| 財務金融委員会 第16号 2004年4月13日(火) 午前9時開議 | 目次 |
本日の会議に付した案件
MediaPlayer RealPlayer >09:50-
村越委員
では、実際、法案に関して質問に入りたいと思います。
先ほど私が幾つかの例を挙げて、私の実感ですけれども、我が国の金融システムというものがいまだに全くもって健全とは言えないんじゃないかと考えているわけですけれども、果たして現在金融危機なのかどうか、どのようにお考えなのかという、そもそものあたりをお聞きしたいと思っています。また、お答えがあるかと思うんですが、そのようにお考えになる根拠がどこにあるのかということをお伺いしたいと思います。これは、大臣と、民主党の法案提出者の方にもあわせてお伺いしたいと思います。
竹中国務大臣
現状における金融システムの健全性、不健全性、その認識ということでございますが、日本経済全体が依然としてバランスシート調整の途上にある、実は金融機関もバランスシート調整の途上にあると思います。
バブルのときに、非常にバランスシートが膨れ上がって、貸し付けが増大した。企業からとると過剰な債務になるわけですけれども、金融機関からとってもやはりバランスシートが非常に大きくなったということがある。その調整が実はなかなか進まなくて、一九九〇年代の後半、終盤ぐらいからようやく進み始めて、今私はその終盤に差しかかっていると思いますが、まだその途上にあるということだと思います。冒頭で委員が、日本の金融機関というのはやはり健全ではないんじゃないか、病んでいる部分があるのではないだろうかという御指摘がありましたけれども、私も、その意味では、やはり健康体ではない、まだバランスシートの調整の途上にあるというふうに思っております。
しかし、一歩進めて、ではこれは危機なのか、クライシスなのかということに関しては、これは危機をどのように定義するかにもよるわけでございますけれども、例えば、いわゆる信用不安が生じているとか、取りつけ騒ぎが起こっているとか、多くの銀行が連鎖的に何かダメージを受けて、金融そのものの信認、コンフィデンスに根本的な欠陥が生じているだろうかということになると、これはやはりそういう状況ではないのではないかと思っております。
少なくとも、まだバランスシート調整の途上でありますし、やらなきゃいけないことはたくさんありますけれども、方向としてはよい方向に今ようやくのことながら向かいつつあって、この方向を決定的なものにするということが重要な段階であるというふうに思っております。>12:40-
津村議員
民主党の提出者を代表しまして、今の御質問にお答えいたします。
今竹中大臣の方から、危機でもないが健康体でもない、黒でもないが白でもない、そういうお答えがあったわけですけれども、私たちは、そこはもう少し明快に考えなければ、現状認識ですから、これからどういう対応を打っていくかですから、認識のところはしっかりと明快なものを持っていないといけないんじゃないかなと思います。
事実に即して、根拠を示しながらということでございますので、根拠を幾つか申し上げますけれども、まず、金融庁がどう言うか私たちがどう言うかの前に、マーケットの評価として格付というものが一つあるわけですけれども、日本国債の格付というのは先進国の中でも最も低い水準に今ある。先日、実は、格付機関の方を呼んで民主党の部門会議でお話を伺ったことがあるんですが、そもそもJGBの格付がかくも低いのは、実体経済のこともさることながら、金融システムの不安をマーケットは見ているんだということを明快におっしゃっていました。今、回復の途上にあるというような大臣の御答弁がありましたけれども、しかし、格付はいまだにそういう評価にはなっていませんですね。これは事実としてあるわけです。
そうした中で、実際に昨年はりそな銀行が過少資本に陥ったり、あるいは足利銀行が破綻に陥ったというようなこともありまして、金融危機対応会議が二回開かれているという、これは金融庁さんも当然かかわった事実がございます。こういったことを私たちは根拠に、金融危機は存在しないのではなくて、現に存在するけれども覆い隠されている、そういうふうに認識をしています。
もう少し敷衍をいたしますと、金融機関が破綻するのは二つのケースがあると思います。資金繰りが行き詰まる場合と債務超過に陥る場合です。現実には、資金繰りの面では、今お越しになりましたけれども、日本銀行が超金融緩和で資金繰りを支えて、甘い資産査定や税効果会計を悪用した粉飾決算が仮にあったとしても、見せかけの自己資本比率を維持することが、環境としてそういう環境にあるわけですから、可能になっているという側面があると思います。
しかし、具体的に示すと、先日、島委員の方から数字が出されておりましたけれども、大手行の中核的自己資本、いわゆるティア1ですが、公的資金が五一%、繰り延べ税金資産が三九%を占めて、正味のティア1というのは一〇%にも満たない、たしか九・八%という数字が出されていたと思いますが、そのような状況にあります。
大手行以外の地域金融機関につきましても、金融庁さんがまとめた国内全金融機関の財務データに示されておりますように、不良債権比率の高い金融機関や多額の繰り延べ税金資産を計上している金融機関が数多くございます。また、いわゆる貸し出しの統計でも、金融仲介機能が機能不全に陥っていることは明確でございます。この五年で、約五百兆円あった銀行貸し出しが百兆円以上も激減したのがその確たる証拠ではないかと思います。
最後に、もう一度冒頭の話に戻りますけれども、小泉内閣は金融危機は存在しないと強弁をしております。しかし、竹中大臣、先ほど御自身おっしゃられたように、危機でもないけれども健康体でもない、そう言うしかないんだと思うんですが、大変わかりにくい表現であります。やはり、自民党政権が長く続く中で、小泉首相のもとでお仕事をされているとそういう言い方しかできないのかなと思いますけれども、政権交代という国民にわかりやすい政策転換の形で日本の金融行政を立て直していきたいと思っています。>16:30-
村越委員
ありがとうございます。
今いろいろと津村委員の方からお話を伺って、竹中大臣も今のお話をいろいろな思いで聞いていらっしゃったのかもしれませんが、いま一度ちょっとお伺いしたいんですけれども、健康でも不健康でもないというふうに現状をとらえていらっしゃるとすれば、一体どういう状態が金融危機なのか、私、率直に疑問に感じておりますので、金融危機の定義というものをぜひお聞かせいただきたいと思います。
竹中国務大臣
今、村越委員、津村委員から、現状について、私の立場についていろいろ御評価をいただきましたですけれども、危篤ではないけれども健康体ではない、この言い方は、私、金融担当大臣に就任してから一貫して申し上げていることでございまして、これはむしろ、なるほど実感的にはそのとおりだなという御評価を多くの方々からいただいているというふうに私自身は思っております。
金融危機とは何か。これは、危機はいろいろな危機がございますでしょうから、さまざまな局面があり得ますから、一概にその定義を申し上げることは困難でありますけれども、例えばで申し上げますと、例えばほかの金融機関の連鎖的な破綻が発生するような場合、これは危機だと思います。さらには、連鎖的に他の金融機関の資金繰りが困難となるような場合、その例としては大規模な貸し出し抑制、回収等資産の圧縮を進める動き、それが大規模に生ずるおそれがあるような場合であって、このような信用秩序の混乱によって、我が国あるいは当該地域の金融機能が不全に陥る、さらに実体経済への悪影響も懸念されるような状態、これは例えばで言えば危機の状態にあろうかというふうに思います。
一つぜひ申し上げたいのは、危機は存在するけれども覆い隠されているという御主張を何度か耳にするわけでございますけれども、そうすると、これは、覆い隠されて市場がそのことをきちっと評価できていない、マーケットは間違っている、覆い隠されているというのはそういう趣旨になるのでありましょうか。
これは、例えば、申し上げましたように、今、日本の金融・証券市場全体に対して、外資が、まさに世界のプロフェッショナルが日本経済の将来性を考えて買いに向かっている、その結果が株価の上昇にあらわれているわけであります。もちろん、繰り返し言いますが、日本の経済が万々歳であるというふうには全く思っておりませんけれども、少なくともそういう方向感で世界のプロフェッショナルは見ていただいている。それが過去一年間の銀行の株価も四倍になったというところにあらわれているのではないか。これはグレーゾーン、健康体ではないけれども危篤ではない、どちらかというと、そのグレーゾーンの中では健康体の方に少しかもしれないけれども近づいてきている状況なのではないかというふうに認識をしております。>19:50-
>24:30-
村越委員
では、肝心なところをお伺いしたいと思うんですけれども、この措置によって、本当に実際のところ融資がふえるようになるのかどうかということをまず大臣にお伺いしたいと思います。
また、民主党の提出者にあわせてお伺いしたいんですけれども、特に民主党の法案によって中小企業に対して融資がふえることになるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
伊藤副大臣
お答えをさせていただきたいと思います。
国が資本参加することによって金融機関は十分な自己資本を確保することになりますので、そのことによって、中小企業の再生でありますとかあるいは不良債権問題に対する対応、こうしたリスク対応能力というものを増大することになる、そのことを通じて金融の円滑化に資するものになるというふうに考えています。
加えて、今回の新たな公的資金制度については、国の資本参加に当たって、信用供与の円滑化等地域経済の活性化に資する方策を具体的に記載した計画の提出を求めておりまして、そして、法令等に基づく基準に基づいて厳正に審査することといたしております。
また、こうした経営強化計画の履行状況を私どもとしてはしっかりフォローアップして、そして、定期的に履行状況の報告を求めた上でそれを公表することといたしておりまして、地域におけるパブリックプレッシャーの中で金融機関が実績を上げていく、そうしたことを期待しているところでございます。
その上で、履行状況に照らして必要があると認められるときには監督上の措置を発動することが可能になっておりまして、これらの取り組みを通じて、地域における金融の円滑化や中小企業の再生が図られるものと考えているところでございます。>26:30-
津村議員
お答えいたします。
本措置によって特に中小企業向けの融資がふえるのかという御質問でございますけれども、私たちは、金融機関に中小企業向け融資の数値目標だけをぽんと課しても、それによって直ちには融資がふえるとは限らないという、まず最初に認識を持っています。
実際、九九年の三月ですけれども、大手行に対して総額七・五兆円の資本注入が行われたにもかかわらず、先ほど御紹介いたしましたけれども、その後五年たちましても銀行貸し出しはむしろ減り続けている、百兆円規模で減り続けております。厳格な資産査定と十分な引き当てを行うことなく、本当に経営を健全化しなかったことが、その原因、主因だと思っています。
その結果、金融機関がリスクをとる能力を回復しなかったわけでありますけれども、日本銀行の先輩でもあります自民党の塩崎恭久議員が、かつて、健全な銀行をより健全にするという国家的なフィクションであったと述懐をされていますけれども、まさにそのとおりであったと思います。
厳格な資産査定と十分な引き当てを行いまして、見せかけの数字を引き上げるのではなくて、本当に経営を健全化すれば、中小企業向け融資はむしろふえていくはずです。金融機関にとって利ざやが薄く、直接金融による資本調達も容易な大企業に対して貸し出しをするよりも、中小企業向けの融資をした方が利ざやがとれるという現実もあります。
民主党金融再生ファイナルプランを実行すれば、金融機関に対して緊急一斉の検査を実施いたします。それによって金融機関が本当に健全化をすれば、リスクをとる能力を回復し、中小企業向け融資が必ずふえると断言できると思います。>28:20-
>30:00-
村越委員
今の、中小企業に対して融資をふやすための具体的な目標を定める規定が盛り込まれているのかどうか、大臣と民主党の提出者の方、双方にお伺いしたいと思います。
伊藤副大臣
私どもとしましては、この新たな公的資金制度において、資本参加を受けた金融機関に対して、金融機能の具体的な発揮を求める観点から、リレーションシップバンキングの機能強化、このアクションプログラムを以前公表させていただいたところでございますけれども、その整合性を含めて、先ほどお話をさせていただいたように、信用供与の円滑化のための方策等経済の活性化に資する方策について、その進捗が評価できるような指標も含めて経営強化計画に記載されることが適当である、こういうふうに考えているわけであります。
そして、この中で、具体的に信用供与の円滑化のための方策として、組織、体制の見直しでありますとか、あるいは顧客ニーズに対応した商品の充実でありますとか、あるいは取り組み姿勢の強化などについて、方策の進捗が外部から評価できるような指標も含め具体的に記載を求めているところでございまして、さらに、経済の活性化に資する方策としては、リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの考え方を踏まえて、創業、新事業支援機能強化でありますとか、取引先企業に対する経営相談あるいは支援機能の強化、そして早期事業再生に向けた取り組みなどについて、これらの方策の進捗が外部から評価できるような指標を含め具体的な記載を求めているところでございます。
このような形で、中小企業貸し出しというものを健全にふやしていくためには、ある意味では、地域経済というものを活性化していく必要があります。地域経済を活性化していくためには、これは多面的な取り組みが大変重要でありまして、したがって、一面的な指標を課すのではなくて、今御説明をさせていただいたようなさまざまな方策をとることによって、そして、結果として健全な中小企業貸し出しというものをふやし、地域経済の活性化や中小企業の再生に資するような、そうした形を図っていきたいというふうに考えているところでございます。>32:40-
津村議員
お答えします。
私ども民主党も、伊藤副大臣がおっしゃるように多面的な取り組みが必要だと思うんですが、同時に具体的な取り組みも必要だと思います。
二つの点で私どもは政府案に比べまして具体的な取り組みを持っているわけですけれども、一つは、民主党金融再生ファイナルプラン関連法案の一つに早期健全化法の改正案がありますけれども、この第五条一項の第四号に「資金の貸付けその他信用供与の円滑化のための方策」というものを定めることを義務づけておりまして、こうした法律の形でしっかりと定めていくことがまず重要であろうと考えています。
政府案では、これを計画の提出と厳正な審査という、わかったようでわからないような決め方になっているわけですけれども、前回、九九年三月の資本注入の際に比べて決め方がトーンダウンしているというか、そういう印象はどうしてもあると思います。国の課題として、国策的な課題として、中小企業向け融資の拡大というのが、当時に比べて政策ニーズとしてむしろ高まっている、強まっている時期にあって、どうしてトーンダウンするのか、その方向感覚が私どもとしてはよくわからないところです。
そして、先ほども申し上げたとおり、これは数字として定めるだけじゃなくて、厳格かつ一斉の緊急検査というものの裏づけがあって初めて実効性を持つものだと思います。そういったところも金融庁、政府案では不十分ではないか。私たちが自信を持ってこの法案を提出している背景でございます。>34:30-
村越委員
それから、その目標に達しなかった場合の罰則規定があるのかどうかということも、大臣それから民主党の提出者の方にあわせてお伺いしたいと思います。
伊藤副大臣
先ほどお話をさせていただいたように、今回、この制度を利用するに当たって、申請する金融機関に対しては、信用供与の円滑化等地域経済の活性化に資する方策、こうしたものを求めているわけでありますが、この中で、地域の実情や当該の金融機関のビジネスプランによっては、企業再生に重点を置いて貸し出し以外のさまざまな対応を考えていくということもありますし、また、経営の細部にわたって厳格に結果責任を求めることは、結果として経営の自由度というものを大きく奪うことになります。
したがって、経営改革が阻害されることになりかねないことから、経営強化計画において、その一律な目標を課すのではなくて、多様な方策の記載を求めているところでございまして、経営の子細の過度な干渉を避ける観点から、結果責任の枠にはなかなかなじまないものではないかというふうに考えているところでございます。>36:00-
津村議員
私どもの答弁をさせていただく前に、政府案への感想ですけれども、今の御答弁というのは、経営の自由度のことを強調する余り、モラルハザードを防止するというもう一つの非常に重要な点について見落とした御答弁ではなかったかと思います。
私どもの法律案ですけれども、早期健全化法の第十九条二項に、読み上げますけれども、「金融再生委員会は、被引受け実施金融機関等に対し、協定銀行が取得株式等又は取得貸付債権の全部につきその処分をし、又はその返済を受けるまでの間において、第五条第一項に規定する経営の健全化のための計画が履行されていないと認めるとき又は協定銀行が保有する優先株式に対する利益若しくは協定銀行が有する優先出資に対する剰余金の配当を確保することが困難であると認めるときは、当該被引受け実施金融機関等の取締役(銀行以外の被引受け実施金融機関等にあっては、理事長、副理事長又は理事)の解任を命ずることができる。」と明確にこの経営責任について言及をしております。
また、長いですのでもう読みませんけれども、結果が出ていない途中の段階にありましても、経営健全化計画の履行を確保するため、銀行法等の定めるところにより、必要な措置を命ずることができることを同条の第一項に定めております。>37:30-
>46:20-
村越委員
それでは、民主党案では公的資金の注入に至った経営者の責任をどのように追及しているのか、その点に関してお答えいただきたいと思います。
津村議員
遠方よりお越しになりまして質問を待っていらっしゃる方もいらっしゃいますので、端的にお答えします。
こうしたケースは、やるやらない、どちらも理由をつけようと思えばあると思うんですね、経営責任をとらせるということについて。先ほど増井局長がおっしゃられたのはやらない理由をいろいろおっしゃられたと思うんですが、やる理由としては、モラルハザードをしっかりと防止する、そして国際金融マーケットの信頼をしっかりとかち得るということが重要なわけで、そういった観点から、私たちは、早期健全化法の第三条第一項三号、それから第六条一項二号に、それぞれ早期健全化のために講ずる施策の原則として、金融機関の経営責任及び株主責任の明確化、そして代表取締役の退任など経営責任を明確にするための措置をとることを明確に義務づけております。>47:30-
| 財務金融委員会 第16号 2004年4月13日(火) 午後5時26分散会 | 目次 |