| 本会議 第13号 2004年3月11日(木) 午後1時3分開議 | 目次 |
本日の会議に付した案件
MediaPlayer RealPlayer >24:40
〔津村啓介君登壇〕
津村啓介君
民主党の津村啓介です。
永田寿康議員の格調高い御質問に、二つの点でお答えいたします。
まず、自民党政権による金融機関の破綻処理をどのように評価しているのかという御質問についてです。
私たち民主党は、与野党を超えた多くの国会議員の皆さんの努力によって築かれた本来あるべき金融再生スキームが、実際には正しく運用されず、結果として国民に多くの負担を強いたと考えております。
例えて言えば、せっかく性能のよい、よく走る車をみんなでつくったのに、肝心のドライバーが酔っぱらい運転をして、車を壁にぶつけたり谷に落としたりして、目的地にたどり着けないまま、その車までもぼろぼろにしてしまった。自民党政権下における金融破綻処理は、そんなみじめな姿になっているのではないでしょうか。(拍手)
具体的に申し上げます。
旧長銀は、金融再生法に従って一時国有化され、外資の投資ファンドに売却されました。旧長銀処理に要した費用は八兆円にも上ります。
なぜこのような結果になったのか。
第一に、政府は、旧長銀の不良債権を厳格に分離せず、多くの不良債権を残しました。その結果、買い手は一向に見つからず、民法の瑕疵担保の法理を悪用した、いわば不平等条約ともいうべき瑕疵担保特約をひねり出さざるを得なかったわけです。瑕疵担保特約は、買い手の側に、貸しはがしをして債務者を追い込み、国かほかの銀行に肩がわりをさせた方が得だというインセンティブを与えます。現実に、新生銀行はこうした論理で大規模な貸しはがしを実践したとも言われております。
第二に、旧長銀の売却を急ぎ過ぎたことも問題です。
売り急げば買いたたかれるのは、市場原理、マーケットメカニズムの基本中の基本であり、子供にもわかる理屈です。国際金融マーケットの専門家を相手に、足元を見透かされるような拙速な売却を行った結果、瑕疵担保特約だけでなく、株式含み益二千五百億円をもお土産につけて、政府は旧長銀をわずか十億円でたたき売ってしまったのです。
日本銀行のマーケットセクションにおける私自身の経験に照らしましても、こうした取り組みは、東京マーケットを世界に冠たる国際金融市場として育成し、日本の金融産業の国際競争力を高めていくという、橋本元総理が主導されました金融ビッグバンの流れに水を差し、JGB、日本国債の発行主体としての日本政府の信用力にも影を落とすものと考えます。(拍手)
第三には、売却先が外資の投資ファンドであったことです。結果として、我が日本の国の富を失ったとも言え、しかも、売却選定に当たっては、不透明な話も取りざたされました。日本の国益を損ねたのではないでしょうか。民主党政権ならば、このような結果にはならなかったと断言します。(拍手)
不良債権を厳格に分離すれば、瑕疵担保特約は必要ありません。したがって、新生銀行の貸しはがしを招くこともありませんでした。一時国有化したまま銀行再生を進め、企業評価を高めたところで株式を再上場し、株式をマーケットで売却していけば、大きな売却益を得ることができ、損失を最小限にして国民の負担を軽減することができたはずなのです。
次に、もう一つの御質問であります公的資金を注入された金融機関の信用供与における数値目標について、私たち民主党の考え方をお答えいたします。
国民のお金である公的資金を投入することが正当化されたのは、金融システムが国民経済にとって極めて重要であるからです。とりわけ、預金者を保護することと金融仲介機能を維持することが公的資金投入の二つの大きな目的だったはずです。したがって、資本注入と引きかえに中小企業向けの融資拡大を義務づけることは、当然のことであります。
九九年三月の資本注入の際には、中小企業向け融資の拡大が義務づけられました。しかし、二〇〇二年三月期には、UFJグループが計画比マイナス二・五兆円、りそなグループが計画比マイナス一・七兆円となるなど、大幅の未達事例が相次ぎました。さらには、二〇〇二年九月期において、みずほグループが計画比マイナス五兆円となり、さすがに金融庁も業務改善命令を出さざるを得なかったわけです。
健全銀行をより健全な銀行にして中小企業にお金を貸させるというのが政府の説明だったはずですが、もともと不健全な銀行を一息つかせただけだったことがこのような結果を招いたのです。(拍手)
政府案では、信用供与の円滑化に資する方策を経営強化計画で定めることを義務づけてはいても、中小企業向け融資の数値目標は全く義務づけられておりません。つまり、鉛筆をなめて絵をかき、こういう方法でやりますという計画さえ作文をすれば、計画が絵にかいたもちに終わっても直ちに責任が問われないということであります。
このようなやり方では、一部銀行が公的資金をいわば食い逃げすることを許してしまい、本来の目標、ゴールであったはずの金融仲介機能の円滑化、さらに言えば、中小企業向け融資の拡大を実現することはできません。
政府案の根本的な矛盾として御指摘をいたしまして、提出者としての私からの答弁といたします。(拍手)>32:00
| 本会議 第13号 2004年3月11日(木) 午後2時18分散会 | 目次 |