財務金融委員会 第22号  2004年4月27日(火) 午前9時開議 目次

津村啓介HP


本日の会議に付した案件


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山本(明)委員長代理
次に、津村啓介君。


津村委員
民主党・無所属クラブの津村啓介でございます。

質問に先立ちまして、少し質問の本旨にずれるんですけれども、本日の御質問、二つの法律案についてやや逐条的に一つ一つ丹念に質問させていただきたいと思っておりまして、事前に質問通告もさせていただきました。そうした中で、極力参考人の方に答えさせたいということを繰り返し言っていただいたんですけれども、副大臣がちょっとほかの委員会の関係で、竹中大臣に負担がかかるというようなお話もありまして、いろいろ考えたんですが、やはり私は、私どもも対案を提出して重要法案を議論していったり、そういった努力もしている中で、大臣、副大臣にお答えいただきたいというふうに思いまして、御無理を申し上げております。

それに関連して、多少つけ加えると、私は、こういったこともあるわけですから、必要ならば副大臣や政務官をふやしてでもしっかりと、きょうはどうしてもとおっしゃるんで参考人の方に座っていただいておりますが、お答えいただきたくないんですけれども、そういった形で対応していただきたいということを冒頭申し上げたいと思います。

何かお話があればどうぞ。


竹中国務大臣
法案を担当している大臣でございますから一生懸命答えさせていただきます。また、今御指摘のありました副大臣、政務官、金融庁は政務官がいないんです。今は副大臣がちょっと別の委員会に行っておられるということで、本当にふやしてほしいなと私自身も思っております。

繰り返し言いますが、大臣としてしっかりと答えさせていだきます。非常に技術的なことになると政府参考人に少し確認しなきゃいけないようなこともありますので、できるだけ御不便をかけないように、しっかりと答弁をさせていただきます。


津村委員
それでは、具体的な質問に入らせていただきたいと思います。

冒頭、これは少し大きな御質問になるんですけれども、金融ビッグバンの現状評価というところで、前回も総論的なところで伺ったんですが、一点、絞って伺いたいと思うのが、私は、金融ビッグバンのねらいが幾つかある中で、もちろん消費者の利便性を向上させる、あるいは金融産業の国際競争力を高めていく、そういった国策としてのねらいもあったと思いますけれども、もう一つ、雇用も含めた市場間競争、二十四時間、国際金融マーケットが開いている中で、ロンドンとニューヨークが閉まっている間は、極東地域、アジアの地域が、マーケットが唯一開いている時間帯、エリアになるわけです。そうした中で、シンガポールや香港あるいはその他の市場に比べて、東京マーケットが最も魅力的なマーケットでありたい、そういった国としての意思も、国家意思というものがこの金融ビッグバンには働いていると理解をしているんです。

ビッグバン提唱から七年余りを経て、現在、そういった成果、つまり、シンガポールその他と、取引規模あるいは雇用でもいいんですけれども、数字的に確認できるものとして、どのような成果があるのかということを教えてください。


竹中国務大臣
まず、津村委員おっしゃいましたように、やはり国の政策として、シンボルである東京の市場を国際的に競争力のあるものにしていくということは、これはまず政策的な意図として大変重要であるというふうに思います。金融ビッグバンは、まさにそのような意思を反映した一つの政策であった。本家イギリスの一九八六年のビッグバンも、やはりシティーの復興というのは国の威信をかけてやったことであるというふうに思います。

九八年の金融システム改革、日本の金融ビッグバンを踏まえて、我々としては、仲介者の新規参入、業務の自由化、競争を促進する観点から取引所集中義務の撤廃、さまざまな措置を講じて、その効果なわけでありますけれども、この効果は、まず何ではかるかというのと、どの時点と比べるのかということによって、評価は物すごくまちまちになってくるんだというふうに思います。

例えば上場会社数、売買代金、時価総額等々、これを、例えば平成十五年の数値とこの日本版金融ビッグバン当時の平成十年の数値と比較しますと、いずれも、東京の数値というのは、ニューヨーク、ロンドン市場に対して相対的に実はよくなっているという数字が出てまいります。その意味では、東京市場のプレゼンスに関しては比較的向上しているという評価も可能である。ところが、これをさらに十年さかのぼってバブルのときと比べると、これはもう明らかに日本の数字が低くなる、そういう中にあろうかと思います。ただ、いずれにしましても、金融ビッグバン政策をとってからの数値ということになりますと、ニューヨーク、ロンドンと比べると、上場会社数、売買代金、時価総額等々についてはそれなりの評価があるのかというふうに思います。

ただ一方、シンガポールと比べたらどうか。これも津村委員の御指摘にありました。これは、売買代金ベースで比較しました場合、平成十年のシンガポールの売買代金は対東京比で七・八%でした。しかし、売買代金の方は相対的に東京の方が大きくて、シンガポールの比率は十五年には四・三%に下がっている。その一方で、時価総額ベースで見ますと、数字は、評価は逆になりまして、平成十年のシンガポールの時価総額、東京比で四%であったものが今五%に上がっている。売買代金ベースと時価総額ベースで少し評価が違っております。

日本のプレゼンスの高まりというのはそれなりに見られているのではないだろうか、これをもっと確実なものにしたい、そういう思いでおります。


津村委員
実は、この数字についても、昨日から資料を取り寄せながら金融庁の皆さんにお話を伺ってきた経緯があるんですけれども、多少苦言を呈させていただきたいんです。

株式だけではなくて、為替なりあるいは債券なり、マーケットだけとってもいろいろあるわけです。そうした中で、数字が、つい先ほど、五分ほど前にそこでも追加をしていただくようなぐあいでしたけれども、結果的に債券の数字は依然いただいておりません。明らかにこれは公表されている数字だと思うんです。金融庁さんが作成されているわけではもちろんないでしょうけれども、市場整備をされている、あるいは金融ビッグバンを所管されている金融庁さんが、こういったマーケットの規模、あるいは他のマーケットとの比較ということを日常的にされていないとすれば大変おかしな話で、そういうことはないと思うんですけれども、確認させていただきたいんです。

私からは、債券、為替そして株式、この三つのマーケットについて、先物取引も含めて数字を一通り見ていただきたい、チェックしていただきたい、その結果をお伝えいただきたいということも申し上げていたんですけれども、株式の話だけが出てきて、しかも、上場会社、売買代金、時価総額の話がありましたが、非常にこの間、株価がボラティリティーが高いといいますか乱高下しているわけですから、そういう意味では比較的、取り上げる指標としては余り適切じゃないような感じも私としてはします。

むしろ、上場会社は明らかにシンガポールの方がふえているわけですし、そういったところを見ると、ちょっと、金融ビッグバンのフォローというか、その成果をしっかりフォローされているのかどうか、やりっ放しになっているんじゃないか、その辺が不安になるんですが、そこはしっかりと数字をチェックされているんでしょうか。だとしたら出していただきたいんですけれども。

 〔山本(明)委員長代理退席、委員長着席〕


竹中国務大臣
先生に御迷惑をおかけしたとすれば、それは私の方からも深くおわびを申し上げます。

ただ、恐らく事務方は、私の知る限り、もう必死で、きのうもほとんど担当部局は徹夜で先生方の御質問に対する対応をさせていただいております。我々としては、さまざまなデータをより迅速的確に把握、整理できるように常に努めているつもりでございますが、ちょっと話を聞きますと、例えば為替は日銀が所管している、日銀からデータを取り寄せる、そのような形になっているんだそうでございます。もちろん、我々としては評価は常にしているわけでありますけれども、例えば特定のフォーマットでそれをお出しするとなると少し時間がかかったりしてしまう。いずれにしましても、担当の者は、本当に、それこそわき目も振らず必死で今やっております。我々の方もしっかり対応いたします。

それでお願いでございますが、できれば、できるだけ早く、またいろいろな趣旨の、特に長期の統計等々に関しましては、早い時間にいろいろお知らせいただければ、我々の方も対応をもっとスムーズにさせていただけるというふうに存じます。


津村委員
日常的に数字をフォローされていると思っていたものですから、ちょっと私の方に誤解があったとすれば、対応がぎりぎりになったことはおわび申し上げます。

そのこととも多少関連するんですけれども、実は、この御質問を差し上げた真意は、前回、三月二日の竹中大臣への初めての御質問と流れは一つなんですけれども、私としては、金融ビッグバンという一つの大きな国家的なプログラムというか大きなビジョンが示された、それについては、その後の金融情勢の変化もありまして、評価はいろいろ分かれますし、マイナス面もなかったとは言えないと考えるわけですが、そのあたりの中間的な総括といいますか評価を金融庁さんがある程度示される。

また一方で、当初示されたプログラムの中で、できているもの、できていないものがいろいろありますね。保険の窓販なんかもそうだと思いますけれども、金融情勢が目まぐるしく変わっているわけですから当初の予定どおりすべてやるべきだということを必ずしも申し上げる気はないんですけれども、これはちょっとおくれている、あるいはこれは残っている、そういったことを一度整理して、今後どういう形でどういう目標に向かって進めていきたいかということをこのあたりで一度整理をされる。

竹中大臣、金融検査の面では、竹中プランということで、内容の是非はともかく、明確なビジョンを示されて金融再生に取り組まれているわけですけれども、金融マーケットの面についても、これは、私、竹中さんへの提言といいますか、御進言申し上げるという趣旨なんですけれども、金融ビッグバン以降の金融システム改革について、この間、この半年ほど、私が衆議院議員になってからでも、何回となく、保険の窓販についても、今回の二つの法案についても、結局、目標の対比、どの辺まで来ているんだ、今どういうポジションにあってこれからどういう課題があるのか、そういうことについて繰り返し御質問を差し上げているんですが、断片的な御回答がどうしても多くなっていて、全体観がなかなかつかめない。

これは、質問がしにくいということは瑣末なことかもしれませんけれども、マーケットから見ても、あるいは海外から見ても、金融ビッグバンはどこに行ったんだ、金融行政がダッチロールしているんじゃないか、そういう印象を与えかねないと思いますので、竹中大臣はそういったビジョンを示されるのはお得意だと思いますので、このあたりでそういった整理をされたらいかがかなということを提言させてください。


竹中国務大臣
恐らく津村委員は、金融問題に対する全体的な整理というのは頭の中で非常にきちっとなさっていらっしゃるということで、それで今の御指摘が出てきているというふうに思います。

ぜひ、次のように御理解を賜りたいと思います。

構造改革を行う段階で、我々は最初から、改革には、ちょっと片仮名で恐縮ですが、リアクティブなものとプロアクティブなものがあるのではないだろうか。リアクティブなものというのは、これは不良債権の処理が典型でありますけれども、できてしまった不良債権というのは苦しくてもしっかりと処理していくしかない。しかし、それだけで日本経済がよくなるわけではなくて、プロアクティブなものがあるだろう。この間のグローバリゼーション、世界市場の変化に対応して、また技術のフロンティアが広がったということに対応して、しっかりと前向きにやっていかなければいけない。

小泉政権ができてから三年間の主な役割は、実は、まさに我々が呼んでいるところの集中調整期間、集中的に調整を行う、不良債権の問題、それと財政赤字の拡大を食いとめるという問題、このリアクティブな構造改革にやはり大きな軸足を置いていたというふうに思っております。だから、それを集中的に調整する期間という意味で集中調整期間。実は、その集中調整期間は十六年度までというふうにしている。

十七年度以降は、まさに今、今回、ことし六月の骨太方針についての議論を開始しておりますけれども、ぜひ、プロアクティブなものに重点を移していって、そのために必要な長期の成長基盤を重点的に強化する。今までは集中的に調整する、今度は重点的に強化する、その中でさまざまな政策を前向きに打ち出していこう。ちょっとオーバーに言いますと、そういう時代認識を持っております。今、津村委員が御指摘になった問題というのは、まさにその中でしっかりとお答えを出していかなければいけないものであると私は思っております。

金融再生プログラムというのは、不良債権の処理にまさに焦点を当てております。もちろん、それだけではないわけでありますけれども、それを超えてさらに、その中に実は、金融ビッグバンの評価と、それのさらなる継続、加速というのは、私は、その重点強化の非常に重要な部分になってくるというふうに思っております。

まだ集中調整期間でありますので、この一年間はわき目も振らずにこの金融再生プログラムの実行に当たっていきたいと思っておりますが、それを踏まえて、これは時期的にはちょっと秋ぐらいになるのかどうなるのか、その重点強化に向けた金融のあり方につきまして、どの程度体系的に、どの程度整合的に示せるかというのはこれから積み上げて考えますが、恐らく津村委員が御指摘のような方向で私たちも当然動いていかなければいけないというふうに思っております。


津村委員
ありがとうございました。

それでは、今回の二つの法案について、少しずつ御質問をさせていただきます。

まず、これは最も大きなテーマの一つだと思うんですが、銀行等による証券仲介業務の解禁についてでございます。

その御質問に入る前に一つ確認させていただきたいんですが、一般事業法人と個人については、証券仲介業務の取り扱いがこの四月一日から解禁になっています。特殊な事情のある銀行とは意識的にその時期をずらしているということだと思うんですが、この四月以降の実績及び評価というものはどうなっていますでしょうか。


竹中国務大臣
まず、実績のお尋ねかと思いますが、登録申請を今受けているわけですけれども、現実には、制度としてはスタートはまだしておりません。したがって、登録申請の状況はちょっと今手元にはございませんが、非常に幅広くいろいろなところで御対応をいただきつつあるというふうに認識をしております。


津村委員
今回の法律案のベースになっているものの一つに、金融審議会の部会報告、十二月二十四日に出されたものがあると思います。繰り返し金融庁さんからいろいろな場面で御説明いただくときに引用されるものですので、ここでも引用させていただきたいんですが、証券仲介業については、冒頭、こういう書き方をされています。「銀行を除く形で導入し、未だ施行に至っていない証券仲介業の範囲を現段階で見直して銀行を加えることは、政策として拙速にすぎるとの指摘がある。また、これまで銀行が行えないことを前提に証券仲介業に参入するプランを立ててきた者にとって、」つまり一般事法や個人だと思いますが、「前提条件の変更になってしまうことも事実である。」これは事実だと思います。

こういった問題点を報告書の中で指摘されているんですが、その後段に、いや、それでも銀行をやろうという理由として、これは全く時間軸と関係ないところで、ワンストップショッピングとか、銀行顧客層の市場参加を促すとか、地域におけるアクセスが改善されるとか、それは別に以前からあったメリットで、この期に及んでといいますか、この一年間で何ら変更があるたぐいのものではないと思うんですが、そういったメリットのみを書いて、最後、こう締めくくっているんですね。「換言すれば、一般事業会社にできることを、銀行にだけ制度的にできないままにしておくことは、もはや国民に対して説明できない段階に来ている」。

ここに大分論理の飛躍がありまして、今まで、銀証分離については、この証券仲介業務についても長い長い議論の歴史があるわけですけれども、昨年、一般事法と個人だけにとどめて、ちょっと銀行とは別扱いして様子を見ようということにしたはずなのに、まだそれが、先ほどおっしゃられたように制度として実質的にスタートを切らない段階で、その様子を見たともとても言えない段階で、あるいは議論の前提条件の基本的な変更をこの段階でする理由が示されていない。ぜひ理由を教えていただきたいと思います。


竹中国務大臣
金融審の報告について丁寧に御紹介をいただきました。銀行を除く形で導入していまだ施行に至っていない証券仲介業の範囲を現段階で見直して銀行を加えるのは、政策として拙速過ぎるという指摘がある、そのとおりでございます。一方で、顧客の利便性の向上、投資家等のすそ野の拡大、証券会社の店舗が少ない地域におけるアクセスの改善、そういった意義を重視しなければいけないという指摘がございます。そして、銀行であるがゆえに必要となる有効な弊害防止措置を条件に、通常国会で所要の法的手当てを行うことが望ましいという御指摘もございます。

こういう今の金融の問題というのは、事ほどさように、常にさまざまな立場からの意見があって、全会一致でその方向というようなことではやはり明らかになくなってきている。それだけ、非常に、今までにない新しいことをどんどんどんどんやっていかなければいけない状況であろうということかと思います。

この時点でなぜなのかという御指摘でありますけれども、基本的には、潜在的にこれまでも非常に強いニーズがあった、銀行に対する仲介業参入への期待、そういうものが、市場全体の動向とも絡め、やはり改めてそうした機能を見直そうではないか、そうすることによってこの今の時期に貯蓄から投資への流れを加速、本格化させようではないか、そういう認識が委員の間にも大変広まったのではないのかなというふうに思います。

これはやはり、一つ一つ積み重ねながら、合意形成をしていきながら、しかし方向としては進むべき方向に持っていかなければいけない。今の行政は押しなべてそういうところがあるわけでございますけれども、今回、その利益相反の問題等々についてもある程度手当てのめどがついたということで、このような形でお諮りをしているというふうに御理解を賜りたいと思います。


津村委員
時間的に急に早まってルールの変更、ゲームのルールが変わったことについての御説明にはなっていなかったように思うんですけれども、委員の皆さんの認識が広まったというのはちょっと御説明ではないと思うんですが、もし補足があれば御説明いただきたいということと、それから、最後におっしゃられた、利益相反を防止する実効的な手段が講じられることになったのでということをちょっと口走られましたけれども、具体的にはどういうことですか。


竹中国務大臣
銀行の優越的地位が問題ではないかというのはさまざまな形でこの場でも御議論をいただいているわけでございますけれども、銀行等による証券仲介業に係る弊害防止措置、今、現行法令におきましても、信用供与の条件として証券取引をさせるような行為を禁止しているわけでございます。今般の証券仲介業の解禁に伴いまして、これは株式等の取り扱いが可能になるわけでありますから、さらに大きく三点、措置を講じるということでございます。

第一は、金銭の貸し付けを条件として証券取引の受託等をする行為というのを禁止いたします。第二に、証券仲介業務部門と融資部門との間の情報の共有を禁止いたします。第三に、貸出先が発行する有価証券についての手取り金が借入金返済に充当される場合に当該事実を投資家へ開示せずに勧誘するという行為を禁止いたします。

先ほども同僚委員からその実効性はということを尋ねられているわけですが、まず、我々は、法律として禁止をした、明確に禁止した。実効性に関しては、市場監視機能・体制の強化に努めているところでありますけれども、引き続き、法令違反になるわけですから、これを的確に把握をして厳正に対処する、その弊害防止措置を含めて、実効性の確保に金融庁として全力を挙げたいというふうに思っているわけでございます。


津村委員
ここの辺から、まさに、私ども民主党の考え方と金融庁さんの作業の進め方の最も大きな違いといいますか、一番大切な部分になってくると思いますので、少し事実に即しながら御質問をしたいと思います。

たくさん措置を講じられている、これを禁止するこれを禁止すると今三つか四つおっしゃいましたけれども、法律で書くのはそれは簡単なことで、禁止する必要があるなら禁止すればいいんです。しかし、そういったことがしっかりと、その実効性、まさに実績として、では、二年後三年後に、そういった制度が導入された後に、監視当局がいろいろ禁止事例についてしっかり摘発する、不公正取引がないことを明らかにしていくということができるかどうかが一番重要なわけで、そういったことを考える上でも現状を少し見たいと思うんです。

日本とアメリカで、両市場、マーケットの規模の差もありますけれども、それぞれに監視当局が置かれている、そういった中で、不公正取引の摘発件数というのはどれぐらいの差があるんでしょうか。具体的な数字でお願いします。


竹中国務大臣
済みません。摘発件数とおっしゃったんでしょうか。(津村委員「はい、そうです」と呼ぶ)摘発件数は、平成十四年度の我が国証券取引等監視委員会等の刑事告発案件は二十二人・社、二十二でございます。他方、二〇〇二年度の米国SEC関連刑事案件は二百五十九人・社でございます。二十二と二百五十九でございます。


津村委員
二十二と二百五十九ということですから十倍以上なんですが、それほど大きな差が生じる背景といいますか、生じるのはなぜだと思われますか。


竹中国務大臣
この背景は、いろいろな要因があると思いますけれども、先ほど少し委員も御指摘になりましたが、市場規模の差異というのも一つの要因になろうかと思います。資産をどれだけ持っているか、そのポートフォリオはウエートが随分違っているわけでありますので、ストックではかるかフローではかるかはともかくとして、その取引の母数が何倍も違っているというのは一つ大きな要因であろうと思います。

一義的に言うのは難しいのでありますけれども、これは、アメリカSECと監視委員会では、その機能、制度の違いがある。その機能、制度の違いも反映して人数等の違いがあるということだと思います。具体的に言いますと、我が国の証券取引等監視委員会の定員は、財務局も含めて四百十五人、これは、証券会社等の検査部門、それと犯則調査部門の合計であります。一方、アメリカSECの法務執行局は千三百五十七人。この人員面での差があります。

機能、制度面の差というのは非常に大きいと思いますけれども、アメリカのSECは、民事裁判や行政手続を経た処理、あるいは被疑者との和解により案件を終結させるんですけれども、監視委員会は、精緻な調査を行って、起訴、公判といった司法手続が予定されている刑事告発を行っている点、この点が大きな違いだと思います。つまり、刑事裁判にたえるような精緻な調査、証拠を収集していなければいけない。アメリカの場合は、その前段階で仕事が終わる。そのような、これは幅等、深さ、プロセスの深さ、その違いも非常に大きいのではないかというふうに思っております。


津村委員
定性的な御説明が多かったように思うんですが、機能が、市場監視機能、流れとして強化する方向にあると思うんですけれども、ここ数年の取り組みといいますか努力として、監視機能を強化するために、法律はわかりましたが、人員、あるいは予算になるのか、そういった具体的な取り組みとしてはどういうものがありますか。例えば、監視当局の検査官の人数が何人ふえているとか、そういったことを教えてください。


竹中国務大臣
こうした機能を強化しなければいけないというのは、方向としては同じなんだと思います。

そうした観点から、一つは、やはり制度、体制の強化なわけでございますけれども、具体的に今お尋ねのありました、この委員会等の具体的な組織の拡充等という観点から申し上げますと、監視委員会の十六年度末の定員につきましては、検査部門で三名、取引審査部門で二名、特別調査部門で十八名、犯則調査を担う特別調査部門を重点的に強化しております。

十五年度末定員の二百十七に対しまして二十三の増員でありますから、一〇%強、十数%の増員を行っている。その結果、監視委員会での総勢二百三十七人の体制となっておりまして、昨年度に続いて抜本的な強化体制が図られているというふうに思っております。

また、十七年度でありますけれども、これは、今回、証取法の改正案を今御審議いただいておりますけれども、この改正案におきまして、課徴金の調査権限が付与されるということ、金融庁から監視委員会への検査委任範囲が拡大されるということ、それと監視委員会の機能の抜本的な強化策が幾つか織り込まれているということがございますので、今後、これについては、関係当局の理解を得ながら、必要な機構・定員の確保に我々としてはしっかりと努めなければいけないというふうに思っております。


津村委員
昨年も似たような議論が一般事法や個人についてもあったわけですけれども、今、大臣のお話を聞いてみても、課徴金のお話まで言及されましたが、今回の証取法改正というのは、相当実は大きな幅広い業務がふえているわけで、監視委員会の皆さんのお仕事というのは相当来年度以降ふえるはずだと思います。

だとすれば、昨年の増員実績よりも相当大幅な増員、あるいは、場合によっては抜本的な機構改革も含めて必要だと考えるんですけれども、これからその予算あるいは定員の議論が夏あるいは冬にかけてされていくと思うんですが、昨年よりも数字的に見て相当大幅な増員が必要という認識は大臣はお持ちでしょうか。


竹中国務大臣
新しい機能が加わるということでありますから、これは本当にしっかりと増員を我々としてはお願いしたいというふうに思っております。

市場がこういう局面にあるときにこのような組織の拡充を行って市場の信頼性を高めていくということは、日本経済全体にとって大変意義のあることでございます。我々としては、そうした観点からこの法律の御審議もお願いしているわけでありまして、当然のことながら、それを組織、機構、人員に反映できるように、しっかりと関係省庁に働きかけていく決意でおります。


津村委員
同時にお伺いしたいんですけれども、定員をただふやすのは、これもまた言えばいいわけではなくて、やはりそれなりの知識あるいは経験を有した方をしっかりと集めていかなければいけないわけですが、どういった方々を採用しよう、あるいはそういう現実的な選択肢として採用できるんでしょうか。


竹中国務大臣
人員の量だけではなくて質が重要だというのは、まさしく御指摘のとおりであろうというふうに思っております。特に、今の監視委員会の仕事というのは、証券取引が非常に高度化、複雑化して、情報技術もどんどん発達していく、それに合わせて非常に迅速にかつ的確に判断しなければいけないわけでありますから、それにふさわしい人材を質的に確保していくということは、これは大変重要な作業であるということを思っております。

そのためにも、我々実は、民間専門家の積極的な登用をまず行っている、それと、職員に対する研修の充実を行っている、この二点で、ぜひともさらに対応していきたいと思っております。

具体的に申し上げますと、まず、検査官として、現在、弁護士が二名、公認会計士等が十人及びデリバティブ等の専門的な知識を有する者、以前に金融機関で取引を行っていたとか、そういう方をイメージしていただければ結構だと思いますが、そういう方が四十六名、計五十八名、この四月二十六日の時点で民間専門家が既に在籍をしております。これは十六年度末の定員が二百三十七名でありますから、そのうちの五十八名ということですから、約四人に一人がそういうお金のプロフェッショナルな経験を既に積んでいる方だというふうに思います。

また、監視委員会では、職員がデリバティブ等の高度な専門知識とかを習得できますように、民間の専門家を講師として専門分野の内部研修を行う、そして、何よりも、犯則調査等々になりますと、やはりオン・ザ・ジョブ・トレーニングだということになるんだと思います。そういうオン・ザ・ジョブ・トレーニングの実効が上がるように、さまざまな現場での工夫もしていただいているところでございます。

質という観点に関しては以上のようなことでございます。


津村委員
お話を伺えば伺うほど、やはり非常に専門性の高い仕事でもありますし、今は、質と量という形で伺わせていただきましたけれども、やはり機構というか制度の仕組みとして、人事面での独立性、あるいは機構としても独立してされる方がよほど効率的かなという気がいたします。

そういう意味では、銀証分離の見直しも含めて今アメリカと似たような市場の、マーケットの特性自体が今までは日本型の特性ということを、報告書にも何回も出てきますけれども、アメリカのマーケットに非常に近づいている、さまざまな面で。そうした中で、監視委員会のあり方も、アメリカのSECのようなあり方を参考にしながら、より市場監視機能を強化していくことが必要でないか、今のお話の流れからそういうことが導かれてくるのかなという気がします。

実は、竹中大臣御案内と思いますけれども、私ども民主党はかねてより日本版のSECをつくって、こういったことは非常に重要であると竹中大臣も先ほどからおっしゃられておりますけれども、私どもとしては、ある意味ではようやくそういうお話になってきたのかという思いがありまして、改めてここで御提言させていただきたいんですけれども、日本版のSECを今後の課題として考えていかれるということはお考えになっていませんか。


竹中国務大臣
日本版SEC、いろいろなイメージでいろいろな御議論があるかと思いますが、方向として、そのような御議論をしておられる専門家がいらっしゃるということは私も十分に承知をしております。これは引き続き、監視体制の議論というのは非常に大きな問題でありますから、幅広く社会全体で御議論を賜りたい問題だと思っておりますが、幾つかございまして、どうも、専門家と言われる方の話を聞いても、若干誤解があるのかなというふうに思うのは、一つは独立性の問題でございます。

今の監視委員会は合議制の機関でありまして、「委員長及び委員は、独立してその職権を行う。」こととされている。一定の事項に該当する場合を除いては、「在任中、その意に反して罷免されることがない。」委員長、委員の身分保障が金融庁の設置法において以上のように定められている。委員会は、金融庁長官等の通常の指揮監督権の対象にはなっていない。監視委員会の独立性は、その意味では、私は実質的に保障されているというふうに思っております。

それともう一つ、アメリカとの関係でSECの話というのは常に出てくるわけでございますけれども、しかし、海外の動向を見ますと、実は、アメリカのSECというのが世界の潮流からは少し違う形で存続しているのではないのかなと思う面がございます。

具体的に言いますと、金融が非常に複合化していく中で、総合的な観点から、縦割りではなくて総合的な観点から見ていくということが実は海外の潮流になっている。業態横断的な金融行政機構というのが一つの潮流になっている。イギリスでは、こうした金融のコングロマリット化に対応するために業態横断的な金融サービス機構が設立された。ドイツでも金融監督機関を統合した。アジアでも、韓国が金融監督機関を統合して一元化を一九九九年に実現している。

その意味では、我々としては、今のような形で、決して縦割りではない、業態横断的な形で、独立性を確保しながらその機能を充実していくことが基本的に重要なことではないかというふうに思っております。


津村委員
それでは、次の質問をさせていただきます。

顧客の、実際のお客さんの立場に立った御質問を一つしたいんですけれども、今回の制度改正のもう一つのポイントとして、ディスクロージャーの合理化というテーマがございます。

具体的には、目論見書を、三部構成という形を一つの形として認めて、そのことによってポイントをわかりやすくするということだと思うんですけれども、この目論見書というのは、取引をしたことがある方は皆さん思われると思うんですが、本当に読みにくくて、目論見書と読めずにメロンミショと読む人もいるという話もありますけれども、これを、この報告書の中では、市場入門商品である投資信託についてやる意味が大きいということが書かれているんですね。一方で、社債や株式については必要ないというようなことがかなり明快に書かれています。

ただ、法律案の中では、そういった金融商品について特に限定はないと認識しているんですが、これは報告書とあわせ読みすると、投信のことだけを言っているんですか。それとも、個人向け社債とかあるいは株式等についても個人の方でたくさん顧客がいると私は思うんですが、社債や株式についてもこれは対象に含まれているというふうに受けとめてよろしいんでしょうか。


竹中国務大臣
御指摘のように、投資家から見ると、目論見書がどうなるのか、分割がどうなるのか、大変重要な問題になると考えます。投資家にとってわかりやすい目論見書にしなければいけない。投資家のニーズに応じた情報提供を可能にするために、今回は、必ず交付しなければいけない目論見書と請求に応じてやるものというふうに区別するわけでございます。

その分割の対象となる有価証券につきましては、これは政令で定めるということにしております。どのような有価証券をその対象にするかについても、有価証券の種類ごとに判断する必要がありますけれども、現段階においては、政令で投資信託証券を定めるということを考えております。

これは、投資信託というのは市場入門商品であるということで、個別の会社の信用力に基づいて発行されるものではなくて投信財産の価値を基本として発行されるものでありますので、目論見書のすべての記載内容、それが投資判断にとって重要であるということではないだろう。だから、分割でもよいのではないか。

一方、個人向け社債を初めとした株式や社債などにつきましては、これはまさに発行する会社自体、全体の信用力でありますから、これは部分的に、つまり三部構成化にはなじまないのではないか、そのように考えている次第でございます。


津村委員
私の持ち時間がほぼ終了したようですので、最後に二つだけ申し上げて終わりたいと思います。両方技術的なことで、技術的じゃないかな、今回の法案に即したことで申し上げるんですけれども、一つは、今の目論見書については、これは本当に現場では重要なものだと思います。報告書の中に、「名称制限の緩和、電子交付要件の簡素化など」「発行者の工夫の余地を確保しておくことが望ましい。」というふうに書かれております。法律案にはそういったことは具体的に出てきませんけれども、今後、政省令等で何らかの手当てをされる際に、極力実際に見やすいもの、名称制限ですから、まさに目論見書じゃなくてほかの言い方もできると思いますが、そういった具体的な工夫をどんどん入れてくださいということを一つ。

それからもう一つ、これは本当は時間をかけて御質問するべきことだったと思っているんですが、今回のもう一つの株式不発行の関連で、これは証券保管振替機構、いわゆる保振の仕事が、名指しではありませんけれども、ほかのところでもやりたいところは申請することはできる形にはなっていますが、実態としては、現状、保振がこれを想定されていると思われるわけですけれども、仕事がかなりふえる、仕事がふえるといいますか役割が大きくなっていく中で、やはりきっちりとガバナンスが行われているか、あるいは透明性のある運営がされているのか。株式会社化がされているわけですけれども、現状、その役員報酬も含めて非常に不透明な印象がございます。

この間、いろいろ金融庁の皆さんにも御協力いただきながら、有報等も拝見しましたけれども、なかなか情報が不十分といいますか、以前、役員の方が年収二千万、三千万、三千二百七十万円だったか、そういった数字も出ておりましたけれども、そういったことが実際にどうなのかということが確認できるような、ガバナンスあるいは透明性の強化ということをお願いいたしまして、私からの質問を終わります。


財務金融委員会 第22号  2004年4月27日(火) 午後0時42分散会 目次

津村啓介HP