| 財務金融委員会 第15号 2004年4月9日(金) 午前9時30分開議 | 目次 |
本日の会議に付した案件
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谷川委員
それでは、民主党の五十嵐先生にお尋ねします。
竹中大臣は、ことしの一月十二日に金融財政事情という雑誌でこんなふうに述べています。「監査法人による監査と金融検査なり監督の役割や位置付けは整理されているのか」という質問に対して、ルールは非常に単純明快だ。イ、「私達の社会は会計制度というインフラをもっている。」ロ、「一般に公正・妥当と認められる会計慣行に基づいて、企業が責任をもって決算を行い、それを独立した監査法人が監査する。」ハ、「加えて、当該監査の独立性が重要であり、〇三年の公認会計士法改正も独立性を高める内容が盛り込まれた。」ニ、「そうした会計インフラを前提にして、金融行政はルールに基づいて事後的に検査・監督を行っている。企業決算の実勢や会計士の独立性は尊重する。」最後に、「それぞれの役割について社会全体の信認を得ていくためには時間がかかるかもしれないが、そのことはこれからもしっかりと訴えていきたい。」こういうふうに言っているんです。
公認会計士の監査も金融庁の検査も信用できない、それは、どういうことを根拠にそういうふうにおっしゃっているのか、銀行は粉飾であるという根拠は何か、二点についてお尋ねします。>17:50
津村議員
谷川委員の御質問にお答えいたします。
まず、冒頭申し上げておきたいわけですけれども、私どもは、現場で監査に当たっております公認会計士の方々や、あるいは過密なスケジュールの中で第一線で働いている金融庁の検査官の方々の実務能力を信頼していないわけではございません。そのことをまず冒頭申し上げたいと思います。
私たちが不信感を隠せないでおりますのは、過去の金融行政を振り返ったときに、随所にかいま見られる、金融庁の恣意的な行政手法となれ合い体質でございます。このことは、実績を見れば明らかかと思います。
例えば、昨年の五月に、過少資本に陥りまして二兆円の公的資金投入が決められたりそな銀行について、金融庁は、そのわずか二カ月前の昨年三月に、旧あさひ銀行と旧大和銀行の合併を最終的に認めたという経緯がございます。これは普通に考えれば、直前まで健全銀行だと太鼓判を押していたということと受けとめられると思います。しかし、金融庁幹部がりそな銀行の粉飾決算を認めるよう監査法人に圧力を加えたという見方も出るに至っては、金融庁と監査法人に対する信頼性は完全に失墜したと言わざるを得ません。
また、もう一つ例がございますが、昨年十一月に破綻した足利銀行につきましても、自己資本比率が四%以上あるという三月期決算を監査法人が承認し、金融庁も、すぐに検査に入ることなくそれを黙認していたという事実もございます。
改めて申し上げますが、監査法人の監査の信頼性が低いと申し上げるのは、監査法人を責める趣旨ではございません。りそな銀行の件で金融庁幹部による圧力の疑いがあることでも明らかなように、金融庁が恣意的な行政を行っていることに根本的な問題がある。さらには、金融庁検査局も実際には厳しい検査を行っているわけですが、問題は、監督局によるなれ合い体質にあるという指摘も専門家の間で聞かれております。私たちは、日本の金融行政の信頼回復のためには、こうしたなれ合い行政をやめること、そして検査監督を厳格かつ透明なルールのもとで行う日本版SECの設置をすることが必要であると考えております。
最後に、私の意見ですけれども、海外のマーケットを含む国際的な信頼の回復、日本の格付も引き続き低いわけですけれども、こうした海外の投資家の目を意識した日本の金融行政の信頼回復の政策が必要だと思います。公的債務が一千兆円に上るというこの時代にありまして、今後の国民の利払い負担その他を考えたときに、海外の投資家の視点をよく意識しながら、こうした透明性の高い金融行政の立て直しを図っていくことが必要であると思います。>20:40
五十嵐議員
五十嵐でございます。谷川さん、御質問ありがとうございます。
銀行が粉飾ないし粉飾まがいのことをしてきたというのは、今、同僚の答弁者、津村さんの方から、りそなのケース、足利銀行のケースを御説明しましたけれども、それ以外にも、今までにもさんざん当委員会で指摘をさせていただきました。
公認会計士協会の会長通牒による、繰り延べ税金資産の、どこまで認めるかという枠についても、非経常的なことが起きれば、これは複数年、五年まで認めるよ、しかし、経常的な中だったら一年しか認めないというのが原則だという状況であったにもかかわらず、実はみんな五年以上、五年を計上してきた。五年というのも、これは将来の収益見通しを非常に過大に見積もりまして、実質的には、過去、直近の数年間の平均の業務純益の十年分以上あるいは九年分とか八年分とか、そういう繰り延べ税金資産を計上してきた大手の銀行がたくさんあるわけです、まあ、大手に限らず。これは粉飾以外の何物でもない、こういうふうに私は思うわけであります。
この繰り延べ税金資産も一つのテクニックですし、資産査定をそもそも甘くして引当金を少なくするというのも横行してきたことであります。
私が、当委員会で前大臣の柳澤大臣に、逆算主義が横行しているじゃないですかということを言いました。業務純益の範囲内、体力の範囲内で不良債権を償却してくるという逆算がまかり通ってきたじゃないか、こういうことを私が指摘したら、柳澤大臣ははっきりと、答弁の中ですが、そうなんです、その逆算主義というのが問題なんですよという答弁をちゃんとしているんですよ、実は。政府側が、そのような粉飾まがい、粉飾決算というのは事実上あるんだということを認めているわけですね。
それからまた、先日、当委員会で私が指摘をいたしました、三井住友銀行の西川頭取のところに悲観リスク、悲観シナリオというのがあって、こっちが本音であって、表に出ている決算は表向きの数字であって、悲観シナリオなるものが本当ではないのか、これは実は金融庁がつくりなさいといってつくらせた資料ではないのかということを追及させていただきました。そのときに西川頭取のお答えが、いや、悲観シナリオというのは実はそのとおりあったんです、ただ、時点が少し古かったので、古い資料を私が提示したので、その後、引当金を積んで十分直していますからというような答弁だった。しかし、私は、そうではないんではないか、さらに粉飾の疑いがあるんではないか、引き続き当委員会でこの問題を追及し、考えていきたいということを申し上げました。
幾らでも、銀行が粉飾をしているのではないか、あるいは、もう仕組み的に粉飾のしやすい仕組みに我が国の金融業界、金融行政はなっているんではないかということは、指摘を何度も、たびたびさせていただいたところでございますので、御理解をいただきたいと思います。>24:30
村井(仁)委員
(略)
一斉検査ということを非常に大事な柱として立てていらっしゃいますよね。ことしの九月までに全金融機関に対して緊急一斉検査を行う。こういうことになりますと、金融機関が検査を受けることは、御案内のとおり、大変なことなんですよね。これは非常な負担を受ける上に、さらに金融機関も短期的な貸し渋り、貸しはがしを惹起しまして、全国の善良な借り手に深刻な影響を及ぼす。これによってもたらされる国民経済的なコスト、これは私は非常に大きいと思うんですね。
一体、こういう緊急一斉検査を行う意義をどんなふうに説明なさるんですか。私は、九月までに検査をやるなんて極めて非現実的だと思いますよ。一体、今の検査担当者の能力、それから受検する側の能力、冷静に考えて、そんなことできますか。>11:40
津村議員
村井委員の御質問にお答えしたいと思います。冒頭、私ごとですけれども、私自身、実は議員になる前は日本銀行の考査局というところにおりまして、日銀の実地考査を一年ほどやっておりました。その経験も踏まえて申し上げたいと思うんですけれども。
まず冒頭、基本的なことですけれども、遂行すべき政策目標とその実行手段を混同してはならないと思います。
私たちは、緊急一斉検査が、国際的なマーケットへのメッセージも含めて非常に重要な金融行政の転換といいますか強い意思表明になるということを強調したいわけですが、それと話を分けまして、実行手段の部分に絞って私から申し上げますと、これはいわば経済有事ともいうべき危機管理の事例だと思います。政治の決断によって、こういった場面で予算をしっかりと確保して、人材をしっかりと増強して、必要な措置を断行する、こういったことこそがまさに政治家の役割であると私は思います。
少し具体的に申し上げますが、ノウハウを持った人材ということであれば、繰り返しになりますけれども、日本銀行の考査局や各地方支店にも数百人単位のこうした経験、ノウハウを持った人材がおりますし、また民間にも貸し出しの審査をしている部署というのは、貸し出しをしている民間金融機関、あらゆるところにいるわけですから、そういう方々、あるいはOBとか、現役の方でもいいかもしれませんけれども、そういった人材をどう生かしていくか、そういったことも政治の決断としてあり得ると思います。
また、これは余り具体的には申し上げられませんけれども、金融庁の第一線の検査官というのは、実際には日ごろからかなり丹念に実態把握を、これは金融庁の皆さん努力されているわけですから、情報やあるいは審査のノウハウというのは、急にどたばたするというようなことではなくて、どこにポイントがあるのか、あるいは通常の検査であればいわゆる支店の事務も含めてすべてを検査するわけですけれども、ここで問題としているのは資産の査定の問題ですから、ポイントを絞ってやっていくというノウハウもあると思います。
最後に、繰り返しになりますけれども、本当に大切なのはマーケットへのメッセージであり、また金融庁の検査官の方々も含めた優秀な人材あるいは有益な情報を有効に活用して日本の金融行政の透明化を図るということだと思います。体制が整っていないことを口実に問題を先送りしていては、問題はいつまでたっても解決しないと思います。>14:20
村井(仁)委員
私は余りプロを相手に議論をする能力が率直に言ってありませんから、津村先生のように、日銀で考査という大変大切な仕事をなすった、日銀の取引先としての銀行とよく話し合ってどういうビヘービアで融資をしているんだというようなことを随分吟味なすった、そういう御経験をお持ちの方のお話はお話としてわかります。
ただ、これは非常に大変な問題、マーケットに対するメッセージとおっしゃいましたけれども、ここで一斉検査を実施するというのは、これは私は五十嵐先生にお伺いしたいんだが、金融問題の最終的な解決につながるんだ、こういう志は壮とするに足るのかもしれないが、緊急一斉検査なんてどこの国でやっていますか。そういう異例なことをやったら、外国に対するメッセージは、外国の投資家に対するメッセージというのは、日本の金融システムはよっぽどおかしいんだ、こういう誤認ですよ、あるいは外国人投資家の信認が失われて、やっと外国人投資家が日本の株式市場に帰りつつあるわけでしょう、そういうときに株式市場のクラッシュを招いたり、あるいは現実に存在しない金融危機をみずからつくり出す、私はそういうことになると思いますよ。
(略)
村井(仁)委員
(略)
各金融機関とも、厳正な内部管理体制の構築だとか信用データの蓄積だとか、あるいは信用格付の整備ですとか、いろいろなことで努力しているんですよ。そういう意味で、引き当ての仕方というのは非常に進んできているんですよね。そういうところの評価というのを一体どういうふうに考えていらっしゃるんですか。
私は、もっと言うと、民主党案のような実態と乖離して一律の引き当てを金融機関に強制するなんというやり方をしますと、せっかくこうして精緻なリスク管理をやろうとしている金融機関のインセンティブを損なうことになる、結果的には金融機能の健全化に向けた取り組みというものが阻害されることになると思うんですよ。その辺、どんなふうにお考えですか。>25:20
津村議員
村井委員の御質問にお答えいたします。
私は、この問題、どのぐらいの枠組みで物事を考えるかということが一つのポイントかと思うんです。金融界の、金融村の内輪で議論をするのであれば、余りがちがちやらないでくれ、かえって解決策への選択肢を狭めるよ、そういう議論ももしかしたら一部にはあるかもしれませんが、しかし、やはりこれは、先ほど国際金融マーケットということも言いましたし、国民のチェックの目という面もあるわけで、広く問題をとらえたときには、金融行政の透明性を高めるということの方がより重要なテーマではないか。これは、私ども民主党、一貫して訴えてきていることだと思います。
金融機関ごとに事情が異なることを口実としましてルールの運用を恣意的に変えるという、恣意的な行政というイメージも非常によくないものですし、また、金融行政が極めて不透明なものであるという印象を国民にもマーケットにも与えます。また、印象だけでなく、実際にそういう実態も生まれてしまうわけです。例えば、厳格な資産査定と十分な引き当てを行った上で必要な額の資本注入を行うという基本的な手順を踏まなかったばかりに、九九年三月の総額七・五兆円もの公的資金を投入した際にも、実際に問題の解決には至らなかったということではないかと思います。
私の持論でございますので繰り返させていただきますけれども、金融行政の透明性を高めて、一つには国際金融マーケットに明確なメッセージを発すること、そして二つには、金融庁、日銀、民間も含めた日本の金融セクターの人材、情報、これを十分に活用すること、この二つを通じて日本経済の持続可能な安定を求めることが、日本の国益につながる政策だと私は思います。>27:10
村井(仁)委員
いや、せっかくの津村先生の御答弁でありますけれども、私の問題意識にどうもお答えになっていらっしゃらないように存じます。いずれにいたしましても、そういう根本的な欠陥がある御提案ではないかということを申し上げます。
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島委員
(略)
次に、資料の一でございます。自己資本比率の問題でありますが、私ども民主党の方で独自の「大手行の正味自己資本比率」というのをつくりました。
自己資本というのには、いわゆる税の、税効果と、公的資金というのがございますが、グラフだけ見ていただければいいんですけれども、これだけ全体で大体自己資本も充実してきたと言うんだけれども、公的資金といったら、これは税金であります。税効果というのもいわゆる税金であります。そうすると、九・八%しか正味ティア1というのはないわけであります。
ということは、この上の表を見てもらいますと、上の表の右から二つ目の正味自己資本比率というのを見ると、みずほなんか〇・三六とか、UFJ〇・七〇とか、正味自己資本比率からすると非常に少ない、これではとてもじゃないけれども金融機能が回復したとは思えないというのが私どもの主張でございますが、それにつきまして伊藤副大臣にお答えいただいて、その後、中塚ネクスト副大臣にそれに対してのコメントをお願いしたいと思います。お願いします。
伊藤副大臣
(略)
それから、正味自己資本についてのお話がございました。これは島委員指摘のものだというふうに思いますが、そもそも自己資本比率というのは、これはバーゼル委員会の合意を踏まえて、その国際的なルールの中で客観的な指標というものが決められ、そして、銀行の健全性を図る上で最も重要な指標だというふうに言われているところでございます。
そして、その資本の質の問題については、金融再生プログラムの中でも私どももその資本の質を向上していかなければいけない、そういう問題意識を提示させていただき、その取り組みについても明らかにさせていただいているところでございますが、島委員指摘の正味自己資本といった独自の計算、こうしたものをもって評価することについては、その自己資本比率を計算する上で定義されている自己資本が、銀行の抱えるリスク、こうしたものを吸収する基盤として国際的な合意を踏まえて定められていることにかんがみると、必ずしも適切なものではないんではないかというふうに考えているところでございます。
中塚議員
(略)
自己資本比率の問題については、津村委員がお答えをいたします。>55:30
津村議員
島委員の御質問の中で、自己資本比率に関連する部分につきまして答弁をさせていただきます。
先ほど島委員から配付されました資料一を拝見いたしましても、大手行の自己資本比率は、公的資金が五〇・九%、そして繰り延べ税金資産が三九・三%ということで、正味の自己資本は九・八%、一割にも満たないということでございます。そして、もちろん公的資金はいずれ国に返済しなければならないものでございますし、また、繰り延べ税金資産は過大計上されているという指摘もあります。こうした実態を見れば、金融システムがまだまだ脆弱であるとの御指摘は、まことにごもっともであると思います。
そして、一言これは申し添えたいんですけれども、こうした数字の見方なんですが、マーケットはこれを非常に厳しく見ていると思います。これは、甘く見る方と辛く見る方といろいろな方がいるように思いますが、マーケットは非常に厳しく見ていると思います。彼らは、役人やあるいは一部の金融機関のように終身雇用の中で働いているわけではありません。多くの方が、損を出したり、あるいは見方を誤ればその責任をとって一年、二年でマーケットを去っていく、そういうシビアな世界におりますので、大変こういった数字についてはリスクに敏感といいますか、厳しく見るわけですね。
そうした中で、日本の国債の格付が今非常に厳しく見られている。先ほども少し申し上げましたけれども、日本の公的債務が一千兆円という規模になっている。これから、先ほどいらっしゃいました谷垣大臣やあるいは竹中大臣とも場合によっては議論させていただかなければいけないと思っておりますけれども、これからの日本の財政を考える上で、公的債務管理の問題あるいは国債管理の問題、大変重要になってくる。そうした中で、国民の負担を少しでも減らしていくためには、しっかりとこうしたところで金融システムの強化に対する行政の姿勢、政府の姿勢、政治家の姿勢を明確に示していくことが極めて重要であると思います。そうした観点からも、金融行政の透明性を高める民主党金融再生ファイナルプラン関連法案の成立と速やかな実行が必要と考えております。>58:40
島委員
政務官がいたら、政務官に今の津村さんのコメントをしてもらいたいぐらいな立派な答弁でした。御苦労さまでした。
(略)
| 財務金融委員会 第15号 2004年4月9日(金) 午後0時2分散会 | 目次 |