安全保障委員会 第4号  2004年11月11日(木) 午後2時31分開議 目次

津村啓介HP


本日の会議に付した案件


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小林委員長
次に、津村啓介君。


津村委員
民主党・無所属クラブの津村啓介と申します。

本日、この臨時国会におきまして、新任大臣に初めて質問させていただきますので、冒頭、政治姿勢にかかわる四つの質問をさせていただきたいと思います。大野長官、今津副長官、北村、柏村両政務官に御答弁をいただければと思います。

まず、さきの通常国会では、いわゆる年金未納問題が大変大きな議論を呼んだわけでありますけれども、長官、副長官、各政務官の年金納付状況について御教示ください。


大野国務大臣
私は、自由民主党年金制度問題調査会長をやっておりまして、与党の年金改革協議会の座長もやっております。お答えは十分かと思いますが、念のため、年金にはずっと加入いたしております。


今津副長官
平成六年か七年、どちらかだと思いますけれども、一カ月だけ国民年金未納になっております。私なりに、どうして一カ月だけ未納なのかなということを調べてみましたけれども、社会保険庁でもわかりませんし、市役所の方でもわかりませんでした。


北村長官政務官
お答えいたします。
年金の未納の期間はございません。


柏村長官政務官
お答えします。
年金未納はございません。


津村委員
続きまして、郵政の問題について端的に御質問いたします。

今回の内閣改造につきましては、郵政民営化を実現するための内閣というような言い方を小泉さんもされているようですが、郵政民営化問題に対する長官、副長官、そして両政務官の御所見をお聞かせください。


大野国務大臣
郵政民営化につきましては、内閣の方針に従って対処してまいります。


今津副長官
法案の中身等を勉強して判断したいと思っております。


北村長官政務官
内閣の方針に従って対処してまいります。


柏村長官政務官
内閣の一員ではありますが、国民の側に立って、どこがよくてどこが悪い、きちんとこれから議論に参加したいと思っております。


津村委員
内閣の一員として、結果が出た後にそれに従ってというのは当然だと思うんですが、その一員として、まさに議論に参加する際のスタンスをお聞きしているつもりです。

どういうスタンスで議論に参加をされるのか、その途中経過にかかわる姿勢についてお聞かせください。


大野国務大臣
この場でお答えするのが適当かどうか知りません。しかし、一つは、金融システムの中で、膨大なる郵便貯金あるいは簡易保険のお金がどういうふうに吸収されていくのか、どういうふうに有効に使われていくのか、これはきちっと回答を出していかなきゃいけないと思います。また、郵便局は国民生活の一部になっている部分があります。例えば山間地域でおばあちゃんが年金をもらうのに郵便局しかない、こういう場合もあるかもしれない、あろうと思います。そういう場合に、どういうふうな解決策があるのか、私の関心はそういうところでございます。


今津副長官
昨年の選挙のときは、私は郵政民営化反対ということを明確に言いましたね。そして、選挙に臨みました。今、内閣の一員になったものですから、それで大変困っております。


北村長官政務官
我が党内でもいろんな意見がありますし、部会、調査会、小委員会等の議論には私なりに十分参加をして、勉強させていただいているつもりであります。

地元あるいは選挙区あるいは県内、いろんな意見がありますし、そういったことにつきましても自分なりに把握をしながら、先ほど質問者もおっしゃられるように、最終的に内閣の方針が決まるというふうなことになったときは従うが、その間いろんな議論をしていくことに参加はしていくということであります。


柏村長官政務官
私も、もうなくなりましたが、郵政特命委員会の方は勉強のために出席をさせてもらっておりました。

民営化のいい点、悪い点、そして公社化が決して悪くない、いい点もあると思います。そういったことを、さっきも言いましたように、国民の皆さんの目線の上に立って、何がいいのか、何が悪いのかをこれから突き詰めて一生懸命考えていきたいと思います。
以上です。


津村委員
皆さんのお人柄がにじみ出た御答弁をいただけたと思います。

自民党内に郵政事業懇話会というものがあるやに伺っております。こちらに御参加をされていますでしょうか。


大野国務大臣
一議員として、いっぱい議員連盟がございます。一つ一つそういう一議員のことについてお答えするというのはいかがかと思いますので、お答えを差し控えさせていただきます。


今津副長官
恐縮なんですが、郵政事業懇話会、これは何ですか。ようわからないので聞いているので。たくさん、いろんなグループがあるんですよ、勉強会、議連が。ですから、時として間違ったら大変失礼なものですから。どういうものですか。(津村委員「綿貫さんが会長を務めていらっしゃるものですけれども、御存じないのであれば結構です」と呼ぶ)そうですか。


北村長官政務官
私は、郵政事業懇話会には参加をしていない。
以上です。


柏村長官政務官
私、まだ一回も出ておりませんが、調べてみたら、去年の十一月に入っておりました。


津村委員
いわゆる迂回献金と呼ばれるもの、そして旧橋本派からの献金の有無について伺いたいと思います。


大野国務大臣
一切ございません。


今津副長官
私は、橋本先生のグループに所属いたしておりますので、毎年大変ありがたい献金をいただいております。


北村長官政務官
いわゆる迂回献金というものをいただいたことはございません。


柏村長官政務官
そういうたぐいのものは一切いただいておりません。


津村委員
それでは続きまして、いわゆる安保防衛懇の報告書について御質問いたしますので、副長官、そして両政務官につきましてはもう御質問いたしません。結構です。

本年十月に公表されました、小泉首相の私的諮問機関でございます安全保障と防衛力に関する懇談会、いわゆる安保防衛懇の報告書におきまして、新たな安全保障・防衛力ビジョンとして、基盤的防衛力から多機能弾力的防衛力への転換がうたわれており、この中で統合的安全保障という概念が示されております。

報告書では、今後目指すべき日本の安全保障は、「1、日本自身の努力、2、同盟国との協力、3、国際社会との協力という三つのアプローチを適切に組み合わせることによって、自国防衛に備えるとともに、国際的安全保障環境の改善を図る、そのための統合的な方策ということになる。」そういった形で触れられておりますけれども、具体的に述べられておりますのは、この報告書のどこを見ても、いわゆる狭義の安全保障、端的に言えば、軍事力の、軍事的な側面ばかりを取り上げておりまして、わずかに「人間の安全保障」という言葉が多少紹介されているにとどまっているように拝読しております。資源、食糧など、いわゆる経済的な安全保障、あるいは予防外交といった視点がほとんど触れられていないのが特徴かと思います。

多少古い話ですけれども、一九八〇年、京都大学の高坂正堯教授らを中心にまとめられたとされております総合安全保障研究グループの報告書では、国民生活をさまざまな脅威から守るとの立場から、狭義の安全保障と経済的安全保障を区別し、エネルギー面あるいは資源面、食糧面、そういったものと並べて、予防外交の必要性あるいは大規模な地震などを例にとった危機管理体制のあり方までもが触れられております。

十年後、二十年後の日本を見据えたその先見性に改めて目をみはるわけですが、テロや大規模災害を念頭に置いてこれから二十一世紀の安全保障戦略を考えていこうというこのときに、今回のこの報告書ではそういった視点が欠けているのではないかと思います。短く申し上げますと、今回提示された統合的な安全保障の概念設定が従来の総合安全保障の思想から大きく後退をしているのではないか、狭義の防衛力のみを議論しているのではないかということであります。

恐らく、議論のどこからか、これは防衛庁の仕事として議論をしている、非常に狭い枠の中で議論をしているように思いますが、総合安全保障的な視点でこれから防衛大綱の見直しの作業を進めていかれるお考えはありませんか。大野長官にお尋ねします。


大野国務大臣
安全保障というのは、狭義、広義、いろいろな見方があると思います。先生おっしゃっていましたとおり、外交もそうだし、もちろん人的交流ですね。私は、自民党の外国人留学生問題特別委員長というのをやっておりましたけれども、まさに若い人の交流というのは未来からの大使を育成していく、養成していく、こんな意味で、大変平和の礎になるんだ、こんな思いで務めさせていただきました。また、経済的つながり、資源の問題、いろいろな意味で安全保障問題というのはとらえていかなきゃいけない。これはもう、先生のお説と全く同感でございます。

ただ、防衛力を考える場合に、どういう面から考えていかなきゃいけないんだろうか。特に、新しい安全保障環境の変化に応じて日本の防衛力をどう考えていくか。そういう意味で、そこに絞って今回の懇談会はレポート、報告書を書いてくれたんだと思っています。

でも、その中で、やはり本当に示唆に富むんだなと思うようなことは幾つかございます。例えば自衛隊の国際協力業務を自衛隊の本来任務にしていこうじゃないかと、今は付随的業務になっておりますけれども。これはまさに自衛隊が、戦争が起こりそうな地域、起こりそうな地域と言うと語弊があるかもしれませんが、やはり予防的業務をやる。そしてまた、紛争が起こった後の人道復興支援とか、そういう紛争の後の業務にも参加していく。それはすなわち、そういうふうにいろいろな意味で世界が平和になっていけば、それは日本の平和につながっていくのではないか、こういう思想のあらわれだと思います。今、津村先生も引用されましたけれども、自己の防衛、同盟関係、それから世界の平和、こういう幅広い視野から安保防衛懇というのは報告書を書いてくれているんじゃないか。

そういうことを考えますと、やはり私は、この問題、幾らでも広がっていくと思います。だけれども、今、日本として防衛についてどう考えるか。その考え方は広くなっているし、そしてまた、この安保防衛懇の報告書をも踏まえて新しい防衛大綱をつくっていく、そしてまた中期防衛力整備計画もやっていく。この際に、先生の幅広く考えろということを常に背景に持ちながらやっていかなきゃいけないのだな、こんな思いを今いたしました。


津村委員
私がお尋ねをしたのは、この報告書の説明ではありません。そして、これが地理的に確かにいろいろな広がりを持っているのはおっしゃるとおりですけれども、分野を超えた、そういった広がりを持っていないことを申し上げています。もう少し端的に申し上げますと、私は、国家の安全保障ですから、これは防衛庁とか外務省とかあるいは農水省といった縦割り行政の弊害がここに見られては、あってはならないことだ、そういった問題意識から御質問しています。

防衛庁長官はもちろん防衛庁を主として所管されているわけですけれども、しかし、こういったビジョンを防衛庁長官として示されていくこと、それは庁の枠に決してとどまるものではないのではないか。そして、まさにこうした何年ぶりかの報告書ですから、ビジョンを示すための報告書ですから、大局的なビジョンをお示しいただきたい、そういう思いで御質問しております。

これからそういう機会は例えば防衛大綱の見直し等の場で具体的にあると思うわけですが、大野長官がそういったビジョンを開陳される機会としては、どういった場を想定されていますか。


大野国務大臣
今後、例えば安全保障会議、既に二回ばかり開かれております。三回だったですかね。この安全保障会議の場で、こういう先生のおっしゃった幅広い視野から安全保障問題を考えていきたい。

しかし、我々がつくっていかなきゃいけないのは、新しい防衛大綱であります。そこにあらわれるのが、あるいは先生がおっしゃったような幅広い視野がちりばめられているのが見られるかどうか、これは別として、私としては、その幅広い視野から日本の安全保障を考えていきたい、その安全保障会議の場で議論をさせていただきたい、このように思っています。


津村委員
それでは、具体的な論点として一つお伺いしたいと思います。ODAの戦略的な位置づけについてでございます。

ODAにつきましては、さまざまな側面があると思います。歴史的な経緯もあります。戦後補償の一部として始まったという見方もありますし、その後、先ほどの総合安全保障の中で位置づけられたり、あるいは国連の非常任理事国の選挙、あるいはこれからの常任理事国入りを目指すに当たって、さまざまな戦略的な配慮を主として外務省はされているのではないかと思いますが、私は、これこそまさに、予防外交その他、防衛庁の枠内にとどまらないけれども、広い意味では安全保障に当たる一つの好例だと思います。

そういった意味で、あえて大野長官に伺いたいんですが、日本のODA政策を考える上で、これからどのような戦略的な思想を持って当たられるんでしょうか。大野長官に伺いたい。


大野国務大臣
町村外務大臣がおられますので内心じくじたる思いでございますけれども、私は、ODAの役割というのはやはり外交の中の一環であり、これは個人的意見になってしまいますので、やはりお答えしない方がいいんじゃないかとは思いますけれども、例えば、現実問題として考えられますのは、イラクで今自衛隊が人道復興支援をやっております。その中で、ODAの役割というのが大変大きな、資金協力ということで大きいわけですね。

ですから、イラクの復興の問題一つ考えてみても、マンパワーで協力していく、これが自衛隊でございます。それから、ODA等資金協力で協力していく、これがイラク復興支援のまた一つの大きな力になっている。まさにODAと自衛隊とが車の両輪のようにかみ合って、反対に向いて走ってはいけません、かみ合ってイラクの復興に役立っている、このような思いがいたしております。だから、お互いにやはり外務大臣と十分議論させていただいてそういうものを考えていかなきゃいけないな、このように思っています。


津村委員
同じ質問を町村大臣にもさせてください。

これから日本の国の安全保障を考える上で、ODAの位置づけを外務大臣としてどうお考えかという御質問です。


町村国務大臣
この安全保障及び防衛力に関する懇談会レポート、私も全部を精読したわけではございませんけれども、この第一部の二、統合的安全保障戦略の(二)、「国際的安全保障環境の改善による脅威の予防」という形で、この中に「日本自身の努力」として、「二国間の開発援助は、多くの国々の国づくりに役立ち、経済発展に貢献し、実質的にわが国の安全保障にも寄与してきたと考えられる。こうした援助や外交活動、さらには警察などの協力は、国際社会と連帯して行いうるのみならず、日本独自の活動としても実行すべきであろう。」こういう形で、彼らもそこのところは意識してちゃんと触れているということを念のために申し上げさせていただきます。

その上で、今ODAと日本の安全保障の関係をどう考えるかというお尋ねでございました。これは、昨年八月に外務省でODAの大綱というものを見直して、新しくつくったところでございます。このODA大綱の「目的」という部分がございますけれども、要旨は、日本のODAの目的は、「国際社会の平和と発展に貢献し、これを通じて我が国の安全と繁栄の確保に資することである。」ということで、広く言えば、私は、日本の自衛隊の活動あるいは日米安全保障条約も、こういう究極の目標というのは同じところにあるんだろう、国際社会の平和と発展に貢献をするということであろうと思います。

ただ、アプローチの仕方としては、資金を通ずる協力であるとか、あるいは技術を通ずる、人を通ずる協力、いろいろな側面がODAにはございまして、それらを通じて、最終的には、やはり日本の平和と安全というようなことを意識しながらこれを戦略的に活用していくということが重要なんだろうと考えております。


津村委員
私が今回あえてODAのことを取り上げましたのは、一つは、先ほど申し上げたように、省庁を超えた枠組みを、しっかりと広い枠組みをとっていただきたい、安全保障会議なら安全保障会議で大野長官の御見識を示していただきたいということと同時に、もう一つは、タイミングの問題でございます。

今回、十月に報告書ができた、そして年内にも防衛大綱そのものの見直しも進められようとしている、そういった大きな流れが、まず年内というものが一つある一方で、昨日は参議院の方から、ODAのあり方に関して、実地の調査も踏まえた、近隣国に対するODAのあり方を見直そう、具体的な国名は申し上げませんけれども、そういった御提言も出てきた。そして、その一方で、きのう、きょうとまさしく安全保障をめぐる環境は大きく激変をしているわけです。

そうした中で、ある程度時間を区切ってしっかりとその方向感を出していかなければ、ODAを戦略上位置づけているというそのメッセージ性が失われてしまう、そのことを申し上げたいと思います。年内という時間軸も含めて、大野長官の御決意を聞かせてください。


大野国務大臣
先生のおっしゃること、私、一々そのとおりだと思って聞いております。

そこで、安全保障会議に臨むに当たって、もっともっと幅広い視野から安全保障を考えていく、このことは頭の中に持っております。持ってまいります。しかし、防衛大綱なりを議論するときはそういう考えでやりますけれども、出てくるものの中にそういうものがどこまでちりばめられるかということにつきましては、やはり防衛大綱によって日本の防衛はどうするんだということが主体になりますので、先生のおっしゃるような気持ちを込めて議論に参加していく、このことだけは申し上げたいと思います。


津村委員
ここからは防衛庁の方にだけの御質問になりますけれども、防衛大綱の見直しに関しまして、先ほど総合安全保障の観点というやや大きな話をさせていただきましたが、もう一つ、仮に、先ほど大野長官言われたように、狭い意味での安全保障、防衛庁関係の議論に絞って見たとしても、今回このような報告書をまとめたというのは、やはり大きな組織としての防衛庁なり自衛隊、これは日本にとっては物理的にも大変大きな組織ですし、もちろんその意義も大変大きな組織なわけでありますけれども、この組織をどうやってマネジメントしていくか、それを考える一つの大きなきっかけになると思います。

一般企業でも、三年や五年に一度、中期経営計画というものをつくるわけですけれども、言うなれば、そういった経営ビジョンを示す絶好の機会だと思うわけですが、いわゆる経営資源として人、物、金、情報、こういった角度があると思うんですけれども、今回の報告書の中で、物という意味で装備・技術基盤の改革、あるいは情報については統合幕僚会議の機構改革、こういった方向感が出ているわけですけれども、人をどうしていくのか、あるいはお金をどうしていくのか。お金については、一定の制約、むしろ厳しい制約があることは、国家財政自体も一種の国民の安全保障の一つとも言えますから、ここに制約があることは明らかですが、残す人の問題ですね、これが今大きな議論にもなっていくのかと思います。

もう少し端的に申し上げますと、装備の高度化ということを進める以上、それは大変資本集約的な取り組みですから、一方で人の数はどうしても合理化していかなければいけない。少なくともそういう検討はしっかりとしてビジョンを示していかなければいけないと思いますが、この人員計画について、防衛庁のこれからのスタンスを聞かせてください。


大野国務大臣
私は、これから一言で言うとすれば、考え方は多機能弾力的、こういう考え方だろうと思います。

多機能というのは、安全保障環境が多様化していく。いろいろな脅威がありますから、いろいろな局面に対応していかなきゃいけない、これが一つであります。ただ、そういう局面に一つ一つの対応する部隊なり組織を充てますと、これはもう組織として膨大なものになってくる。これはもう先生御理解いただけると思いますが、したがって、弾力的に対応していこう、これが問題だろうと思います。そこから出てくる問題点というのは、やはり統合運用という問題だと思います。それから、即応部隊みたいな考え方だと思います。そういうものが一つあると思います。

それから、もう一つの特色は、やはり情報力をどう考えていくか、こういう問題があろうかと思います。それから、装備についてはお尋ねでありませんので申し上げませんけれども、もちろん装備についても考え方がある。

その中で、弾力的ということをどう考えていくか、その機能の中にどういう場面があるのか。その一つは、島嶼部の防衛もやらなきゃいけない、だとすれば、それに即応できるような配置が必要である、こういうことであります。それから、統合運用をして弾力的にやっていくには、師団の規模をどういうふうに考えていけばいいのか、こういう問題があろうかと思います。

それから、これは災害派遣の問題でありますけれども、災害派遣につきましても、御存じのとおり、新潟県中越地震につきましても、一日当たり四千四百人以上の自衛隊の諸官が活動している。こういうふうに災害派遣を考えますと、やはり災害派遣のための、いざとなったときに国民の皆様のニーズにこたえられるだけの展開はしておかなきゃいけない。

それからもう一つ、やはり国際協力義務を本来任務にしよう、こういう提言、私は示唆に富んだものだと思っていますけれども、それをやるためにはやはりマンパワーが必要である。そういう意味で、私は、マンパワーというのが本当に日本の防衛を支える、国民のニーズにこたえていくための大きな大きな力である、このように思っています。装備は、例えば戦車、大型戦車から装輪装甲車に変わっていく、こういう問題はありますけれども、マンパワーは力を入れてやっていかなきゃいけない問題だと認識しております。


津村委員
そのマンパワーの議論の際に、今回たまたま不幸にしてああいう震災が起きていますので、人を減らすと災害派遣等で十分なことができない、そういったようなコメントが時々新聞等で紹介されるんですけれども、それと時を同じくして、読売新聞だったと思いますけれども、六日付で、二十四時間以内に二万人投入、南関東地震に備え自衛隊計画と。南関東直下型地震を想定してこれだけ人が要るんだというような記事が出ておるんですけれども、これはどこから出たものですか、防衛庁さんの試算でしょうか。


大野国務大臣
自衛隊の災害派遣計画案でございますけれども、現在、南関東地域震災及び東海地震につきましては、人命救助活動等の救助活動を効果的に実施するための災害派遣計画を持っております。被災予想地域外の増援部隊等の指定や当該部隊の増援により、発災後、機を失せずに人命救助活動を第一義とする救援活動を行うということであります。

いろいろな、あと細かに計画なり考えはありますけれども、細かく申し上げてもと思いますので、この程度にさせていただきます。


津村委員
もう質問時間が終わりますので、これで終わりにしますけれども、私は、今回、中途半端に南関東直下型地震なるものをいきなり出してきて、たくさん人が要るんだという話をこの時期にするのは少し話としてはおかしくて、もちろんしっかりといろいろなシミュレーションはしていただきたいと思います。東海地震や東南海地震だけではなくて、むしろ火山活動あるいは原発事故といったことも想定しながら、どのような場合にはどれだけ人が必要なのか。

そして、やはり自衛隊の皆さんも、先日私も観閲式に出席をさせていただきましたが、皆さん大変な努力をされておるわけで、そういった皆さんのローテーション、人繰り、そういったことも現実的に考えていかなければいけませんし、ヘルスケア、メンタルケアといったことも含めて、ちょっとその東海地震のものも見させていただきましたけれども、非常に薄っぺらいものでして、これは概要かもしれませんが、やはり国民の安心、安全のための自衛隊ということで、この報告書を機会に国民の理解を深めていこうということであれば、ぜひそういったシミュレーションも、より多岐にわたる、そして自衛隊の立場から見て現実的なものをしっかりとつくって、示していっていただきたい。

最後にそれだけ御注文して、私の質問を終わります。


安全保障委員会 第4号  2004年11月11日(木) 午後5時35分散会 目次

津村啓介HP