| 財務金融委員会 第10号 2004年11月17日(水) 午前11時1分開議 | 目次 |
本日の会議に付した案件
金田委員長
次に、津村啓介君。
津村委員
民主党・無所属クラブの津村啓介と申します。
幾つか御質問させていただくわけですが、まず冒頭、東京金融先物取引所、いわゆるTIFFEのあり方、そして金融庁の指導監督スタンスについて伺いたいと思います。
昨今、世界的な取引所の再編が進みまして、アジアにおける金融先物市場につきましても、こうした取引所再編の波が徐々に波及をしてきております。そうした中で、上海やシンガポール、香港など、他国の金融先物市場との市場間競争というものが激烈になってきているわけですが、日本の国益を考えた場合、この市場間競争、官民を挙げてしっかりと取り組んでいかなければならない課題だと思います。
そうした中で、このTIFFEが東京マーケットの発展のために大変重要なインフラであることは申すまでもないわけでありますけれども、安定した経営あるいは参加者の拡大といった課題を実現していくためには、幾つか課題があると思います。
先ほど、村越議員の質問に対しまして、大臣の方から、ユーロ円現先取引のことを例に挙げられて、ゼロ金利政策の長期化が背景にはあるんだというお話がありましたけれども、こうした金利水準そのものを左右することは金融庁のお仕事ではありませんので、そのことについてはここで議論しても余り実りがないかなと思うわけですが、しかしながら、環境整備といいますか、例えば取り扱い可能な商品を広げていくための方策であるとか、あるいは決済システム等、その他システムの整備を側面からサポートしていく、そういった間接的なサポートというのはさまざまに考えられるものだと思います。
現在、TIFFEの職員は五十名前後ということで、他国の金融先物取引所の中でも相当少ない水準になっているわけですし、収益体質も極度に悪化をしていると思いますが、こうした中で、今後の指導監督スタンスについて伺いたいと思います。
伊藤国務大臣
東京マーケットの魅力を向上させていくためにも、やはり競争力を強化していかなければいけない、国際的に激しい競争環境の中でどうやってその魅力というものを向上させていくことができるか、そのことについて私どもも重大な関心を持って対応していかなければいけないと基本的に考えているところでございます。
そうした問題意識の中で、TIFFE、東京金融先物取引所は、日本で唯一の金融先物取引所でありますので、東京マーケットのインフラを担っている、こうした観点からもその整備というものは大変重要なものではないかというふうに考えております。
しかし、現在、TIFFEの状況を見てみますと、参加業者が少ない、海外の取引に比べて総じてレバレッジが小さい、あるいは取り扱いの通貨が少ないといった課題があります。こうした課題に対する対応として、TIFFEにおいては新しい商品の上場などを通じた取り組みを行っていくというふうに承知をいたしておりますし、また、取引所においても、資金調達手段の多様化やあるいは意思決定の迅速化を図って、さまざまな環境変化や市場利用者の多様なニーズに対応して効率的で利便性の高いサービスというものが提供される、そうしたことを実現していくため、本年四月、会員制から株式会社へと組織変更を行ったものと承知をいたしております。
今後とも、引き続き、TIFFEにおける自主的な取り組みが行われるものと考えているところでございますけれども、私どもとしても、こうした取り組みを促進すべく、適切に対処してまいりたいと考えております。
津村委員
今、大臣からTIFFEの課題として幾つか例示がありました。例えば、取り扱いの金融商品あるいは取り扱い通貨の数が限られていること、そして海外と比べてレバレッジが必ずしも大きくないこと。そして、そのいわば結果でもあるかもしれませんが、九〇年代と比べまして、当時二百社ほどあったと記憶しておりますけれども、会員企業数が現在では五十ほどまで減っている。実は、金融庁の事務方の皆さんとも議論をさせていただく中で、そういった点についても、私からも申し上げたんですが、問題意識を共有されているということで大変心強く思っております。この場では十分議論を深められませんけれども、今後とも、このTIFFEのあり方、ひいては東京マーケットのインフラ整備ということについて、私はここに立つたびに申し上げていますけれども、引き続き丹念にフォローしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
そして、このことに関連をいたしまして、二番目の質問になるわけですが、今回の外為証拠金取引規制に関しても、やはりTIFFEとの関係が非常に重要な一つのポイントかなと考えるわけです。
本年六月の金融審議会におきまして、TIFFEの太田専務から、今回の外為証拠金取引につきまして、来年の夏ごろでしょうか、時期は少し記憶があいまいですが、上場の意思を、検討するという形で表明をされたように記憶しております。市場整備の一環という意味では前向きに評価できる一面があると思いますが、しかし逆に、システム対応等、それなりにコストのかかることですし、実際にビジョンなくこういうことはできないわけで、そこら辺は少し御説明いただきたいなと思いました。
TIFFEの方をここに、株式会社化されていますので直接お呼びするのは簡単ではないということでしたので、大臣にぜひ伺いたいんですけれども、今回、入り口規制といいますか、行為規制というんですか、不招請勧誘の禁止という形でさまざまな規制が課せられています。業界地図が大きく塗りかわって、場合によっては一時的に外国為替証拠金取引の市場残高が減少することも懸念されているわけですが、こうした中で、TIFFEがシステム対応も含めてこの市場に参入してくるというのは、場合によってはこれは採算がとれないんじゃないかなということもあり得ると思うんですが、その辺の見通しはいかがですか。
伊藤国務大臣
委員が冒頭に指摘されましたように、東京マーケットの魅力を向上させていくためにはやはりインフラの整備が非常に重要でありますし、委員が何度となく当委員会でも示されている、そういう問題意識というものを私どももしっかり受けとめて対応していかなければいけないというふうに考えているところでございます。
TIFFEと今回の外国為替証拠金取引の上場に向けた検討についてでありますけれども、これはまだ具体的にどういう形で進めていくかということについて私どもは十分承知をいたしておりませんので、委員の今の御質問に的確に答えられるような状況にないんではないかというふうに思っております。
ただ、金融審議会の六月にまとめられた第一部会の報告、「外国為替証拠金取引に関する規制のあり方について」においては、「そのような商品の上場に際しては、流動性の確保やコストの問題等、解決すべき課題が残されているが、関係者間において前向きな検討が行われることが望まれる。」とされているところでございます。
いずれにいたしましても、TIFFEの方から認可申請が上がってくれば、私どもとして、法令に基づいて適切に対応していきたいというふうに考えているところでございます。
津村委員
多少心もとない御答弁だったかなと思います。
TIFFEの現在の収益状況につきましては、先ほどもお話がありましたように、この厳しい低金利下、ユーロ円現先の三カ月物、ほかの限月もありますけれども、こういった商品の市場が、言葉は悪いですけれども、もう市場が死んでいるという言い方もされるほど深刻な状況です。そうした中で、TIFFEの理事長さんに大蔵省の大変実力派と言われるOBの方がついて、ここはぜひ頑張っていただきたい、エールを送りたい場面なわけですけれども、今回のこの取引規制の強化によってどういう影響があるかわからない、一言で言うとわからないという今の御答弁だったと思うんですが、もう少しここはしっかりと勉強していただいて、効果を見きわめてしかるべき対応をしていただきたい、そういうことを御注文させていただきます。
多少時間が押してまいりましたので、少し質問を急ぐわけですけれども、いわゆる金融サービス法の法案提出時期について具体的に教えていただきたいと思います。
九六年の秋に日本版金融ビッグバンが提唱されて以来、日本の金融資本市場においては、今回の外為証拠金取引に限らず、さまざまな金融商品が雨後のタケノコのようにといいますか生まれてきたわけであります。
そうした中で、現在の金融行政というのは、信託業法の際にも御指摘申し上げたわけですけれども、ポスト金融ビッグバン後のグランドデザインというものが必ずしも明確に描けないまま、先ほどつけ焼き刃的なという話もありましたけれども、何かトラブルがあったり何か金融商品が生まれるたびに事後的に一つ一つ後づけで対応をしていく、その結果として、金融先物市場なんかはその典型だと思いますけれども、監督検査が十分行き届かないために相当ひどい事例が出てきて、それがまた一罰百戒のような形でたたくものですから、逆にマーケットがシュリンクしてしまうということで、全くちぐはぐというか、非常に不安定な金融行政が展開されているのではないかと思います。
そういった意味で、内外の信頼を高めて、よりグランドデザインのある金融市場整備を進めていくためにも、この金融サービス法を早期に整えるということは極めて重要だと思うわけですが、仄聞するところでは、来年の春には金融審議会の基本的な考え方が示されるとのことです。基本的な考え方はまたそこで議論をさせていただきたいんですが、法案の提出時期ということではいつごろを想定されているでしょうか。
伊藤国務大臣
お答えをさせていただきたいと思います。
昨年末に金融審議会において報告書が取りまとめられたわけでありますが、「市場機能を中核とする金融システムに向けて」という報告書においては、今後、新たに登場する投資サービス等につき、証券取引法を中心とした有効な投資家保護のあり方について検討するとともに、中期的な課題として、証券取引法の投資サービス法への改組の可能性も含めた、より幅の広い投資家保護の枠組みについて検討していくとの提言がなされたところでございます。
こうした提言を踏まえて、九月二十八日に行われた金融審議会第一部会においては、投資サービスにおける投資家保護のあり方について、投資サービスの範囲、定義方法、そして業規制の横断化、柔軟化、市場監視機能・体制の強化、そして集団投資スキーム、資産運用をめぐる法制の再整理といった論点を柱として検討を進めていくことで意見が一致したと承知をいたしているところでございます。
今後のスケジュールについては、来年春ごろをめどに基本的な考え方を取りまとめていくというふうにお伺いをしておりますし、その後、必要に応じて、より具体的な要綱案の検討に移る方針であるというふうに金融審議会からお伺いをしているところでございます。
こうした状況でありますので、現時点においては具体的な法案提出時期を申し上げる段階ではないというふうに思っておりますけれども、こうした二十一世紀を支える新しい枠組みをつくるということは極めて重要だというふうに認識をしておりますので、金融審議会の議論、そして報告書の取りまとめを踏まえて、私どもとして検討を進めていきたいというふうに考えているところであります。
津村委員
こういうのはアナウンスメント効果が大変重要ですので、いつというのは本当に重要な情報です。ぜひそれを示していただきたい。
今のお話のロジックでは、金融審議会がどれだけかかるか言ってこないからわからないということですけれども、金融審議会というのは、大臣がイニシアチブをとって、いつまでにやってくれといって仕事をお願いするのが本来あるべき姿で、審議会の方から返事があるまでは自分ではわからないというのでは大臣として大変心もとないわけですけれども、いつごろまでに金融審議会に仕事を頼むつもりかを教えてください。
伊藤国務大臣
こうした新しい枠組みをつくることの必要性については、私も、大切なことであるということは大臣に就任してからもお話をさせていただいているところでございます。
しかし、一方で、この新しい枠組みについてはいろいろな論点があるわけであります。その論点をやはり丁寧に議論をして、間違いない枠組みをつくらないと、この枠組みのつくり方を失敗すると、それがかえって投資家保護とは逆行した形になってしまいます。そうしたことがないように金融審議会で専門家の方々が今精力的に議論をしていただいているわけでありますし、私どもとしても、そうした議論というものを尊重しながら、そして、その議論を踏まえて、どういう形の対応ができるのかということをしっかり検討していきたいというふうに考えているところでございます。
津村委員
やはり受け身な印象を受けるわけですけれども、もう一点だけ伺いたいと思います。
先ほど来、大臣から、機能別、横断的なという表現が大変印象に残るというか強調されるわけですけれども、金融サービス法を考えていく上で、私は、商品先物取引をどう扱うのかをぜひ伺いたいと思います。
これは金融庁ではなくて、むしろ経済産業省、農林水産省が現在市場を見ているという側面がありますけれども、商品先物取引業者を取り締まる、今回の法案もそうですけれども、投資家から見ると、何省がやっていてもそんなことは関係ないわけで、似たような人が似たような顔をして似たようなパンフレットを持って売りに来るわけですから、投資家を保護するという意味では、ここは縦割り行政はやめて、ぜひ省庁をまたがった金融サービス法をつくっていただきたいと思うわけですけれども、現在の金融審議会の議論を踏まえて御所見を伺いたいと思います。
伊藤国務大臣
商品先物については、委員の御指摘がございましたように、幾つかの関係省庁がございます。そうした関係省庁とも連携をしながら、これからの新しい枠組みについて、その実効性が担保されるようにしっかりとした対応をしていかなければいけないというふうに考えているところでございます。
金融審議会についてのお尋ねもございました。金融審議会第一部会においては、今後、投資サービスの範囲、定義の方法について検討していくわけでありますけれども、その中で、他の業法による投資者保護が図られている投資サービス、これは金融先物、商品ファンド等についての考え方も議論の対象になっていくというふうに聞いておりますので、そうした意味からは、商品先物取引についても必要に応じて議論の対象になるものと考えているところでございます。
津村委員
もう時間が参りましたので、これで終わりますけれども、金融サービス法につきましては、私ども民主党が一貫して訴えてきたことであります。ことしの春の通常国会でも、私たちは議員立法でこのことを提唱いたしましたし、今回、少しずつでありますが、時間がかかりながらではありますけれども、作業が進んでいるということで、これからも丹念にフォローしながら、私ども引き続き建設的な提案をしていくということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
金田委員長
これより討論に入ります。
討論の申し出がありますので、順次これを許します。津村啓介君。
津村委員
私は、民主党・無所属クラブを代表いたしまして、金融先物取引法の一部を改正する法律案に対し、賛成の立場で討論をいたします。
一九九八年四月、いわゆる改正外国為替及び外国貿易法が施行され、外国為替業務が完全自由化されました。これに伴い、外国為替証拠金取引を扱う業者が急増いたしましたが、外為証拠金取引を規制する法律がないこともあり、トラブルが急増しています。こうした事情を踏まえ、金融庁は、二〇〇二年十二月に事務ガイドラインを、そして本年四月には金融商品販売法施行令を改正いたしましたが、これと並行して金融審議会金融分科会第一部会が外国為替証拠金取引に関する規制のあり方について検討を行い、六月に報告書が取りまとめられました。本法案はこうした経緯を踏まえて提出されたものであり、趣旨に賛成であります。
しかしながら、この機会に、金融庁に対しては幾つか苦言を呈しておきたいことがあります。
第一に、グランドデザインなき金融市場整備についてであります。二〇〇一年四月に施行された金融商品販売法が外国為替証拠金取引をめぐるトラブルを防げなかったことについて、金融庁は真摯に反省すべきです。私たちは、金融商品販売法は多くの問題点を抱えており、速やかに金融サービス法を整備すべきだということを一貫して主張してきました。トラブルが発生するたびに個別の業法を改正するというつけ焼き刃的な姿勢は、グランドデザインなき金融市場整備の最たるものであり、国民の財産と国の富、国益を損ねております。伊藤金融担当大臣におかれては、日本の金融行政の新しい指導者として、ポスト日本版金融ビッグバンの新しいビジョンを早期に示されるよう強く望みます。
第二に、法改正に当たっては、金融審議会等の開かれた場において十分な幅を持った議論を行い、国民及び海外の市場関係者から見てわかりやすい制度設計を進めていくべきだということです。本法律案では、外為証拠金取引を規制の対象とする一方で、金融先物取引業を許可制から登録制に規制緩和することにしていますが、後者の問題については、金融審議会等で十分な議論が行われた形跡がありません。民主党の財務金融部門会議においては連日当法案の議論を行い、議論の深掘りを図りましたが、金融庁幹部の説明は、意図的にこの点をあいまいにしたものでありました。だれもが反対しづらい法案に、十分な議論を経ていない別の制度変更をこっそりと忍ばせ、紛れ込ませるような手法は、厳に慎んでいただきたいと思います。国民の金融庁に対する信頼が問われております。
第三に、最近の金融庁提出法案は、具体的な基準等を政令で定めるとしている例が非常に多いことです。国会の関与が及ばないところで、金融庁が恣意的に決める部分がふえることは、かつての大蔵裁量行政の復活につながりかねません。世界第二位の経済大国である我が国日本にとって、経済は国際社会における日本の発言力、影響力の力の源泉でもあります。内外のより確かな信頼をかち得ていくためにも、透明でわかりやすい金融行政の実行、実現を求めます。
以上、伊藤金融大臣及び金融庁に注文を申し上げた上、本法律案に賛成する立場を改めて表明して、討論を終わります。(拍手)
| 財務金融委員会 第10号 2004年11月17日(水) 午後2時43分散会 | 目次 |