりと検査でフォローをしていっていただきたいと思います。
恐らく、検査で地域金融機関を回っている頻度というのは数年に一度ということだと思うんですが、本件については、特別な検査かどうかわかりませんけれども、どういう形でフォローしているんでしょうか。アンケートのような形でしょうか。それとも、実地で入って何らかの指導、指導ではないかもしれませんけれども、チェックをしているんでしょうか。
伊藤国務大臣
先ほどの、残りはというお話がございましたけれども、これは個別の金融機関のことでありますので、その内容についてお話をさせていただくということは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般的に申し上げますと、零細、多口の預金構成になっておりまして、実際上は決済の保護が図られる金融機関も存在しているものと承知をいたしております。
そして、ペイオフ解禁拡大に当たって、その円滑な実施に向けて金融行政としてどういう対応をしているのかということでありますが、これは私ども、検査においてもまた監督上も、そして預金保険機構との連携というのも非常に大切でありますので、そうした中で準備を粛々と進めているということでございます。
津村委員
最後の質問になると思いますけれども、ペイオフ解禁後の姿というのはまだだれも見たことがないわけで、いろいろとその後の金融市場の混乱、あるいは金融機関の経営が混乱を来さないためにも、しっかりと危機管理的なケースも含めてマニュアルづくりを進めていかなければいけないと思います。
そうした中で、ペイオフ解禁後の破綻処理についてのマニュアルづくりは既に進められているという報道も目にしたことがありますけれども、私が一つ大きなリスクとして考えますのは、現在は極めて金利が低い、短期ではゼロ金利の状況でありますので、決済性預金あるいは従来の普通預金あるいは定期預金、どこにお金を預けていても余り金利差がないものですから、まあ、じゃ、安心だから決済性預金のところに預けておこうということがあるかもしれません。
ただ、今後、金利上昇が、やはり数年以内にはデフレ脱却ということになれば視野に入ってくると思いますけれども、金利が上昇した世界ではやはり決済性預金に積んでおくというのは預金者としてはメリットがない。金利メリットとしては、定期預金の方に預けた方が当然金利が高いわけですから。そうすると、決済性預金から抜いて、どうせ抜いてどこかにつけかえるんだったら、それは優良行に行こうということで、要は、何が言いたいかといいますと、金利上昇局面において金融機関の選別が一気に加速するのではないか。そういったことが、これは金利上昇はマクロで起きるわけですから、個別金融機関がターゲットではなくて、全国一斉に急にそういった資金シフトが起きることも想定できなくはないと思います。
現在のマニュアルづくりといいますか、将来の対応において、このリスクはどういうふうに対応されるおつもりでしょうか。
伊藤国務大臣
金利上昇についてのお話がございましたけれども、これを前提としてどのような対応をしていくか。仮定の質問でございますので、これに答えていくというのはなかなか難しいことではないかというふうに思っております。
一般論としては、預金での運用に当たっては、やはり利回りでありますとか安全性、利便性、多様な要因を勘案した上で選択がなされていくものだというふうに思っておりますけれども、ペイオフ解禁拡大を控えてやはり金融機関が考えていかなければいけないのは、より一層の経営基盤の強化、そして収益力を向上していく、そのための経営改善というものをしっかり進めていくということが一つ。そしてもう一つは、やはり自分たちの金融機関の健全性というものをわかりやすく説明していく、あるいは自分たちがどのような経営方針を持って銀行経営に当たっているのか、そのことをしっかり情報開示して丁寧に説明をしながら信認というものを確保していくことが非常に重要なことではないかというふうに思っております。
また、行政としては、この制度、預金者の側から混乱がないように十分その趣旨を説明していくことが大変重要でありますので、広報活動にも力を入れて対応に当たっていきたいというふうに思っております。
津村委員
最後に一言だけ言わせてください。
金融庁の持っている情報、あるいは検討しているかしていないかということも含めて、それはやはり外にオープンにすることによって初めて意味があることが多いと思うんですね。それは、行政の情報は何だってそうなんですが、やはり金融というのは、金融庁の仕事というのは、先ほども申し上げましたけれども、マーケットですし、いろいろなところに社会的、公共的な意味を持ちます。海外に対しても強いメッセージ性を持ちますので、ぜひきっちりと、やることはやっているんだということは、もし本当にやっているのなら外に出すべきだと思うんですね。
そのときに、今のマニュアルづくりの件ですけれども、金利上昇の際のことは仮定の議論なのでとおっしゃいましたけれども、今後、中長期的に金利上昇のシナリオを描いていくことは、これは当然やらなければいけない課題であって、これまで金融政策が不良債権処理の問題やそういった金融機関、金融システム保護の観点からともすればゆがめられたんじゃないか、そういうような疑念を持っている方がいらっしゃる中で、もしかして金利上昇に対するリスクが個別金融機関にダメージを与えるんじゃないか、そういう疑念があると、それは金融政策の自由度が奪われかねないことだと思うんですね。
そういう意味では、金融政策の自由度をしっかりと担保するためにも、金融システム維持のための金融庁の、これだけのことをやっているんだというメッセージをもっと発していただきたいと思います。
終わります。
| 財務金融委員会 第3号 2004年10月29日(金) 午後0時39分散会 | 目次 |